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2014年06月08日16:52

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学生時代、新旧左翼や統一教会などのルポで書きたかったこと

私が学生時代、新旧左翼や統一教会などのルポで書きたかったこと
<概略>
2014.5.30 ○○ 記す(同年6月11日改版)(○○、は私の本名)
● はじめに
私が親に(準)監禁され、人間関係のほとんどを破壊されるきっかけとなったのは、私が統一教会について取材をしていたからです。取材していたのは統一教会に限らず、他の新興宗教や新旧左翼についても同様だったのですが、親が問題視したのは統一教会。

別の文書にも書いたとおり、「○○が原理に入信してしまった」と誰かが親に根拠のないデタラメな密告をし、親からそれを信じ込んでしまった。その結果、親によって私が(準)監禁され、親が連絡先を知る私の知人友人、あるいは親戚などに回状が回ってしまった。繰り返しになりますが、私は同時期に新旧左翼(統一教会とは暴力的に対立していた)や他の新興宗教についても取材していたので、これは私の命に関わる極めてマズイ事態で...という話は、また別の機会に。

では、私は当時、どんなルポを書きたかったのか?今さらですが、完全に埋もれさせるのも悔しいので、ここに概略を記しておきます。


● 結論
ひと言で言うと、
   批判・非難一辺倒ではなく、客観的に「人はなぜ統一教会にはまって、
   全てを捧げてしまうのか?」
を分析し書きたかった。そうすることで、単純な批判や非難より適切かつ効果的に、人が統一教会にハマってしまうのを防げると考えたから。
なぜなら、当時のメディアや学内自治会などは、統一教会(協会)原理研のおどろおどろしい側面を強調していたため、かえって好奇心でのぞいてみたがる人たちを生んでいたから。そういう人たちは、あの団体の入り口の「超ソフトさ」に接し、「噂はデマだった!」と勘違いし、入信してしまう、という例がかなりあったんですよね。なので、批判は等身大であるのが、一番効果的だと私は思う。ちょうど、私が調べてから20数年後に出た本
   「統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福」
    (著者は、カルト問題に詳しい北大の櫻井教授ら)
で書かれているような内容(を、もっと簡略化したような内容)を、当時の私は書きたかった。

 なお、「霊感商法」に代表される不適切な金儲けや、(街場で主に行われる、正体を隠した)不適切な勧誘方法も大問題だけれど、話が拡散するのでそちらについては省略。
  ※ 私は、統一教会(協会)の主な問題点は、洗脳よりむしろこちらだと思う。


● 統一教会の勧誘・布教手法(概要。当時の私の調べを記憶で書いてます)

私が学生当時、よく「統一教会は洗脳だ」との批判があった。曰く「強制的に逃げ出せない環境下に置き、睡眠時間や食事を制限し、特殊な環境に置き、周囲から責めさせ云々、という手法で思想信条人格などを急激に変化させる」と。
ほとんどの部外者は、それを信じるか、多少割り引いても不適切な手法が採られているに違いない、と考えていたと思う。

で、私が調べてみると。確かにそういう手法が採られる"局面"は存在する。
ただし、私が取材した限りでは「(心理的にはともかく、物理的に)逃げ出せない環境下に置」かれることは無いので、「洗脳」というより「マインドコントロール」という方がより妥当な表現か。
実際、公式には「洗脳」も「マインドコントロール」も彼らは決して認めないが、非公式には「洗脳だとは思わないけれど、マインドコントロールならやっていますし私も受けました」と認める平信者さんは何人か見たことがある。
それに、歩留まりは極めて低く(上記櫻井の著書によると、ビデオを見た人で入信するのは数%程度だとか。私の印象でもその程度)。入信しない人の方がずっと多いし、入信した後も多額の献金要求や霊感商法強要などで退会する人もかなり多いし。「洗脳」と言うほどの効果が上がっているとは思えない。

では、なぜ信者たちは自分たちがマインドコントロールされていると承知で、平然としているのか?それは、いわば「下ごしらえ」に秘密がある。この「下ごしらえ」、いわば「入り口」は極めてソフト。

・第一段階(勧誘ごく初期)『ビデオとラブシャワー』
教義解説ビデオを見る場所
 (大学の原理研なら「ホーム」と呼ばれる集団生活の場所、
  または勧誘部隊が住む別棟。東大は後者が主?無料)
 (街場の勧誘なら、「ビデオセンターと呼ばれる、ビデオ型予備校と
  喫茶店を合体したような施設。有料。ビデオだけなら数万円?初回
  だけなら500円程度?)
に連れて行かれる。
ここでは、とにかく褒めまくって来る(内部用語で「賛美のシャワー」「愛のシャワー」「ラブシャワー」などと呼ばれる。信者さんたちは、褒めまくる訓練とかするらしい)
とにかく「居心地の良い場所」を作ることが最優先。早い人は、これを受けた段階で既に入信を決意している。「(自分を褒めまくってくれるような、こんな)良い人が信じている内容は、きっと真理に違いないっ!」と。そういう人も(街場では)何人も見た。
さらに、ビデオで教義のごく初歩を講義する。私が矛盾点を突っ込んでも「それは次の段階に進めば分かる」と次の段階への勧誘につなげてしまう。たぶん他の人が突っ込んでも同様だと思う。

・第2段階『短期間の合宿(1〜3日)』
第1段階で油断?させ、短期間の合宿に誘ってくる。
潜入してみると、内容は、半分がレクリエーション、半分が教義の講義。講義内容はそれまで見ていたビデオとほぼ同じ内容を、講師が生で行うだけ。
目的は、おそらく合宿に慣れさせ心理的抵抗を小さくさせることと、濃密な人間関係形成にあると思う。「居心地の良い場所」を作ることが、ここでも最優先。
睡眠時間は6〜7時間程度、食事も普通。
レクリエーション(球技など)も、ムキになる男子の中は疲労困憊する人もいるけれど、普通の人であれば気晴らし程度。

〜〜ここまでが「下ごしらえ」段階。ここまでは、私が取材した限りでは、実は新旧左翼も似たようなもの(長くなるので詳細は省略)。

・第3段階『中期間(5〜7日程度)の合宿』
しばらくまたビデオを見た後。中期間の合宿に誘ってくる。
潜入してみると、内容は3分の1がレクリエーション、半分が講義、残り6分の1が実体験(断食とか、終夜祈祷とか、修業的なことを「体験」と称しやらせる。何をやるか?は人によるし、やらない人もいる)、というカンジ。
生講義では初めてビデオ以上の内容を話す。文鮮明の話もここで初めて出てくる。まあ東大から参加している人は皆知ってるけど、「演出付きで明かすから、黙っていてね」と影で頼まれた。
ムードたっぷりの演出で「イエスはこんなに苦労した!その後継者が文鮮明だ!」と明かされ、泣き出す子も。あまり後先を考えさせず、その場の流れと勢いで献身(≒入信。社会人は通いだけれど、学生はたいていホームに入り、集団で修道生活みたいな状態に入る)の決意をさせている。
呆れて、後日、献身(入信)決意をした人に取材すると、やはり「こんな良い人たちが信じている内容は、きっと真理に違いないじゃないですかぁっ!」という人が多数。「教義のどこに惹かれたの?」と私が聴くと。流石に大学原理研経由で入信を決意した人はボソボソっと答えられる人が多いけど。街場のビデオセンターで勧誘された人は「さぁ?それより、いるのはみんな素晴らしい人たちで!」と答える。教義などより人間関係が良くって、つまり居場所が嬉しくって入信してしまう人たちが多い、ということが、このことからも分かる。

〜〜ほとんどの人は、この段階で献身(入信)を決意する。なお、私が潜入したのはここまで。ここから先は入信しないと体験出来ないため、私は勧誘対象外、未体験。

〜〜ちなみに、入信しなくても体験出来る「国際指導者セミナー」というものがあり、そこへ取材に出掛ける直前、数時間前に親にバレ、説明説得に戻ったところ捕まり、(準)監禁されたんですね。

〜〜この「国際指導者セミナー」というのは、学生何十人かを無料で米国に連れて行き現地を見学させたりセミナーを受講させたりさせる、というもの。下記第4段階と上記第3段階の中間的存在だと思われる。日数が長い点は第4段階的、肉体的にキツくはなさそうな点は第3段階的。上記第3段階までだとやや取材が弱いと感じていた私は、是非取材してみたかったので、申し込んでみたのですね。それが悲劇(もしくは喜劇)を生むとは思いもしないで。

・第4段階『長期(21〜40日の合宿』
直接潜入は出来なかったので、以下は取材して得た情報。
一日中歩き回る巡回物売り(通称「キャラバン隊」もしくは「F」)をやらせ疲労困憊させたり、
それで眠くて仕方ないのに睡眠時間を削っての祈祷をやらされたり、
その上、かなり長めの断食をやらされたり、
というのはこの段階から出てくる(場合や場所、その人によって異なる)。いわゆる「洗脳」的段階。
元信者の仲正(金沢大法学部教授、私の学部時代の同級生)によると、彼はあまりの売り上げの上がらなさに責められ、帰らされたらしい。その他、勝手に離脱する人の話は他でも聞いたので、身体拘束はない「マインドコントロール」と言う方が、より正確か。
これら、一種身体的極限状態(やや大袈裟な表現だけど)と強い暗示(祈祷などによる)下におかれ、疑似神秘体験をする人が増える。これにより、彼らの「信仰」が強まってしまう。
ちなみに、仲正が後に脱会したのは、洗脳的段階から途中離脱し、疑似神秘体験などはあまり経験していないためではないか。


● なぜ、信者たちは「自分が洗脳された」と感じないのか

洗脳的段階に至る前に、献身や入信を決意しているから。それ以降の「洗脳的体験」は、入信後の「修業」だと彼らは考えている。「邪念に満ちた自分の心をコントロールするための、マインドコントロールを自らの意志で受けているのだ」と考えているのですね。「仏教や神道だって、滝に打たれる修業や断食による修行とか、あるでしょ?普通のキリスト教でも徹夜祈祷とかあるじゃん」と言うのが、彼らの言い分。

なので、冒頭に書いた「結論」に至るワケですね。「褒めまくる」のは、統一教会側が戦略的にやっているだけで、決してそこにいる人たちが「良い人」だからではない、等々の等身大な批判があれば、統一教会に入り人生を棒に振る人が大幅に減るだろうに、と。


● 最後に

統一教会の"洗脳"については以上だが。でも、似たようなことは実は各所で行われているように思う。例えば、私が同時期に軽く取材していた左翼(民青、ブント戦旗派、革マルなど)や他の新興宗教(親鸞会、神慈秀明会≒手かざし系、など)も、程度の多寡こそあれ、似た側面はあった。
例えば上記第1段階などは多くの場合、共通する。
それに加えて、「SF的もしくはオカルト的な面白い教義もしくは理論を持つ点」なども共通する。この、教義(または理論)は、統一教会も新旧左翼なども、突っ込みドコロ満載なんだけど。細かいことに目をつぶれば色々なことを説明出来る(そういう意味でSFっぽい)点が、信者さんたちにとっては魅力なんでしょう。
  ※ちなみに、統一教会の教義概略については、下記補足参照。
また、その教義(または理論)も、あまり勉強していないメンバーが少なくない点も似ている。詳しい人は学者並みに詳しいんだけど、勉強していない人は、そういう勉強している人のエッセンスだけ聴く(新左翼の場合に多い)か、あるいはビデオや生講義を視聴するか(統一教会の場合)、党の学習資料を読む(共産党の場合)か、が多く、原典にまで当たって勉強する人はごく少数。
さらに言うなら、上記のような団体に関わらない人の中にも、自分で自分を洗脳しているタイプはよく見かける。就職して、最初の職場の同僚達の中にも大勢いたし。彼らは、第1段階的な「自らの思い込み」≒「居心地の良さ」へ安住し、自分自身を洗脳している。
。。。本当は、そこまで踏み込んだルポを書きたかった。


以上。


▲補足:統一教会の教義概略

教義は、大雑把に言って
 ・「グノーシス的キリスト教」
  → 善悪二元論で、この世は悪の霊的存在が支配する、と見る。
   統一教会は疑似的な善悪二元論。この世は悪の霊的存在「サタン
   =ルーシェル(ルシフェル)」によって支配されている、と見る。
と、
 ・「因果応報的東洋思想」
  → 救われたり、人として向上するためには償い(内部用語で、「蕩減」
   これは韓国語で、日本語で無理に読むとトウゲン)をしなくてはなら
   ない。償いの条件を「蕩減条件」(多くの場合、お金。お金だけじゃ
   ないらしいけど)という。祖先を救うには祖先の分も償いする。外形
   的には先祖崇拝的に見える。
を、半分ずつミックスした、という感じか。他の新興宗教で言うと、GLAや幸福の科学とも少し似ている。

上記2点以外の特徴は下記の5点。

その1)「嘆きの神・親である神」
神を人類すべての親と見て、その神のために働くのを人生の目的と考える。
→御利益宗教とはある意味正反対。神が何かをしてくれるのではなく(それが目的ではなく)、神のために何が出来るか?が問われる教義。

その2)「万物復帰」
この世はサタンに支配されているので、この世=物質界(内部用語で「万物」)をサタンから神に取り返す(復帰させる)のが、人類に与えられたミッション。で、この世=物質界の象徴がお金。お金は物質的なものならほとんど交換出来るから。なので、お金を集めて、神の代理である文鮮明に捧げるのがミッション、ということになる。
→お金集めが教義に組み込まれている、特異な構造。

その3)「責任分担」
神は完全だがその子どもである人類には(子ではない他の被造物とは異なり)責任分担がある。神は、子どもを成長させるため、あえて「全ては」やらない。子どもの努力の余地を残している。なので、神の計画が失敗したり、教祖の預言が外れるのは、信者が責任分担を果たさなかったためで、教祖にはちっとも責任がない。
→巧妙な言い訳で、これがあるため熱心な信者さんたちは「教祖の預言が外れた」とはまったく考えないんですね。「自分たちが悪かった」と考えてしまう。

その4)「合同結婚」
内面世界の基本単位は家族。さらに、人類が堕落したのはエデンの園でアダムとエヴァ(イブ)が淫行をしたから(コレは、グノーシス主義には昔からある説)。なので、その堕落という失敗をリカバリーするために、正しい結婚をする必要がある。それが、教祖が(事実上)指名する相手との結婚(内部用語で「祝福」もしくは「合同結婚」。いわゆる「集団結婚」のこと)。
→一番有名な教義ですね。

その5)「摂理の延長」
預言が決定的にハズレると。「人間が(信者が)責任分担を果たさなかったからです。愛に満ちた神は摂理を延長してくれました」と言い訳し、話が(ほぼ)振り出しに戻ります。信者さんは許されてホッとする。邪推?すると、文教祖など上層部は、高額献金を続けて要求出来て都合が良い?
この「延長」も、元々の教義(同時性、という。聖書を分析すると、人類の歴史は3回、同じようなことを繰り返している、とする)に由来するようです。
→最近の例で言うと、旧暦2013年1月13日を「基元節」とし「天一国(統一教会流の、一種の地上天国)」が完成する、としていたのが、いつのまにか「基元節」は「天一国のスタート」という風に話がすり替わっている。献金要求は続くよどこまでも。
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