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2014年06月04日00:43

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言葉には命が宿ってるって!

先週末は物凄い勉強になった経験をいたしました。


あるお客様のお宅に到着し、
ウォータースライダーを設置するために準備をしだした時にそれは起こりました。


その前にちょっとご説明を。
このお宅、邸宅と言ってもいい位大きな家で、中に通された時もまるでヨーロッパの美術館にあるような驚くほど大きなシャンデリアや巨大な絵画など壮大な装飾。
そしてメイドが2人いた。
明らかに裕福な家族であることは明らかだった。

ここの娘さんがどうやらスウィート16と呼ばれる16歳の誕生日で
そのパーティーの為に今回注文を頂いた。
注文内容は
ウォータースライダー
スノーコーン・マシーン(アイスシェーブの機械)
ポップコーン・マシーン
テーブル(長方形)8台
椅子 40個



しかし奥様とお話をしたら
彼女が希望していたものと違うことが判明
(しかし、実際は彼女の思い違い)

更に旦那様が出てきて、逐一何かをするたびに
私はその男性から質問攻めに合った。


お客様:ホースはあるのか?
私:それはお客様の方で用意してもらうんです。
スライダーのホースに接続する前に、プール部分に水を張ってください。

お客様:それは君たちがするんじゃないのか?
私:(は?)いえ、お客様がするんです。

お客様:なんだって?

。。。。まぁ色々あったんです。
私は通常通り、お客様の希望に合わせて設置をし始めていたのですが
その男性は指図を沢山出すのだけど、
そのたびに私は色々と物を動かしていた。

通常はこんなことはない!
正直言うが、7年近くこのトッドの仕事を手伝ってきたが、
お客さんがあんなにも細かく指図しては、溜息をつくのを見たことが無かった。


しかも私がある障害物のそばに物を動かした時には
こんな言葉を放った
「こんなこと言って申し訳ないけど、プロフェッショナルじゃないな」


こんな言葉、日本でもアメリカでも受けたことなかった。
しかも見た目が温厚な紳士なおっさんが、

兎に角批判的で、溜息をつきながら、毒のある言葉を吐き続ける。
あれは本当にショックだった。


私は「お客様が喜んでもらえるように」努力をしてきたし、
その結果酷い批判をされたことが無かった。

むしろ感謝されたことの方が多い位だ。
私は何も悪いこともしていなかった。

其れなのに、その男性は
まだ完成したウォータースライダーを見てもいないのに、
もっと言えば、ウォータースライダーを準備してもいないのに

私に面と向かって「プロフェッショナルじゃない」


この言葉を耳にした時、私のエネルギーが完全に奪われて
力が出なくなってしまった。
(一体私が何を知ったっていうんだよー( ;∀;) )
正直トッドの手伝いは力仕事。
重いものが結構あるので、それを持ったりするが
それが出来なくなってしまった。

その時に、言霊の威力を思い知った。
言葉って、人の体の力を奪ったり、壊したりできるんだ。。。。

そう、あのおっさんの言葉は私にとってかなりショックだったのだ。


支度をしている間に色々と考えた。
そこで思い出したのが、「なんまんなんまん、ありがとう」
京セラの会長が小さい頃にある高尚なお坊様から教わったというこの言葉。

良い時だけでなく、酷い状況になった時もこの言葉を言って
自分に試練を与えてくれてありがとうと感謝することが大切だと
著書の中で書かれていた。

最近使うようにしていたせいか、この時にもふと出てきた。


心の中で「なんまんなんまん、ありがとう」と何度か言っていると
次第に、気持ちを正すことが出来た。
言葉のカウンターパンチを食らった後は、
気持ちを持ち上げるのって意外と大変だけど

こう考えるようになった
(プロフェッショナルとは何だ?)

(もしプロなら、何を言われても最後まで誠心誠意をもって
今やらないといけないことをするのがプロだ。
自分が出来ることを全て出し切きる。それで結果駄目だと言われるなら仕方ない。)


そう考えだしたら、心も落ち着き、自分の仕事を淡々とこなせるようになった。
そして周りを見渡す余裕が出てきた。
冷静に考えることが出来るようになった時
トッドが向ってきた。

そして私は、さっきお客様に言われたことを伝えてみた。
すると、彼はこういった
「全部方つけて帰ることも出来るんだ、そうなったら困るのは向こうだろ?
注文したものが違うって言うのならメールで送られた注文書を
見直せばいいんだ。俺達は、注文書に書かれたものを持ってきている。
間違っていると言われても、それはオペレーター側の問題だ。
そもそも丸いテーブルはないって言っているはずだし
さっきから向こうは色々言っているけど、完全なる誤解と再確認していなかったお客が悪いんだって。」


とさらり。


確かにそうだ。ま、兎に角、この仕事を1分でも早く終えてしまえ。
と作業を続けて行った。
悪い言霊には、悪いことが集まって来るもんで
次々とアクシデントが起こる、起こる。


お客のホースが十分に長さが足らず、ウォータースライダーに届かない、
スノーコーンのシロップはボトルからシロップが漏れていたらしく
ボトルがシロップでベトベト・・・

数えたらきりがないのでこれ以上は割愛


いつもなら20分もあればすべて完了するはずなのに
この場所は、何と1時間半位かかってしまった。

当然仕事はこれだけじゃない。


ここでの作業をしている間
色々考えていた。
パーティーのメインは16歳の少女だ。
実はこの子、我々が両親に色々と言われている間、
何度も何度も私達に、「本当にごめんなさい、ごめんなさいね」
と言っていたのだ。

可哀想なのは私達よりも、彼女だ。
本来なら楽しくて仕方がないはずのパーティー当日
両親が業者に文句を垂れまわっているのをみるたびに
「失礼なことしてごめんなさい。」と誤りに来くるなんて。

彼女がとても優しい人で良かったなぁ。
と思いつつも、あのおっさんも言葉で物凄い損をしている人だなと
仕事をしながらずっと思っていた。


作業を終了して、ようやくその場を去る時に
さっきのおっさんがやってきて、
「悪かったね。でもこれも娘のパーティーだっていうのに
注文したものが違うし。混乱してたんだよ。」

トッドはただ「お気持ちはわかります。とりあえず、ホースを買って戻ってきますので。」
とだけ。


ホースは彼の判断でホームセンターで購入して、
仕事場に戻ってきた。すると例のおっさんはトッドに何度も謝罪したそうな。
その後も結構酷いことが続いたんだが

ピックアップの時間になり
例の現場に戻ってくると、ウォータースライダーは既に空気を抜かれ
水を含み、さらには子供たちが寄ってたかって寝そべっていた。

マジで叫びたい気持ちがふつふつと。。。


本来は、ウォータースライダーは空気で立ち上げており、
中は空洞。しかし、順序立てて取り壊さないと
水が本体の中に入ってしまい結果、重量が2倍以上になってしまう。


それが正にここで起こっていたわけだ。


仕方がないので、再び
空気を入れて立ち上げ、完全に空気が入るまでの間
テーブルや椅子を方つけいた。

すると、例の少女が私たちの所にやってきてこう言った。
「本当にありがとうございます。そしてこんなにひどくなってしまってごめんなさい。」

私達は「大丈夫ですよ。気にしないでね」と伝えた。

すると彼女は、「何か飲み物を持って来ましょうか?ソーダと水があるけれど、もしよかったらバースデーケーキどうです?」と勧めてきたのだ。
更に続けてこう言った。「ぜひ食べて、ね?ケーキ好きでしょ?」と笑顔を私達に返す。

このパーティーは地獄だが、天使がここにいた。

「じゃあ。。。頂こうかな?できればラップをしてもらってもいい?」とトッド。
「OK! すぐに包んで持ってきますね!!」と走って家の中へ入っていった。


ここから雰囲気は少しずつ良くなっていった。
方つけをしている時に、メイドさん達と目があった。
私は目が合うと、大抵笑顔で返すんだけど、その時もいつも通り
笑顔であいさつ。メイドさんもスマイル返し。


別の場所にあったテーブルを方つけていると
1人のメイドさんが来て、テーブルの上に合った大きなフルーツの皿をどけてくれた。
お礼を言うと、彼女は「あ、良かったらフルーツどうです?」と一言。

「え?いいんですか?わたし果物大好きなんです!」
「じゃあ今別の器に入れてお持ちしますね?」

その後もこのメイドさん達が私達を助けてくれた。
いつも人にお願いする時に、出来るだけ丁寧に言うようにしてる。
その方がスムーズに事が運ぶからだ。
今回もそのことは忘れず、メイドさんや例の御嬢さんにお願いをいくつかしたが
気持ちよくお願いを受け入れてくれて、結果

彼女の父親にお願いするよりも早く、車であふれていた道も
ゲストが車を移動してくれたり、テーブルの上に合った
食べ物などもさっと方つけてくれた。

ことばの言い方を間違えるとこうも違うんだな。

さっきの男性は結局私達が戻って来た時は、
トッド曰く「スーパー優しかった」らしい。

私はあのおっさんと喋る時間持たないまま
ひたすら方付けをしていたので分からなかった。

この時夜の9時30分。
現場に到着してから30分しかたっていない。
いつもであれば、設置の方が、取り壊し作業よりも遥かに簡単で掛かる時間も短い。
しかし、今回は取り壊し作業時間の方がはるかにスムーズだった。

オフィスに戻る途中、トッドと今回の仕事の事で話をしていた。
私は彼にこういった。
「あの男性が私達にしたことは大したことじゃないと思うんだよね。
最も酷かったのは、あの人が自分の娘に、自分の誕生日パーティー当日に
謝罪をして回るという行為をさせてしまったことだよ。あれは最低だね」


今度の仕事で痛感したけど、
人とコミュニケーションをする時だけでなくて、イライラして不満を言いたい時もそう
どんな状況でも、自分が発する言葉は出来るだけ選んで使いたい。


言葉は生きているからね。


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