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2014年01月26日02:53

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不顕性感染のはなし

■ノロウイルス流行拡大=自覚症状なくても感染源に―手洗い徹底を
(時事通信社 - 01月25日 06:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=2736657

20代の頃。

ある日、やけに脇腹の皮膚がチクチクする。
まるで針が服の中に入っているかのように。
いや、実際のところ、本当に服の中に針が刺さっているんじゃないかと思い、服を脱いで調べたのだ。
だが、服の中に針はなかったし、脇腹にも針は刺さっていなかった。

とにかく痛くて、風が当たってもチクチクするくらいだった。
数日後、僕の右脇腹に、帯状の水疱ができた。
僕は、帯状疱疹に罹っていたのだった。

帯状疱疹ウイルスというのは、そう珍しいウイルスではない。
一般的に、子供の頃に水疱瘡に罹ったことがあると、水疱瘡は完治しても、ウイルスは体内の神経節に潜伏している。
そのウイルスが何故、症状として表に現れてこないかといえば、それは、免疫力がウイルスを抑え込んでいるからである。

だが、ひとたび免疫力が落ちると、ウイルスは活性化して、冒頭の僕のように、帯状疱疹として症状が表に現れるというわけである。
だから、一般的には、帯状疱疹というのは、免疫力や体力の落ちた高齢者の方が発症することが多い。

さて、この帯状疱疹であるが、どうやらここ十数年の間に、およそ4割もの患者数が増えているそうだ。
この背景には、ここ十数年の間にも、高齢者の人口が増えたということもあるのだろうが、もう一つの原因として、やはり昔と比べ、今の人の免疫力が落ちてきているということがあるような気がしてならない。

最近のノロウイルスの流行についても、こうした免疫力の低下が背景になっているんじゃないだろうか。
ウイルスに感染しても、症状として表に出ないことを不顕性感染という。
これは、その人の免疫力が大きく関係していて、謂わば免疫力が強いと先ほどの帯状疱疹ウイルスの場合と同じように、ウイルスを抑え込んでしまうのである。

そうすることで症状の出ないまま、不顕性感染が続くと、やがてそのウイルスに対する抗体を獲得することになり、免疫がつくわけだ。

問題は、不顕性感染の状態で、まだウイルスを排除していない状態の時、その人は、そのウイルスのキャリアであるということだ。
キャリアである以上、相手にウイルスをうつすことがあるし、うつした相手の免疫力が弱ければ顕性感染を起こすことになる。

今回のノロウイルスの流行には、もちろんキャリアの人が気づかないうちに、ウイルスを拡散させたこともあるが、もう一つの原因として、やはり僕たち現代人の免疫力が低下してきているというのもあるんじゃないだろうか。

これは、過去にもOー157の流行の時に言われたことだ。

現代人の免疫力の低下は、不規則な生活や食生活、ストレスに加えて、社会があまりに潔癖を求め過ぎたこともあるのだろう。
今や、除菌という言葉をあらゆる場面で目にする時代だ。
そうすることで、僕らは逆にばい菌やウイルスと接触し、免疫力をつける機会を失っているのかもしれない。


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