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2014年09月22日01:04

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「技」を継ぐということ

ゲーム武器 現代の刀匠が再現
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3062536


長船のコラボ企画展が山口でも巡回開催されるそうで喜ばしい限りです。

この夏休み企画展が開催される度に、以前の企画展の際に
長船博物館所属の刀匠が語っていた言葉が思い出されます。

 現代では日本刀は『美術品』としての意義が第一で、
 購入者が存在しなければ技術の伝承そのものにも需要が無くなってしまう。
 こういった企画展で少しでも興味を持ってもらえるようにすると同時に
 刀匠としての技術を揮える場所を設けることが大切・・・と。

今回の企画展にあった解説で心に残ったものが二点ありました。

以前の日記でも記述したが「失われた技術の復刻への模索」
そして「銃刀法規制と刀剣の制約」・・・ですね。

失われた技術の復刻と言うのは例えば

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ゲーム中で真田幸村が使用する十字槍。
上記してますが現代刀という物は「美術品」なんですね。
ですから史実として実在する事が明らかな「武器」でも
その鍛造方法という物は失われて久しいのだそうです。

形を作るだけなら鉄板を切り出してグラインダでもかければできますよ。
でもここは「日本刀」の実践研究施設でもあるんですね。

ですからこの十字槍もちゃんと日本刀の鍛造技術の延長線上に作られています。
穂先だけじゃなくって槍全体がちゃんと日本刀を作るための専門技術者の
技術の応用で作られている訳です。

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真田信之の直刀も日本刀鍛造の技法に従って製造されています。

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ただしここで上記した「銃刀法の制約」が課せられてきます。

つまり日本では一定以上の刃渡りの長さを持った刀剣類は「刀剣としてのデザインである事」、
「仕込などの特殊なギミックを持たない事」を遵守しないと製造不可になるんですな。

そのためゲーム中にはあった仕込みギミックは割愛されています。

あくまで「刀剣」として製造されている訳です。

この制約を課せられた結果

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本田忠勝の蜻蛉切はゲームデザインではなく実在した蜻蛉切の写しの穂先に。

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前田慶次の二又矛は現存武器のデザインから応用して・・・などとなってます。

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石田三成の鉄扇や

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加藤清正の片鎌十文字槍などはまだ再現がなんとかだった様子ですが。


ゲーム中の架空武器の再現だけではなく

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伊達家や

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織田家伝来の鎧装束や

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真田幸村伝来の村正なども展示されてまして。


エヴァ展やvs二次元展に比べると、ぶっ飛んだケレン味の強いデザインの出展物が希薄ですが
史実の武将伝来の展示物を混交させて展示してありましたので、個人的には好印象でした。

巡回展を切っ掛けに日本刀の魅力をより多くの方に体感していただければと期待しています。
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