少し前になるが、私は中之島でシルク・ドゥ・ソレイユのオーヴォを鑑賞した。
それも4回。
1回目は7月26日16時。
2回目は8月2日16時。
3回目は9日16時。(ここまで3週連続土曜16時)
そして4回目は15日の正午。(FM802の貸切公演)
そんなに立て続けに観てどうするんだ
などと言われそうだが、それだけどっぷりとはまってしまったということだ。
ちなみにシルクドゥソレイユって何?オーヴォって何なの?ということについては、こちらをご参照いただきたい。
シルクドゥソレイユ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A6
オーヴォ日本ツアー公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/events/ovo/index.html
さて、2009〜10年の「コルテオ」の時もそうだったが、ネタバレをしたいという欲求を抑えられず、ここに鑑賞記もどきを書くことになった。
(なお、11〜12年のクーザ、および13年のマイケルジャクソン・ジ・イモータルは行けずじまいだったので書きようがない。)
コルテオに関しては、記載した時点で日本ツアーそのものが終盤に差し掛かっていたため、今回は大阪公演まっただ中、つまり「おもひで」に変わってしまう前のこの時期に書いてしまおう、と思い至ったわけだ。
これからそのネタバレをするわけだが、当然のことながら、結末やそこに至るプロセスは知らないまま鑑賞したいという方もいらっしゃるわけである。
ということで、該当する皆様は、ここから先の閲覧をお控え下さるようお願い申し上げます。
なお、あれもこれもと書いているうちに、10000字ではとても足りないことが判明したので、いくつかに分割させていただきます。(いくつになるかはまだ確定しておりません。)
鶏飯、、、ぢゃなかった、京阪中之島駅と渡辺橋駅のほぼ中間、高層マンション・N4TOWERや、大阪市立科学館の北に位置する中之島ビッグトップで、7月17日から11月2日まで行われている今回の公演。
(全く関係ないが、今回の会場は、土佐堀川寄りと堂島川寄りの2つのゲートがある。)
当日券などを扱うチケットブースは、テント本体からは切り離されており、個別のプレハブとして堂島川寄りに設置されていた。
エントランステントに入ると、虫の鳴き声(ただし当然のことながら録音)がそこかしこから聞こえ、雰囲気を醸し出している。
(だが残念なことに、「応援団長」小倉智昭氏同様、私は大の虫嫌いだ。特に虻〔あぶ〕!!)
(ちなみに、8月15日のFM802DAYでは、来場者全員に「謎の卵」〔食用の鶏卵の形をしているが、実態はバジル栽培セットとなっている〕が配られていた。なお、私はまだ開封していない。)
運が良ければショップで終演後に演者へ渡す花を買うことができる。(1公演先着10名様のみ)
私はそのうち1回目(7月26日)と3回目(8月9日)で購入することができた。
一通りフード類を購入し、いざメインテントへ。
客席は７ブロックに大別されており、左端のＡブロックと右端のＧブロックがＡ席・Ｂ席となっていて、間のＢ〜ＦブロックはＳ席となっている。
(注：この表記は大阪公演のみで、既に終了した台場公演、および名古屋・福岡・仙台公演は上からSS・Ｓ・Ａ席と表記されている。)
鑑賞ポジションだが、1回目と2回目はＤブロックの後ろ寄り、3回目はＡブロック10列目(渡り廊下のすぐ上)の左から2番目、4回目(FM802DAY)はＥブロック12列目の右端だった。
話は逸れるが
(逸れすぎやん!!)ミュージシャンブースなるものを3回目の開演前に初めて見た。
よく見ると楽器部分を赤いＬＥＤ(?)が照らし出していたほか、ステージ全体を映し出しているモニターが設置されていたのだ。
さてさて、ようやく本題だ。
演目順はこのようになっている。
(0)プレパフォーマンス
(1)コミュニティの目覚め
(2)オーバロ
(3)フォーリナー来訪
(4)アンツ
(5)コクーン
(6)バタフライ
(7)ディアボロ
(8)クリーチュラ
〔8月15日の公演では行われなかった〕
(9)フライング・アクト
==30分間休憩==
(10)ウェブ
(11)アクロスポーツ
(12)スラックワイヤー
(13)シークレットラブ
(14)足のダンス
〔演目表には載っていない〕
(15)ウォール
(16)バンケット（フィナーレ）
番号順に見ていこう。
まず(0)プレパフォーマンス。
今回の作品は、シルク・ドゥ・ソレイユ史上初めて、人間役が登場しないという触れ込みがあったのだが、厳密にいうとちょっとだけ嘘が混ざっている。
それがこのプレパフォーマンスで、白い防護服を着て、虫取り用の網を持ったキャラクターが蝶を捕まえようとするシーンがあるのだ。
(どうでもいいがこのキャラクター、宇宙飛行士に見えなくもない。)
それ以上に強烈だったのが
バッタ。。。(と思っていたが実はコオロギ)がＡブロックそばの入り口から入場してきたシーン。
演者の一人が私の方をじっと睨みつけてきたのだ。
思わず負けじと私も反応してしまい、
睨み合いの一触即発。
実はこのとき、今回の大阪公演のイメージキャラクターの一人である間寛平氏が、惜しまれつつこの春終了した笑っていいともの「テレフォンショッキング」に出演(2004年8月12日)した際にタモリ氏と(ほとんど)猿の喧嘩の真似をしただけで終わってしまったシーンが頭に浮かび、
無謀にもそれを再現してやろうなどと考えたのだが、思ってたことの2割もできずに終わってしまった。
しかしそれは同時に、演者の(文字通りの)プロ魂を見た瞬間でもあった。
(睨み返してごめんなさい)
そうこうしているうちに、ハエ(?)の音がして演者が走り去っていく。
場内が暗転し、ステージ中央で膨らんでいた卵がキラキラと輝いたかと思えば突然、
「ジャジャジャジャーン」
「ジャジャジャジャーン」
皆様ご案内のベートーベンの運命(第五)である。
なお、第五と聞いて、
「第五じゃない、第一です!!」
を連想された方は年代および地域が相当限られてくるか、マニアックな方でしょう。
話を元に戻そう。
場内が一瞬煌々と照らし出されたかと思ったら、
一転真っ暗闇。
15秒ほどして、次の(1)コミュニティの目覚めが始まるわけだが……。
その時にはステージを「支配」していた巨大な卵は姿を消し、そして暗転する直前にはなかったはずのポールがステージ右前方に置かれていたのだ。
実はこれには裏がある。
3回目、つまりＡブロックから鑑賞した際、そのポールが「卵」の裏に隠れていたのを見たのだ。
即ち15秒間の暗転に突入すると同時に卵が急速にしぼみ、それを待ってポールを何者かが前方に移動した、というからくり(正確には暗闇の中で微かに映える像)を私はその時に目撃した。
なお、このうち卵がしぼむのと似たからくりについては、2012年サッカーヨーロッパ選手権(EURO)の決勝の生中継で目撃している(このときは優勝杯であるアンリ・ドロネー杯を模したバルーンが、試合開始前のセレモニー終了後、急速にしぼんでいく様が全世界に流れていた)。
ちなみに件のポールは、(2)オーバロで使われることになる。
P.S.卵型バルーンを膨らませたりしぼませたりする場所に関してだが、最初はステージのど真ん中だと思っていた。
しかし、(15)ウォールでは、ステージ中央の縦一列部分がトランポリンと化している。
普通に考えれば、一旦トランポリンを取り外してできた穴からバルーンを膨らませ、しぼませた後に再度トランポリンを組み立てるという繰り返しは、面倒であるうえに安全性が損なわれやすいのではないか。
となると、あのバルーンは少し脇にそれた穴から膨張・収縮を繰り返していたということになる。
(1)コミュニティの目覚め
コミュニティの長である、マスターフリッポ(ジョセフ・コラール氏〔ベルギー〕)が住民たる虫たちを
朝だよ〜
と言って起こすところから物語は始まる。
その住民の中にはこの作品のキーパーソンならぬキーバグ(Key Bug)ともいうべき
レディー・ガガバグ(ミシェル・マトロック氏〔アメリカ〕)も含まれていた。
レディー・バグはよほど寝心地がいいのか、なかなか起きようとしなかったが、フリッポに起こされ、ようやく目を覚ます。
ほどなくして全員がテクノミュージック(?)にのせて踊りだす。
そうだ、これを
ラジオ体操第4にすればいいのにと思ったり思わなかったり。
踊り終わるとみんなそれぞれの持ち場に散っていく……。
(2)オーバロ
(1)の始まりと共に突如姿を現したスロープ付ポールにトンボがとまる。
腕一本で全身を支える曲芸もさることながら、スロープに両足を乗っけて立つという様は圧巻の一言。
そんな中、レディー・バグはトンボに対して花を渡すが、ほどなくしてトンボは肉体美の披露に再び集中するようになる。
その様子をレディー・バグは後ろからじっと見つめる。
寂しがり屋だが、逆に言えば
好奇心旺盛ということか。
このオーバロ同様、レディー・バグがほかの虫たちを見つめる様子は他にもいくつかあるが、4回目の鑑賞から1週間が経過しているので、そこまでは覚えていない。
(3)フォーリナー来訪
フォーリナー。
この言葉を聞いて真っ先に思いつく意味は「外国人」。
だがここではどちらかといえば「外様」のほうがまだ意味として近いだろうか。
それはさておき。
突然エレキの音がけたたましく鳴り響く。
加山雄三氏が出てきそうな雰囲気
の中、Ａブロック側からやってきたのがハエのフォーリナー(谷口博教氏=たにぐち・ひろのり=)。
重い卵を背負って反時計回りに渡り廊下を通ってステージに上がってくる。
ゼーハーゼーハー息を切らしたフォーリナー。最後には疲れ果てて、
ズドーン
後ろに卵ごと倒れこんでしまう。
〔注：先に結論を言ってしまうと、この卵の正体は結局最後まで明かされないままだった。〕
卵を降ろしたフォーリナー、身軽になった途端調子こいて、
「こ〜ん〜に〜ち〜は〜」
(気になるのは、ナイター公演時にこれが「こ〜ん〜ば〜ん〜は〜」となるのか否かだが、あいにく大阪公演は過去のテントショーも含めてすべて昼公演である。)
そしてその勢いでレディーバグを発見。すぐさま
「かわいい〜」
するとレディー・バグ、
「オッパイプルン」
え?どうせなら「オッパイプルンプルン」のほうが良かったって?
そんなあなた、この動画の観すぎです。↓(2分46秒〜2分48秒が問題のシーン)
さらに調子に乗ったフォーリナー、求愛。
その隙にマスターフリッポとその一座、卵を奪おうとする。
フォーリナーそれに気づき激怒。
するとマスターフリッポ、
「ごめんなさーい……」
再び求愛するフォーリナー。
今度こそとばかりにマスターフリッポ、
おう、やっちめえ野郎ども!!
あっけなく卵は奪われてしまう。
奪い返そうとするも、サッカーのフリーキックばりの壁を作られてしまい、しまいには
ボッシュート。
(テーレッテレッビヨビヨビヨビヨビヨビヨ…………)
(4)アンツ
この演目は回によって演者の人数が変動しやすいようだ。
1回目と4回目は4人、2回目と3回目は5人だった。
しかし、関西テレビの告知番組などで流れるＶＴＲでは、6人で演技をする様が繰り返し流れている。
4回見れば1回ぐらいはそれにありつけるかと思っていたが、いまだ実現に至っていない。
万馬券を当てるよりも難しいのか。
1度でいいから6人での集団フットジャグリング(人間が人間をジャグリングする様子)をFEEL LIVEしてみたいものだが……。
ともあれ、中国雑技団仕込みの技には驚愕せずにいられない。
(この演目の演者は全員中国人女性だ。)
中でも倒立でキウイ型モニュメントを何も見ずにクルクル回す様は圧巻。
このモニュメント、重さが約5�圓悩犲舛盡任�、半回転させるだけで一苦労だそう。
お次はトウモロコシ、、、と思いきや。
実は3回目の鑑賞時、他の演目の演者がミュージシャン(シンガー/マリー=クロード・マルサン氏〔カナダ〕)にあるジェスチャーをしていたのが見えた。
曰く
「Where is corn?」
つまりこのときは5人がアンツ役がいたのだが、トウモロコシ型モニュメントが4つしか見つかっていないということだった。
マルサン氏がある方向に指をさし、無事トウモロコシ発見。
よく見ると、マルサン氏はじめミュージシャンの耳には
ヘッドホンが。
なるほど、生演奏である理由が分かったぞ。
つまり先ほど触れたミュージシャンブースのモニター、そして今触れたヘッドホンが、ステージ進行に重要な役割を果たしていたのだ!!
つまりミュージシャンは舞台裏のスタッフからの指示をヘッドホンで聞き取り、それとモニターに映し出された現況を踏まえて演奏を行い
(そうでなければ左右に分かれて同時に演奏を行うことなど無理だ)、演者はそれを受けてどのタイミングでどういう演技をすればいいかを判断するという連携プレーが展開されている、という流れである。
話をトウモロコシに戻そう。
トウモロコシを隣のアンツに向かって足で「投げ」、隣のアンツはきっちりと「キャッチ」する。
つづくナス、そしてアンツ同士のフットジャグリング、何度見ても息をのむばかりだ。
(5)コクーン
早い話が
脱皮。
素顔が一切明かされないままということもさることながら、布だけで全身を操り、且つ脱皮というテーマを体現するという演目。
(6)バタフライ
ここまで御託を並べておきながらこんなことを書くのもなんだが、コルテオのデュオ・ストラップとの違いが分かっていない。
ただ、ろくにデュオ・ストラップの思い出がない状態なだけに、類似性の高い(と勝手に思い込んでいる)演目をしっかりと目に焼き付けようと思ったことだけは確かだ。
それはさておきこの演目は、ある意味前半最後のフライング・アクト、さらに後半のスラックワイヤーよりも危険度の高い演目ではないだろうか。
なぜならフライング・アクトはハンモックがあり、スラックワイヤーはマットがあるが、このバタフライにはそういう類のものはない。
あるのは固い床だけ。
落ちたらまず間違いなく負傷、
下手すればあの世行きだ。
そんな状況で
逆さ空中フィギュアスケートをやってのけるのだから、感嘆の一語に尽きる。
しかもこの演目のすごいところは、演者のロープの着け方にある。
安全性と着脱性の両立をいとも簡単に実現しているのだ。
それが逆さ空中フィギュアスケートをはじめとする空中回転技を支えているのだから、口をあんぐり開けたまま見とれるというのも無理はない。
(7)ディアボロ
中国ゴマ(ディアボロ)を蛍の光に見立てて、最終的には4つのコマを同時に操っていくという技。
このうち、2つ目以降の3つのコマについては、後半の「ウェブ」で登場するスパイダーが下から出てきて、ホタル(つまりディアボロを操作する役)に渡す設定になっている。
ただし途中、コマを取ろうとするホタルを見透かしたかのように
「あげないよ〜」といたずらするシーンがあるので、そのあたりも見どころかもしれない。
さてこの演目では、コマが天井にあたって、
「特大ホームラン」が「エンタイトルツーベース」に「格下げ」されるのではとヒヤヒヤするくらいの高度な技を披露している。
とはいえ、
「弘法も筆の誤り」、たまにミスだってある。
2回目の鑑賞時、2つのコマが
空中衝突を起こし、ステージの両脇に転げ落ちてしまった。
それらのコマを観客に拾ってもらってパフォーマンスを再開。
クライマックスとなる4個同時回転を決めたはいいものの、最後の回収でまたしても
落としてしまった。
そういうこともあるさ、にんげんだもの。(相田みつをか?)
といったところで字数が残り少なくなってきた。
時間も時間だし、この後展開されるマスターフリッポとフォーリナーの
漫才を残り400〜500字程度で表現しきるというのは無理がありそうなので、今夜はこのあたりで終わらせていただきます。
おやすみなさい。ｍ（＿ ＿）ｍ
part2↓
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part3↓
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