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2014年06月21日13:04

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とにかく、観ていてつまらない

日本ペースでもギリシャから点を取れなかったのはなぜか
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=109&from=diary&id=2933803

 今回のW杯の日本の試合は、「対コートジボワール」「対ギリシア」と既に2試合終了している。結果はここで書く必要もないが、そんなことよりも言いたいことがある。

 観ていてつまらない。

 先日、『「負け」に向き合う勇気 日本のサッカーに足りない視点と戦略 (星海社新書)』(杉山茂樹著)という本を読んだ。この本にも書いていたが、勝ち負けもさることながら、見応えのある試合、記憶に残る試合はある。だが、残念ながら、日本の試合は結果も大したことがないけども、内容がなくて、観ていて退屈なのだ。

 彼らは、二言目には、「自分たちのサッカー」という言葉を使う。はっきり言って、これもかなり耳障りである。

 FIFAランクでたかだか46位くらいの国の代表チームが、「自分たちのサッカー」などと言うこと自体、不遜きわまりない。会社でまだまだ半人前の若手社員に、「これが俺の仕事のやり方だ」「俺の仕事のやり方さえ貫けば、うまくいくんだ」と言われて、納得できるだろうか。国際的に見れば、それくらいにナンセンスな物言いである。相撲で言えば、やっとこさ関取になったばかり。サッカーにおける日本の立ち位置はせいぜいそんなところである。

 今回のグループ分けは、まあまあくじ運は悪くはなかったと思うが、それでも同組の他の3ヶ国(コロンビア、ギリシア、コートジボワール)は、いずれも世界的に見れば日本よりも「格上」である。そういう国々と戦うのに、「自分たちのサッカー」云々などとほざくのは、「夜郎自大」、僭越極まりないというものである。

 しかも一番残念なことは、その肝心の「自分たちのサッカー」もW杯の本番ではまったく実践できていないのである。

 コートジボワール戦は、先制点を取ってから、全体的に気持ちの部分も含めて「守り」に傾いたのか、スタミナ切れでバテてしまったのか知らないが、後半は前に押し出す圧力が明らかにガス欠状態、守備も穴だらけ。ドログバが出てきてからは、蛇に睨まれた蛙、ジャイアンに睨まれたのび太みたいな感じで、明らかにビビっていた。逆転されて当然であろう。

 ギリシア戦は、10人になって、ベタ引きでゴール前を固める相手に対して、単調でアイデアの乏しい攻撃を繰り返すだけで、一向に点が入りそうな匂いがしなかった。悲しいまでの決定力のなさは相変わらずである。

 どちらの試合も、昨季のダメな試合のときの浦和レッズを見ているようで、僕にとってはとても「既視感」溢れる試合であった。

 「自分たちのサッカー」と言うのならば、負けてもいいから、「自分たちのサッカー」なるものを見せてもらいたい。

 だが、本田らが言うところの「自分たちのサッカー」というのは、たぶん「ボールを支配したパスサッカー」のことを指しているのだろうが、そういう系譜のサッカーの家元とも言うべきスペインは、早々とグループリーグ敗退が決定している。

 今大会のスペイン対オランダは、とても見応えのある面白い試合だった。同じ系譜のサッカーの分家(スペイン)と本家(オランダ)の戦いであり、オランダにとっては前回大会決勝のリベンジマッチである。面白くないはずがない。

 スペイン代表のサッカーは「ほぼバルサ」である。言い換えれば、メッシのいないバルサ。シャビやイニエスタがボールを回しても、決定力のあるタレントがいない。ディエゴコスタもトーレスもメッシの代役は務まらない。それに肝心のシャビの加齢による衰えは覆い隠しようもない。

 オランダの方の戦術は、リーガやCLでバルサと対戦するチームのバルサ対策みたいな戦術である。調子の良いときのバルサやスペイン代表ならば、そうした対策のさらに上を行くパフォーマンスで圧倒することもできたのだろうが、残念ながらいまのスペイン代表にその力はなく、結果は完敗であった。

 試合というものは、常に相手があるものだし、勝とうと思えば、相手に合わせて戦い方を変えるのは当たり前である。オランダでさえ、スペインを迎え撃つためには、あれだけの準備と対策を怠らないのである。オランダ代表監督のファンファールはバルサやバイエルンミュンヘンの監督も務め、次期マンU監督にも内定している名将にして稀代の戦術家である。それくらいの大物でさえ勝つためにはなりふり構わないのだ。

 どんな相手だろうが、自分のやり方を貫いて、それで勝てるというのは、いわゆる「横綱相撲」というやつで、力量において圧倒的に優位な場合にのみ成立する。

 いまの日本代表ごときが、「自分たちのサッカー」などと言うのは、100年早いと言われても仕方がない。

 まあ、グループリーグ敗退が濃厚になった以上、次のコロンビア戦くらいは、とにかく面白い試合を見せてもらいたい。

 「自分たちのサッカー」をあくまで貫きたいのならば、勝っても負けても、次くらいは、本当に「自分たちのサッカー」をピッチ上で実現してもらいたい。コンフェデ杯のイタリア戦の途中くらいまでの試合をやってくれれば、目の肥えたブラジルの観衆も納得するのではないか。

 マスコミの煽り方が、相変わらずウザいのも今大会の特徴である。

 「負けられない試合」とか言いながら、一般国民を煽るのは良いが、負けた試合に関しての冷静な分析や考察がほとんど行われていないのは、どういうことだろうか。

 働きの悪い選手、期待外れの動きしかできない選手、以前よりもパフォーマンスが明らかに低下している選手は、僕のような素人が見ても明らかである。

 コートジボワール戦の失点などは、2点とも香川の下手な守備が最大の要因である。左サイドのポジションなのに、いつもどおり自分のポジションを空けて真ん中に寄っているのをコートジボワールにまんまと突かれたのである。日本の左サイドは攻撃の強みであると同時に守備の弱点でもあるという点、コートジボワールはちゃんと研究していたのだ。抜かれてからの香川の動きも失望させられる。必死で挽回しようという走りではなく、ジョギングみたいな感じの、いわゆるアリバイ守備。ああいう守備意識の低い選手は現代サッカーには不要である。CLの決勝でディエゴコスタのコンディションが悪いとなるやシメオネ監督は開始早々にさっさと交替させてしまった。ああいう果断さがザッケローニの采配には皆無である。

 本田も長谷部も遠藤も長友も以前に比べて明らかにパフォーマンスは低下している。大久保も期待したほどの動きはできていない。柿谷なんていてもいなくても同じである。

 そういうダメな選手のダメっぷりについて、白黒はっきりさせるような論評があってもよいと思うのだが、どういうわけだか情緒的な話ばかりで、責任の所在については曖昧な話しかしない。言論統制でも行われているのだろうか。

 どんな問題もそうだが、ダメなところはダメ、原因や責任者も明らかにして、どういう対策を取ればいいのか理詰めで徹底的に議論しなければ、進歩や改善はない。

 戦争に負けても、失われた20年(30年?)の後、一向に経済が回復しないのも、政治が迷走しつづけるのも、ぜんぶ同じだと思う。日本人のそういうところ、責任を曖昧にして、誰も傷つかないようにする悪い癖が、今回も目について仕方がない。

 サッカーの話に戻すが、とにかく最後くらいは、パッと面白がらせてもらいたい。結果はいまさら云々しても仕方がない。他人の勝ち負けで一喜一憂しなければならない時点でもう終わっている。

 と言うか、まだまだ結果を問う以前のような気がする。
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