その子についての専門家は、誰でもない、その子のパパとママだ

■やりがちだけど実は「子どものわがままが悪化しやすい」親の態度
(It Mama - 01月27日 10:00)
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家族のはなし。

子育ては、本当に難しい。
世の中には、沢山の育児書が溢れていて。
沢山の育児論を唱える人がいる。

でも。
それらの育児方法が正解かどうか。
それは、誰が判定するのだろう。

いや。
そもそも、育児に正解なんてあるのだろうか。
もし、正解があるなら。
それは一体、誰が判定するのだろう。
幼児教育の専門家という肩書きの人だろうか。

今、子育てをしているママやパパ。
それは、子育ての専門家だ。
と僕は思う。
少なくとも、我が子について言うならば。
その子の性格を含めて、誰よりも良く知っているのは。
その子のママやパパじゃないのかと思う。

だから。
世の中のママやパパは。
皆、我が子についての専門家だ。
たとえ、子育ての専門家じゃなくても。
少なくとも我が子についての専門家なんだ。

でも、それでいいじゃないか。
一般的な子育てについての専門知識なんて、いらないのだ。
だって。
僕らが子育てするのは。
僕たちの子供だけなんだから。

だいいち、百人子供がいれば。
それこそ百通りの性格があり、個性がある。
つまり、一般的な子育ての知識があったところで。
その子の性格や個性については。
いくら素晴らしい子育ての専門家でも、その子のママやパパには勝てないのだ。

家族のはなしをしようと思う。

一昨日、仕事が終わって家に帰ってくると。
5歳と2歳、2人の息子は、まだ起きていた。
時刻は23時過ぎ。
子供は、とっくに寝る時間だ。

僕がリビングに入ると。
2人の息子が泣きついてきた。
どうやらママに叱られたらしい。

晩御飯のあと。
おもちゃをお片づけして、風呂に入らなければならないところを。
アンパンマンのDVDを観たいといって、ワガママを言って聞かなかったらしい。

それで、ママは2人に好きなだけ、DVDを見せた。
その代わり、ママも、2人の息子たちの言うことを聞かない。
そうすることにした。

DVDが終わり。
夜も22時を回るころ。
2人は眠くなってきた。
2人は、ママにお風呂に入ろうと言った。
だが、ママは2人の言うことを聞かない。
2人が勝手なことをするのなら。
ママだって、2人の言うことは聞かない。
自分のやったことや、言ったことに、責任を持ちなさい。
ママは、2人にそう言って叱った。

そんな時に、僕が帰ってきた。
2人は、僕が帰ってくるのを待っていたようだ。
この状況を助けて貰えるのは。
パパが帰ってくる時しかチャンスはない。
そう思ったのだろう。

僕は、2人に叱られた理由を聞いた上で。
これからはどうしたら良いかを言って聞かせ。
2人を連れて、一緒に風呂に入ることにした。

僕たちが脱衣所で服を脱いでいると。
ママがクルマのキィを持って、玄関から出て行った。
2人がママの言うことを聞かないなら。
もう、ママはいらないよね。
そう言って、ママは出て行った。

僕たちは、3人で風呂に入った。
入っていると、お兄ちゃんのはるちゃんが僕に訊いた。
ママ、どこに行っちゃったの？

僕は言った。
ママは、はるちゃんとみのりくんが、ママの言うことを聞かないで、ワガママ言ったり、好き勝手するから、もう、2人がママのことをいらないと思って、出て行ったんとちがうかな。

弟のみのりくんが訊いた。
ママ、かえってくる？

僕は言った。
さあ。
こんな夜中やから、もしかしたら、ママはオバケに連れられて、オバケの世界に行っちゃったかもしれないな。

2人の目からは、涙がポロポロとこぼれた。
僕は2人に、
じゃあ、もし、ママが帰ってきたら、今度はちゃんとママの言うことを聞くようにせんとな。
2人とも、ママがいなくなったら、イヤやろ？

2人は、うんと頷いた。

その夜僕は、2人と一緒に布団に入って寝た。
ママは、2人が寝るまで帰って来なかった。

2人がスヤスヤと寝息を立てた後。
僕はコッソリ布団を抜け出した。

一階のリビングに行き、電話を掛けた。
暫くすると、玄関がカランカランと音を立てて。
嫁が笑顔で帰ってきた。
嫁は、2人が風呂に入って寝るまで、近くのマックで時間を潰していた。

翌日、2人が起きて。
隣にママが居た時の。
2人の嬉しそうな顔を僕は、今でも思い出せる。
そして。
その日2人は、とても良い子だった。

これは、僕の家族のやり方だ。
きっと、育児の専門家に言わせると。
とんでもないやり方なんだろう。

でも、これでいいのだ。
2人のことを誰よりも良く知っているのは。
誰でもない。
僕たちなんだから。