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2014年09月28日18:32

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【文字起こし】2014.9.27 ラジオ・フォーラム第90回 小出裕章ジャーナル【3つの東電発表から垣間見える事故の実相について】

福島第一原発では、1日当たり約3,000人だった作業員の数が、いつの間にか6,000人に増えているんですよね。

つまりそれだけ人員を投入してなお、収束作業がほとんど進んでいないということ。

チェルノブイリでは60万人から80万人もの人が事故収束に動員されたと言われていますが、大事故を起こした原子炉を4基も抱えた日本では、一体どれだけの人数が必要なのか、想像もつきません冷や汗



ラジオ・フォーラム第90回の紹介ページ
http://www.rafjp.org/program/090/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

NEW10月2日(木)、小出さんに会いに函館へ行きます!
小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)

西谷:小出さん?

小出:はい。

西谷:今日もよろしくお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

西谷:えー東電の公表によりますと、8月29日に、

小出:はい。

西谷:3号機のですね、使用済み燃料プールで、がれき除去作業中に、機器が落下したと、

小出:はい。

西谷:重さ400kgの、「操作卓」と呼ばれる機器だけではなくて、操作卓を据え付ける、170kgの架台も絡まって落下したと。

小出:だそうですね。

西谷:で、接触した可能性のある燃料集合体は、2体ではなくて10体もあるという、まあこういう何か、大変恐ろしい発表があったのですが、

小出:はい。

西谷:これ・・・小出さんこれ、燃料集合体にこういうものが当たるということは、これかなり危険なんじゃないですか?

小出:えーと、燃料集合体は一応あの、「ラック」というですね、集合体1体1体を収納できるような、まあ格子状の、まあ金属製の・・・何て言うんでしょうかね、置き場というものの中に納まっているのです。

西谷:はい。

小出:それで頭も、その金属製の鞘の中にですね、格子の中に納まっている状態で・・・

西谷:保護されているっていう・・・

小出:はい。基本的には保護されているはずだと思いますが、ただし今、西谷さん仰ってくださったように、400kgの操作卓と、170kgの架台も一緒に落ちてしまっているわけで、

西谷:はい。

小出:えー、水中ですので何がしかの衝撃のクッションはありますけれども、それでもそのラック自体が、破損をした可能性は私は十分あると思いますし、そうなると燃料集合体がまた損傷しているということは、あるだろうと思います。そうなるともちろん放射性物質がまた、え・・・使用済み燃料プールの水の中に、え・・・漏れてくる。あるいは気体上のものは、外部に出て行ってしまうということが起きたんだろうと思います。

西谷:ブクブクと泡になって出た可能性もあるということですか?

小出:はい。

西谷:はい。それとですね、あの、同じく東電がですね、2号機の、圧力抑制室の、下部外面調査を発表したと。

小出:はい。

西谷:えーロボットがですね、繰り返し落下したため、調査範囲が限られたと。

小出:はい。

西谷:これ・・・その、まあロボットの画像でですね、放射線量が高いと思われる、画像の乱れが確認されたということを発表してるんですが、

小出:はい。

西谷:まず、ロボットが繰り返し落下したって、これ落下し・・・まあ、遠隔操作ですから、しますよねえ。

小出:そうです。あの・・・先程の、3号機の使用済み燃料プールで瓦礫を落としたという作業もですね、全ては遠隔操作なのです。要するに現場に行くことができませんので、遠い所から無線操縦しながら、作業をしているわけです。大変難しい作業を、燃料プールでもやっているし、この圧力抑制室なんていう所はもう全く人が行くこともできないほどの猛烈な被曝環境ですので、遠隔操作をするしかないし、ロボットというものも基本的には放射線に弱い機械ですので、え・・・なかなか上手く行かないし、これからも難航するだろうと思います。

西谷:あのー、同じくですね、東電がですね、9月8日に発表したのですが、

小出:はい。

西谷:今年5月までの10ヶ月間にですね、あの・・・ストロンチウム90、それからセシウム137が、2兆ベクレルもですね、港湾に漏れていたと、いうことなんですが、

小出:はい。

西谷:これは東電自身の、放出管理目標の10倍を超えてるという数字なんですけども、これ先生、大変な数字なんじゃないですか?

小出:はい。まああの、皆さん2兆ベクレルという数字を聞いても、多分ピンと来られないだろうと思います。

西谷:はい。

小出:え・・・いずれにしてもその放射性物質ですので、危険なものです。例えば比較の例を聞いていただこうと思うのですが、

西谷:はい。

小出:ストロンチウム90という放射性物質。それを例えば食べてしまう、あるいは飲んでしまう、ということをすればもちろん、その人が被曝をするわけですね。

西谷:内部被曝ですね?

小出:そうですね。それで、普通の一般の方々は1年間に1ミリシーベルトという被曝を超えてはいけないという法律になっているわけですが、え・・・そのために一体どれだけストロンチウム90を、食べたり飲んだりしたらそれになってしまうかということは、まあ計算で出てくるわけです。

西谷:はい。

小出:その計算に従って言うとですね、仮に、1兆ベクレルというストロンチウム90があれば、2800万人分になります。

西谷:1兆ベクレルのストロンチウム90は、2800万人分の、その限界・・・

小出:え・・・1年間にそれ以上摂ってはいけないという量になります。

西谷:2800万人といえば、これは日本の人口の4分の1・・・

小出:そうですね。それからセシウム137の方は、ストロンチウム90よりは少し内部被曝の危険度が低いのです。

西谷:はい。

小出:そのため、もしセシウム137が1兆ベクレルあるとすれば、1300万人分になります。

西谷:1300万人って東京都1つ・・・

小出:(笑)、そうですね。超えてしまうかもしれません。それで、え・・・先日の東京電力の発表だと、ストロンチウム90が、1兆4600億ベクレル。セシウム137の方が、6100億ベクレル。という発表の数字になっていまして、ストロンチウム90の方が約2倍多かった、ということになっています。それでもし、ストロンチウム90が本当に、1兆4600億ベクレルだとすれば、それは4100万人分の年摂取限度に相当します。

西谷:ほぼ日本の人口の半分近く・・・

小出:半分近くですね。それからセシウムの方は、約800万人分です。

西谷:ああ・・・大阪府の人口ですね。

小出:まあいずれにしても両方出ているわけですから、日本人の約半分が、1年間に許される限度の量、ということになるだろうと思います。

西谷:えっと、ちなみにストロンチウム90というのは、骨に溜まりやすくて、

小出:そうです。

西谷:セシウム137は筋肉に溜まりやすいと。

小出:仰るとおりです。

西谷:だから、ストロンチウムの場合は、白血病とか、そういうものの可能性が高くなって、

小出:そうです。

西谷:セシウムの場合は、肺がんとか胃がんとか、そういうものに・・・

小出:はい。全身にあの・・・危険が及ぶと思います。

西谷:極めて危険な物質が、大量に、海に放出されてしまったんですけど、ここまで出たのは、もしかしたら建屋のトレンチですね、

小出:はい。

西谷:ここから直接漏れてる可能性があるというふうにも言われてるんですが。

小出:私は当然だと思います。2011年3月11日に、東北地方太平洋沖地震が起きて、もう散々な被害に、そこら中が遭っているわけですね。

西谷:そうですね。

小出:福島第一原子力発電所の敷地の中でも、たくさんの機器が壊れたと思いますし、コンクリート構造物というのは元々割れていますし、その上巨大な地震に襲われれば、

西谷:マグニチュード9ですもんねえ。

小出:そうです。そこら中でひび割れしているのです。ですから事故直後に、え・・・トレンチが剥き出しになっている岸壁の部分からですね、水がジャージャーと流れていたのも確認されました。何箇所もそういう所があったわけですけれども、それは目で見える所で割れていたから見えただけであって、

西谷:地下だったら見えませんもんねえ。

小出:地下は見えないままどんどん漏れていたのです。当時から。

西谷:ああ・・・。これね、

小出:はい。

西谷:あの、今からでも、先生おっしゃるように、タンカーか何かに、積み替えて、という風にした方が良いですかね?

小出:私は必ずやるべきだと思います。

西谷:これこのまま放っておいたら、外洋に出て行くだけですもんねえ。

小出:はい。このままではもう手の打ちようがありませんので、まあ私はタンカーに移すべきだというのは、2011年3月の段階から発言をしてきました。もう既に3年半も過ぎてしまいましたけれども、あまりに遅いとはいえ、やっぱりやるべきだと思います。

西谷:今からでも遅くないと、いうことですね。

小出:はい。遅いのですけれども(笑)、やった方がいい。

西谷:遅いけれども、とりあえずやったほうが良いと。

小出:はい。

西谷:あの・・・、大変な時代だということが分かりました。小出先生、今日はどうもありがとうございました。

小出:はい。ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■浄化装置また白濁=対策実施もトラブル―福島第1
(時事通信社 - 09月26日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3070264
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