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2014年06月18日10:53

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当たり前の生活、それが幸せ。

■自宅で出産、男児放置死=容疑で22歳母逮捕―大阪府警
(時事通信社 - 06月17日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=2928679

日記を書き始めるに当たって、僕はいつも、テーマを決めて書くようにしている。
そのテーマの中に自分の考えを散りばめているつもりだが、文章としては、読んでいただいた方がどう感じるか、その感じ方に委ねるようにしている。

今回も、そんな日記が書ければと思うのだが、うまくテーマが思いつかない。
ただ、ここに少し、自分の過去の思い出を書き記してみたい。

決して、この母親を擁護するつもりはない。
僕には、この母親の生い立ちや家庭環境、何故このような生活に至ったかは知らないからだ。

ただ、どんな思いで、妊娠がわかってからの十月十日を過ごしたのか。
そして、どんな思いで、里親紹介団体に電話を掛けたのか。
その気持ちを推し量ってみると、とても居た堪れない気持ちになる。

きっと、誰にも相談できずに、毎日不安な気持ちで過ごしていたんだろう。
誰にも相談できなくて、取り返しのつかないことになって、きっとその団体に助けを求めたのだろう。

きっと、どうしたらいいかわからなくて、毎日悩んでいたのだろう。

過去の思い出を話したい。

僕がまだ独身の頃、まだ20代の頃だ。
或る同い年の女性と知り合った。
その子は、中学を卒業してすぐに長崎の実家を出て、各地を転々とし、ハタチになって京都で一人暮らしをしていたらしい。

彼女の両親は、彼女がまだ、赤ちゃんの頃に離婚され、母親が彼女を置いて出て行ったそうだ。
彼女は、自分の父親と一緒に赤ちゃんの頃から暮らしていた。
まあ、そんな家庭はいくらでもある。
父子家庭であっても、幸せな家庭環境の家は、いくらでもある。

だが、彼女の家庭環境は、彼女にとって、幸せだったかどうか。
彼女は、幸せだと言った。
父親のことが好きで、自分を可愛がってくれたと、そう言った。

でも、彼女が赤ちゃんの頃、哺乳瓶に入っていたのは、ミルクではなくジュースだった。
父親が仕事をしなかったので、家にミルクを買うお金すらなかった。
父親は、仕事をしては、すぐに辞め、それを繰り返した。
借金を重ね、彼女が小学校に行く頃には、家には、借金取りが毎日来るようになった。
毎日、借金取りの怒鳴り声に怯えて暮らした。

彼女は中学を卒業して、すぐに働いた。
ちゃんとした職に就けず、フリーターをした。
高校に行けなかったわけではない。
高校に行くお金が家になかったのだ。

彼女が働き始めたら、父親は、彼女にお金をせがんだ。
彼女は、自分で働いて得た給料を事ある毎に父親に渡した。
働いても働いてもお金がなかった。
生まれてからずっと、健康保険にも入っていなかったので、病院に行くこともできなかった。

彼女は、実家を出て、あちこちを転々として暮らした。
暮らした先で働き得た給料も、父親からお金をせがまれると、断り切れずに渡した。
彼女が言うには、お金の為に風俗で働いたこともあったらしい。

父親は、相変わらず働かず、借金を繰り返した。
自分の娘にお金をせがんだ。
自分の娘がどのようにしてお金を得たのかを知りもせず。
知れば、一体どんな顔をしただろう。

僕が彼女と知り合った時、彼女は、京都のコンビニでバイトをしていた。
京都に来て知り合った男性と付き合って、同棲していた。
今は、幸せだと、彼女はそう言った。

あれからもう20年近くになる。
彼女が今、どのような暮らしをしているか知らないが、幸せになっていれば、と心から思う。

僕には今、2人の息子がいる。嫁がいる。
当たり前のように、毎日を普通に暮らし、その生活が当たり前のように思っているが、それは違う。
そんな毎日の生活ができることは、とても幸せなことだ。

そして、もし、この母親の周りに相談のできる相手がいれば。
このような悲劇は起こらなかったんじゃないかと。

それだけが残念でならない。



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