ゆうべ、098から始まる番号から自宅に電話があった。てっきり大分の伯父か伯母だと思って母に受話器を渡したら、出てみてびっくりしていた。
「みっちゃん!」
みっちゃんというのは亡くなった私の祖父の妹で、母にとっては叔母にあたる。
私の祖父は沖縄の離島の宮古島のさらに離島の伊良部島の出身で、みっちゃんは今も伊良部に住んでいる。祖父とは20近く歳が離れているそうだから80を少し超えたくらいか。
みっちゃんがわざわざ電話をくれたのは、
「昨日お兄さん(私の祖父)が夢に出てきたからあんたのお母さん(私の祖母)になにかあったんじゃないかと心配になって」
からだという。
私の祖母はおかげさまで齢90を超えて大分で元気に暮らしている。高齢もあってちょっとゆめうつつだが、どうしたことかそのゆめにもうつつにも祖父は出てこないので、呼び出されない祖父は暇を持て余して伊良部に帰って妹を訪ねたんだろう。
元気ならよかった、お互い生きてるうちに会いたいけど、この年になるとなかなか難しいとかなんとかいう話になり、
母は思いたった。
「私、みっちゃんを迎えにいくわ!」
私は傍で聞いていて、そうだよねー、むかえにいってあげればいいじゃん、と往路復路くらいの手間を考えていたのだが
なんと
大分と沖縄は飛行機が通っていないらしい。
それどころか、伊良部から船で宮古、宮古から那覇まで飛行機、那覇から福岡まで飛行機、飛行機から列車で数時間で大分
という行程になる。
母の場合、これに
東京から那覇
が加わる。
ほえぇ、そりゃ決意するほどのことだわ。
そして21世紀にこのありさまなのに、戦前に大学進学のため上京した祖父の旅路を思うと目が眩むようです。
私のルーツのひとつだし、一度は行って見たいけど遠いなぁ。
みっちゃんにも逢ったことないので母と一緒に那覇には行くかもしれません。
それにしても交わされた約束が
「3月できび畑のお手伝いが終わるから4月」
というなんとも日本昔話のような…確定申告終わったら仕事辞めたいとか思ってる私にはすごくまぶしい情景なのでした。
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