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2014年04月11日22:07

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【映画】ワンチャンス  〜世界はドミノでできている〜

公開時期が、『アナ☆雪』とか『白★ゆき』とか『ディズ☆約』とか『レゴ☆ムビ』等と思いっきり被ってるせいで、すっかり、観に行くのが遅れてしまい、結構、駆け込みで観てきた感ありありの『ワン☆チャン』です。(by つのだ☆ひろ)



<一応、あらすじみたいなもの>
いじめられっ子ブサメンのポール・ポッツ(以下、ポール君)が、素人オーディションに出てオペラを歌って勝ちました。
<以上>


身も蓋もない書き方してますが、実は、これ、あらすじでもなんでもなくて、単に、お話のスタートとゴールを強制連結しただけです。
(イデオンの接触編&発動編ともいう…             って、言わネーよ!!)

さて、この手のサクセスストーリーは、もはや、結果が判ってるだけに、特に、何のどんでん返しも驚きも想定内という感じなんですが、『ワン☆チャン』のストーリーってば、どこからどこまで真実で、どこからが、映画独自の脚色なのやら、ホントウに、主人公の人生、面・白・す・ぎ。

というか、ごめんなさい。
自分が、このお話の当事者だったら、絶対、途中で挫折する自信があります。
おまけに、主人公の、ドラマチックすぎる人生の変節ぶりを『面白い』とほざいてる時点で、ワタクシ、完全に野次馬野郎です。
下世話です、ゴシッパーです、生まれ変わったら、週刊◎性とか◎性自身とかの熱心な読者になってる自信があります。

そういう野次馬野郎に限って、ワイドショーや、素人コンテストでの『結果の部分』だけを眺めては、『一念発起』とか『一発逆転』とか『犬も歩けば…』みたいなことをしたり顔で語りがちです。

でもね、それって、結局、ひがみじゃん。
自分が、そのステージに至れなかったことに対する、個人的なねたみそねみじゃん。
この作品を観るとね、そういう気持ちが、いかに浅ましくて的外れなものか、わかりますよ。


『宝くじが当たって億万長者』とかならともかく、この物語のポール君のように、個人の才能や努力で掴み取った栄光に対して無意識に放たれる、外野連中のひがみやっかみは、実に、見苦しい。
そんなにやっかむ時間や、心の隙間があるなら、もっと、違うことにそのエネルギーと時間を使うべきだと思います。

体型が気になるなら、運動するべき。
頭が悪いと嘆くくらいなら、新聞や本を読む習慣をつけたほうがいい。
顔が悪いと思うなら、ネットで、もっと、ブサイクな奴を探してみれば?
というか、『顔つきや容姿で稼いでるのか?そんなに特別な人種なのか?』

大抵のヒトは、美男美女ではないし、超天才でもスーパースターでもないのだから、そういう次元の話を気にするだけ人生の無駄、時間の浪費です。

ホントウは、自身の欠点/醜悪は、もっと違うところにあるにもかかわらず、それを『容姿や頭脳』といった単純に判りやすい特徴に押し付けて、自分自身に逃げを打ってるだけ。
そんな卑怯なことをせず、ちゃんと、自分と向き合うべきだと思う。

というか、ちゃんと寝ましょう。
睡眠不足は、いずれ、睡眠障害に至り、確実に精神を蝕むことになります。



話が気持ち悪い方向に逸れたので、もとに戻します。
この作品のポール君は、才能がある云々の前に、ものすごく、オペラが大好きで大好きでしようがないんですよ、ホントウに。

一言でいうと、ド天然、あるいは、オペラ馬鹿。
で、彼自身が、そうであることに、全く、迷いがない!

どんなに人生がつらくとも、その特異な才能ゆえにいじめられることになっても、彼の『オペラが大好き』という心の芯だけは、決して折れない曲がらない。
これは、素晴らしいんじゃないか?

彼にとっては、コンテストの結果云々は、好きであることの証に過ぎなくて、きっと、コンテストで負けてしまったとしても、その大好きなものをずっと大好きでいる気持ちは、変わらないんじゃないだろうか。

我々は、大概、物事の表沙汰の部分しか見ないし、見せられない。
あるいは、それ以外のことには、それほど興味が無いとすらいえるかもしれない。
昨今の、『ビジネスは結果が全て』という、ドライな哲学が、じわじわと、自分の生活圏にまで及んできている不気味さは、どうなんだ。

でも、結果を得るためには、相応の、いや、相応以上の気の遠くなるような積み重ねがあるのだ。

ポール君は、オーディションに勝った。
確かに、1回のチャンスをものにした。

でも、彼は、そこに至るまでに、何度もあったチャンスをいろんな事の巡り会わせの結果失ったり、やむなく延期したりしてきたのだ。
才能がある彼でさえ、巡り会わせに恵まれずに、そうだったのだ。

でも、彼は、あきらめない。
だって、巡り会わせが悪いのは、彼のせいではないから。
彼は、物事の起承転結で、自身の影響下にあることと、そうでないことの区別が、ちゃんとできている。
だから、あきらめなかった。

『運の悪さを自身の才能のなさ故と読み替えて、人生の戦いから逃げる』なんてことをしなかった。




ドミノが、壮大に倒れていく様を見るのは気持ちがいい。
それは、あっという間に終わってしまうが、その、何十倍、何千倍、何万倍もの時間と手間暇をかけて、それを並べている事を知っているからこそ、感動すると思う。

並べる途中で、手元が震えてしまって倒してしまえば、やりなおし。
今日はここまで、と、決めて、翌朝、眺めてみたら、地震のせいで倒れていたとか、運悪く、ゴキブリが通って倒していたとか、TVのバラエティで、そういう、ドミノ倒しのドキュメントを見たことがあるだろう。

ポール君の人生もまさにそれだったのだ。
何度も倒れても、彼は、あきらめなかった。
ゴキブリ野郎が、勝手に倒しても、彼の行く手を阻んでもあきらめなかった。
そして、彼をとりまく、たくさんの友情や、なにより、大いなる母性が、彼を見守り、背中をさすり、時折、強く背中を押していたことを忘れはしない。

周囲に背中を押された彼が、やっとのことで、自分のドミノを押すに至る…
人生は、ヒトとヒトとの壮大なドミノ倒しかもしれない。


このお話は、とある『自分から逃げなかった人生』のドミノ倒しの紆余曲折を描く。

そして、タイトルにある『ワンチャンス』とは、『運よく掴んだラッキー』ではなく、『人生一回こっきり』の意味だったことに気づく。

だから、心して観てほしい。
皆に観てもらいたくてたまらない。


あと、ハンカチをお忘れなく、とだけつけくわえておこう。





まじめな余談)

この話の結末は、『レゴ☆ムビ』のお仕事大王に重なる…
本作と、『レゴ☆ムビ』の最終的なゴールってば、男子の不文律かも。



ふざけた余談)

彼女の名前を「ペッパー」に脚色できなかったかなぁ…

そうしたら、

 彼女 『ねぇ、結婚したら、アタシ、ペッパー・ポッツよ♪(きゃは)』
 ポール『誰、それ…』
 彼女 『…(沈黙)』

とかいう、ポールのヲタク度をいじりつつ、一部の映画ファンが、わっきゃわきゃな小ネタを仕込めたのに。
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コメント

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