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2014年07月18日23:51

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ふと。
故人である父方の祖父を思い出した。

私の田舎、父方は千葉で、母方は大分。
大分は遠いぶん遊びにいくと長かったので私は母方にべったりで
父方は私の他にもたくさん孫がいてひ孫もいてさらにそもそも父方の祖父母とも息子(私の父)を愛してやまなかったこともあり
母方には甘えて子供のようなタメ口をききますが、父方にはデスマス調だったし
なんとなく父方には心情的距離があったなぁと思うのですが。



あるとき祖母が亡くなって一人で住んでいた祖父の家に遊びに行って
祖父が食後のデザートに梨を出してくれた。
祖父は食後のデザートはグレープフルーツでもトマトでも丸ごと食べる人だったので梨も果物ナイフを添えて丸ごと出してくれた。

私は困ってしまった。お恥ずかしながら当時高校生だったけどまったく包丁が扱えず、果物ナイフですらその刃が怖くて手にとれなかった。

剥けないの?

と祖父は少しびっくりしていたけど、ちょっと待っていなさいと私の梨を手に取った。そして皮ごと8つに切ってからひとつひとつ丁寧に剥いてくれた。食べなさいと一切れずつ渡してくれる。私は祖父の手元をじっと見ながら梨をどんどん食べた。

祖父は明治生まれで、祖母が亡くなるまでは家事なんかしたことがなかった。きっと果物の皮だって剥いたこともなかったはずだ。祖父は子供の頃木から落ちて怪我をした後遺症で右手の力が弱かった。ご飯を食べる時もお箸を握る右手に左手を添えていたくらいだ。

そんな祖父が女の子のくせに果物の皮のひとつも剥けない私を叱りもせず、ゆっくりゆっくり梨を剥いて食べさせてくれたことは

思っていた以上に可愛がってもらっていたよなぁと

今更ながらに思うのです。
あのとき祖父の手元をじっと見ていたから、私も8等分してから剥くのはできるようになりました。
以前母が入院した時梨を食べたいと言うのでそうやって剥いて持っていったら
あらあなた梨剥けたの?ピーラーで皮を削ぎ落とすかサイコロ状に切ってくるかと思ったと皮肉を言いながらも喜んでもらえたのでした。
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