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2014年06月06日08:23

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旧友津谷氏と会食

 某日夜。大学教養時代の同級生で、バイト(塾講師)仲間でもあった津谷君に会いに行く。彼は一部上場企業・ボルテージ社の創業者で現在会長兼、米国子会社の社長というセレブ。同級生の中の出世頭の一人(出世頭のもう一人は大学教授)。

 最初は「電車で行く」というので駅で待ち合わせだったけど。「やっぱり車で行く」というので、ホテル(ビジネスではない、この近隣では五本の指に入るホテル。と言っても1泊1万千円からというお手ごろ価格)のロビーで待ち合わせ。そりゃそうだ、セレブに満員電車は似合わない。

 なんでも、ご家族はアメリカにいて、本人だけ日米行ったり来たりしているらしく、日本の自宅にいてもツマラナイからか?落ち着いて文章を書くのに適しているからか、ホテルにはよく泊まるらしい。

 それにしても、1年の半分はアメリカSFにいるのに自家用車を維持しているとは... 合理性だけ考えたらカーシェアリングの方が良いハズだけど。車が好きなんだねー。



 待ち合わせは18時、だけど先方が15分ほど遅れてやって来た。まぁ車は時間が読めないから。

 webでの映像や、彼の著書の「著者近影」やwebサイトの画像より白髪が多く、ややふくよか(太っているというほどじゃない)。年齢相応、もしくは5歳ほど若く見えるか、くらい。私の方が外見は変わったから、人のことは言えないし。



 取りあえず旧交を温める。食事には早いので、街を散策。学生時代、彼と一緒に山の方向に3駅ほど行ったところでバイトしていたので、彼もこの街が懐かしいらしい。スッカリ変わっていて面影無いけど。

 私が「図書館で読んだ」と言ったら、ご著書を寄贈して貰った。サイン入り。どうもありがとう。

 散歩のついでにお店を探すけど、お気に召す物がなかったらしく、ホテルに戻り、ホテル内の和食店に。お寿司をいただく。合計1万円チョイととても高い。お寿司は美味しかったけど本来は和食店で、本業じゃないし、生ビールは発泡酒っぽい味だったのにぃ。ホテルは、さらにサービス料10%を取るんだよね...

 私も出そうとしたものの、先方に遮られてしまった。うー申し訳ない、ご馳走様です。経済力が月とすっぽんなので、ヘンに逆らっても意味無いと思って、引く。

 食事をしながらの会話は、まず私の持病について詳しく聞かれる。彼は事業が一段落したのでこれからは何か映画を撮りたい(彼はそもそも映画監督志望で、就職後休職しUCLA映画学部に留学したことがある人)というのでネタ探しかな?それとも、質問して来たのは私と会う口実で、ホントはあまり関心ない、という可能性も感じた。どっちかな?



 この日ただ一度だけ、ごく軽くムムムッと思ったのは、私が家出するきっかけを作った(可能性のある)人物M野氏への評価。
 津谷「仮にそうだったとしても、善意からの行為なんだろ?」
   (と、許してやれ的なコメント)

 うーん。ウチの親を見ても、私が家出するきっかけを作った誰か(上記M氏とは限らない。25〜35%くらいの可能性で、そうだけど)にしても、はたまた会社で私に嫌がらせを繰り返してきた連中を見ても。歪んだ善意ほど恐ろしくタチが悪いものはないのになぁ。というのも、善意を掲げている輩は、決して反省しないから。国際社会で言うなら、テロリストと間違って婚礼行列を誤爆したりするアメリカもそうだよね。

 子どもならともかく、大人は結果で評価されるべき。もちろんミスは仕方ない。でも、仮にミスったと思うならせめてすぐリカバリーに動けよ、と思う。上記「誰か」にしても「ウチの親」にしても「職場で嫌がらせを繰り返してきていた連中」にしても。決して反省せず、(少なくとも当時)まったくリカバリーに動かなかった。なのでとうてい許す気になどなれない。仮に、今から謝ってきてももう遅いし、連中は謝りやしないだろうし。

 あ、M氏がやったと限ったワケではないけれど。



 それはさておき。

 こちらの事情をザッと(暗い話は聞きたくない、と言われたのでそういう話は除く)説明した後、こちらも起業の経緯や苦労話などを根ほり葉ほり聞く。やっぱり相当苦労したらしい。起業直前に知り合った奥様と二人三脚でマネジメントしたそうだけど、夜中に資金繰りでうなされて飛び起きたり。1年365日3食とも、副社長である奥様と経営について白熱の議論(傍から見ると喧嘩に見えたろう、とのこと。それだけ激しい議論)をしながら食べたんだとか。



 その後は、同じホテル内のバーに移動。カウンターでお酒を頂く(1100円×2とトマトジュース500円)。高いお酒なんだろうけど、緊張してどうも味が良く分からない。雰囲気に気圧されている情けないワタクシ。バーって、たぶん生まれて初めて。

 ちなみに、こちらでも出して貰ってしまった... すみません、ごめんなさい。



 場所を変えてからも起業関係の話を聞く。先方が私に対し「お前も何かヤレ」と励まし始め、だんだんお説教っぽくなって来たのが面白い。実績の無い輩がして来るお説教は軽いしウザイだけだけど、実績のある人の言う言葉は、私と考えが違っていても面白く勉強になる。

 まぁ私が本を書いたりするのは、残り時間などからして無理だと思うんだけどね。今さら資料集めや取材から始めるのでは遅いし、かと言ってかつて研究?していたテーマ(複数)は、受けないか、あるいは逆に、他に扱う人が多すぎるかだし。そもそも集めていた膨大な各種資料も、もう知人に譲るか売るかしてしまったし。



 以下は、印象に残った、もしくは考えがやや違う部分についての彼の発言メモと、それに対する私の感想。


●「ゲームのプログラミングは、プログラム等よりネットワークとのやりとりの方がキモで、速度等の使い勝手を決める」。

→ なるほどー。言われてみればそうかも。


●「LINEはあまり評価してない。Whatsappの方が勝つだろう」。

→ これは世間の論調を見ても意見が分かれるところだよね。私はどちらも使っていないので良く分からない。そうなんだ。。。


●(私が、彼の著書の電子書籍版が存在しないのはなぜ?と聞いたら)
 「電子書籍で出すことは考えていない、統計を見る限り時期尚早」

→ この点だけはハッキリ意見が違うなぁ。全書籍を電子書籍が置き換えるとは私もまったく思わないけど、分野によっては電子書籍が今でも重要では。

 なぜなら、彼の著書のようなタイプの本を読む人は、紙の本を手に取らない人も多そうだから。ビジネス書や留学体験記って、細切れの時間に読むのが向いている(彼の著作方針も、見開き2つ4ページを1単位としている。つまり細切れ時間で読ませようとしているし)。言い換えれば、電車の中で読まれることが多い本。ところが電車内でウォッチしていると、紙の本を広げている人は最近ほとんど見ない。皆さん、スマホかタブレットを見てる。となると、紙でも出すけど電子でも出す、のが部数を増やすのに良いと思うんだけど。

 電子で出すと何かデメリットがあるのかしらん。取られるマージンが高いとか?でも、彼の最終?目的は映画なんでしょうから、そのためには多少マージンを取られても、名前を一人でも多くの人に売るべきではないのかなぁ。


●(私に、お前も何か本を書け、と言ってきた際、アドバイスとして)
 「売れる本は多数の成功者の経験をまとめたもの」

→ なるほど、それはそうかもしれない。「売れる」のはそういう本でしょう。

 ただ、まとめた本は経験を加工する段階で欠落しているものがあると思う。成功体験にも失敗体験にも、それぞれのケース固有の条件からの影響があるハズで、多数の経験をまとめた本ではその背景事情が充分分からなくなっているのが欠点。昔、自分で少し読んで試してみた経験からもそうだし、会社の上司が何かのビジネス書にかぶれて、条件や環境の差を無視して適用せよと指示してきて困った経験からもそう感じる。そう言えば、津谷氏と一緒にバイトしていた塾の経営方針も、当時その塾の経営に携わっていた別の同級生F氏が、どこか他の塾の方針を条件や環境の差を無視し持ってきた丸パクリ。で、それでその塾は上手く行かなかったような記憶がある。

 要は、この手の本ってエッセンスだけ感じ取ることが大切で、単純に真似したらイケナイのに。まとめ本は真似したくなるんだよね。

 なので、「売れる」という観点ではなく「参考になる」のは、成功者個人個人の体験記や第三者によるルポ本を、多数読んで"自ら"エッセンスを抜き出すことじゃないかしらん。時間がかかるのが欠点だけどね。

 まぁこれは読み手の都合で、書き手としては「売れることが一番」なのかも。

 この点に限らず、津谷氏の話は「作り手」視点で、私は「受け手視点」なことが多いと感じた。流石、彼は経営者。


●「本を作るには、まずは目次から。話題やテーマを見開き2つ=4ページを1セットとし、それを50セット用意すると本1冊分になる。序・第1〜3章・まとめ、と5章構成」

→ なるほど、ビジネス書などであればそうなんでしょうね。電車の中など細切れの時間で読むのに適した構成。


●「取材は意外に受けて貰える。謝礼も、固辞される場合が多い」

→ これはスッゴク意外で、勉強になりました。そう言えば私も自分の持病で取材を受けた場合、謝礼は貰わなかったっけ。

 
●「ドラッガーなど、経営書やビジネス書の多くは、社長になってみないとその意味や真価が分からない」

→ なるほど、これもまったくそうなんでしょうね。私なんかが経営書を読んでみても、戦国武将物語を読むような他人事感覚だし、真価はまるでワカッテナイという自覚がある。


●「本でも製品でも。まず作れ。その後、修正を30回は繰り返せ」。

→ これもそうなんでしょうね。これは、私がかつて関わっていた仕事分野にも通じる話だし、よそでもそう聞く。。

●「起業家には身近で支える人がいる。本田宗一郎には藤沢、井深に盛田、などなど」

→これもよく言われている話。例外も結構ありそうだけど、そういう例外企業は、より不安定な会社が多い印象。

 ちなみに津谷氏にとってはご夫人(かつての副社長、現副会長)がそうらしい。起業後、黒字に転じるまでは奥様の体調が少し崩れる?ほど支えてくれたらしい。経営に伴う様々なストレスを分かち合ってくれたとか。なるほどねー(そう言えばココイチ等もご夫婦で支え合った起業かも)。誰かストレスを分かち合ってくれる理解者が身近にいないと、起業のストレス、プレッシャーに耐えるのは辛いのか。



 全体的な感想として。
   「起業は夢を実現するための手段」
   「過去に囚われない・クヨクヨしない」
等の点ではホリエモンなど他の起業家たちと共通するものの、正反対の面もあり、興味深かった。単純化してまとめると、
   「時代をリードすることを目指すシーズ型起業家」(堀江など)に対し、
 彼は「時代にマッチすることを目指すニーズ型起業家」
と言うべきか。

 前者は、大当たりもあるけれど大ハズレもある。浮き沈みが激しい(そう言えば、GREEとか一気に傾きましたね)。他の有名どころではAppleとかホンダとかソニーとか?

 後者は、大当たりはあまり無いけれど大ハズレも少ない安定堅実路線。有名どころではパナソニックとか商社の多くとか?実際、ボルテージ社の経営は、黒字に転換してからは、一度も赤字に転落していないとか。スゴイ。あの厳しい業界で...



 閑話休題。

 彼は今後、起業関係の本を書いたり映画を撮ったりする予定だとか(複数の起業家を取材したり、脚本を書いたりしているらしい)。エネルギッシュ。


 なんでも「失敗する自分」というイメージは無いんだとか。このポジティブさ、もしかしたらご両親が(規模は知らないけれど)会社経営で苦労され、色々あったんでしょうけど、それなりに成功しておられる、というのが影響しているのかも。強度のストレスに耐え努力してそれが報われた例を身近で見ている。

 対するにウチの親は起業(というか独立)に失敗し、一時準生活保護(通称・就学補助)状態だったから。どんなに努力しても報われなかった実例を身近で見ているのも、私が尻込みする一因かも。

 ...まぁこれは言い訳で、一番の要因は本人の資質と努力の有無なんでしょうけど。

 ただ、彼が製作(企画)中だという映画や本を、ウケるものにするには。起業に向かう上記のような心理的障壁を、いかに克服したか?について、説得力ある理由付けをするのが良いのかもしれない。観客(もしくは読者)の多くは、私のようなヘタレなんだから。



 23:30の閉店でお開き。あっと言う間に5時間以上過ぎた。久しぶりの再会、とても楽しかった。喋りすぎて途中から声枯れを起こしたほど。暗い気分で人生の最終盤の日々を過ごしていたところ、心が少しほぐれた。どうもありがとう。

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