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2014年09月17日01:07

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安倍の思う壺。日本人は危機感が全くない。

、「吉田調書」と「吉田証言」の二つの件で朝日の木村伊量が謝罪会見した。朝日の社長が会見に出てきて謝罪するのを見るのは初めてだ。否、朝日の社長が会見で何か喋るのを見るのも、これが初めてかもしれない。歴史的な事件と言える。朝日の問題報道と言えば、25年前のサンゴ落書き事件を想起するが、あのときも謝罪会見などはなかった。何十年か後で、日本のファシズムと戦争が顧みられるときに、一つの重大な節目として語られることになるだろう。4日前(9/8)の記事で懸念を述べたばかりだったが、予想を超えた急激な流れで謝罪に追い込まれ、社長の進退という展開にまで至った。ファシズムの時代の滑り方のスピードが実感されて恐ろしい。言うまでもなく、今回の謝罪会見は、あの池上彰の問題から惹き起こされたものだ。池上彰の騒動が起きなければ、朝日の社長が会見で謝罪という始末まで追い詰められることはなかった。左翼とリベラルが、右翼と政権による朝日叩きの尻馬に乗り、軽薄に狂躁し、朝日叩きをファッショ(facio)の政治にした結果に他ならない。水島宏明らの罪は万死に値する。今、われわれは、韓国や欧米の市民社会が日本をどういう眼差しで見ているかを想像しなくてはいけない。慰安婦問題の報道で朝日の社長が謝罪会見し、安倍晋三による朝日批判がNHKで大きく報じられている、そんな日本を海外はどう見るか。それを考えたとき、1週間前、軽々しく「朝日は池上さんに謝罪しろ」などと言えるのか。 

4日前(9/8)、こう書いた。「もし、朝日が会見で謝罪という始末まで追い詰められれば、国内での慰安婦問題の通念と表象は、右翼のプロパガンダが『真実』となり、すべてが捏造という帰結になってしまう。強制性のない自発的な娼婦事業だったという認識がコモンセンスとして固められるだろう。河野談話の無効化まで押し切られる」。この懸念と不安が、あっと言う間に現実のものになった。NHK、読売(日テレ)、産経(フジ)、文春、新潮など、いわゆる右翼メディアは、この朝日の謝罪会見を受けて、「慰安婦問題の捏造は朝日の誤報から始まった」というキャンペーンを繰り広げ、朝日の記事が捏造だったから慰安婦問題も捏造であるという「判断」の刷り込みに躍起になるだろう。韓国側の虚偽に朝日が便乗して日本国民を騙したのだという論法で説得する。これは、右翼がこれまで連呼してきたフレーズだが、今回の朝日の謝罪を契機に、世論への浸透(納得)を確実に強める状況になるに違いない。まず、週末に世論調査が行われる。朝日の謝罪について、その当否を問い、朝日叩きを数字で固め、朝日の信用失墜を国民世論で確定させた上で、クマラスワミ報告の是非を問い、次に河野談話の是非を問うという方法を採る。こうやって、少しずつ陣地を前に進め、河野談話の破棄(見直し)の政治へと詰めて行くのである。その一方で、韓国との水面下の外交交渉で圧力をかけて行く。どれだけ韓国が粘っても、日本側の譲歩はないよと。

安倍晋三の獲物である、具体的成果なしのパフォーマンスだけの日韓首脳会談の実現へと攻勢をかける。韓国側が屈服し、その外交に成功すれば、国内の右翼メディアはまた安倍晋三を礼賛し、安倍外交の勝利だと囃して支持率を上げる。悪循環。そして、国連が日本に対して厳しい姿勢になれば、国連を批判し糾弾する世論を扇動するようになるだろう。「国連は中韓と左翼に支配されている」と喚き、国内のマスコミとネットを総動員して反国連感情を噴火させて行くだろう。この1年間の朴槿恵叩きのキャンペーンと同じような、ヒステリックなクマラスワミ叩きが週刊誌で演じられるかもしれない。今の朝日の編集現場を想像すると、判官贔屓の心性も手伝って、どうにも同情的な気分にならざるを得ない。誤報は弁護できないけれど、今年に入って半年間、集団的自衛権の政治で最も先鋭に安倍晋三と対決し、行使容認を阻止すべく論陣を張ってきたのが朝日だった。関ヶ原の大谷吉継のような果敢な奮戦ぶりだった。去年の秘密保護法の政局では東京新聞が活躍したが、今年の集団的自衛権の攻防では朝日新聞が主役となって健闘していた。負けられない一戦という緊張感が伝わった。朝日は霞ヶ関への影響力がある。それなりに勝算を見込み、全力で前線に突入していた感があった。7/1に安倍晋三が凱歌を上げる。朝日の無念と敗北感は大きかっただろう。その傷ついた朝日に、8月以降、「吉田証言」と「吉田調書」の問題が襲いかかった。

「吉田調書」の問題だけなら、何も社長の謝罪会見というまでの騒ぎにはならない。「吉田証言」と二つ重なり、右翼のバッシング祭りの餌食となり、池上彰の事件で止めを刺されて白旗となった。8/6の「吉田証言」の誤報発表の決定は、何となく、7/1に政局に敗れて打ちひしがれ、憔悴して弱気になった末の迷走だったのではないかと、私にはそう思われてならない。今の政治状況を鑑み、その後の影響を考えれば、あのタイミングで出すべきではなかった。朝日の首脳部の中に、安倍晋三と通じた工作員が潜入している可能性もある。朝日の記者の中にも、右翼と気脈を通じ、朝日の抵抗姿勢を内側から切り崩している間者もいる。7/1から2ヶ月しか経ってないのに、政治は急速にファシズムの暗黒の方向に旋回した。右翼の権力掌握が固まり、とても7/1以前の政治に戻せそうにない。集団的自衛権を撤回させる気運を起こせない。朝日は、叩かれ、傷つき、歯を折られ、政権と対峙する気力を失い、右翼に妥協し迎合する姿勢へと縮こまるだろう。人事で体制が変わる。そのことを危惧する。しかし、それにしても、昨日のあの社長の謝罪会見は何だったのだろう。あの傲慢な朝日が、私に対しては、同じ年くらいの記者が、投書を「声」に載せてやるから言うとおりに表現を直せと、強引に横柄に上から指図した朝日が、そのトップの社長が、本当に平身低頭に、申し訳ありません、済みませんと、まるで怯えるように、拷問された後のように、謝罪の言葉を言い続けていた。

拷問された後のように。本当にあれは現実なのか。「吉田証言」と「吉田調書」の問題は、本当に朝日の社長があそこまでしなければいけない、社会的に絶対に許されない問題だったのか。池上彰の悶着は、叩かれなくてはいけないのは朝日の側なのか。ファシズムの圧力に屈服して、無理やり謝罪会見に追い込まれたようにしか見えない。家畜が追い立てられるように、社長が謝罪会見場に追い立てられたように見える。追い込んだのは、政権と右翼だけでなく、毎日の岸井成格であり、江川紹子であり、左翼の水島宏明だ。リベラルも、左翼も、一人一人がファシズムの束に結集し始めている。安倍晋三の思うツボではないか。こんなことでいいのか。本来、リベラルは、「吉田証言」の誤報の問題については、政治的影響を考えて、憂鬱な沈黙と忍耐の態度で臨まなくてはいけなかったはずだ。暴風雨が過ぎるのを待つという姿勢でよかった。誤報を叩くのは、右翼がこれでもかとやってくれる。ファッショの袋叩きになり、国民的糾弾の集団リンチになり、一気に謝罪会見にまでなったのは、池上彰の事件が起きたからであり、左翼・リベラルが付和雷同して池上彰の支持に回り、朝日叩きの束(facio)に加わったからだ。毎日・TBSとテレ朝の旋回が大きかった。10日前、池上彰の事件が起きたとき、逆にリベラルの論客が池上彰批判に回っていれば、社長の謝罪会見にまでは至らなかっただろう。

深呼吸して事実を正視したとき、本当に悪いのは朝日の方なのか。政治的悪意をもってオフレコ・ルールの信頼関係を破り、窮地に立つ朝日の弱みにつけこんで巧妙に確執を仕掛け、その内幕をバラした池上彰の側に非はないのか。言論の自由などと言って大騒ぎする問題だったのか。 
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