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2014年01月19日06:55

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核のゴミの論点すり替え

 週刊新潮1/23号。北大大学院の奈良林教授「3000年後には、(核のゴミの)放射能は100万分の1、人が手で触れるウラン鉱石の10倍程度に落ちる。よく言われる10万年というのは、ガラス固化体の寿命(等々の理由から、核のゴミ処理は問題ない)」。


→ 原子力ムラの座談会などでも同じコメントを読んだ。これは、半分本当だけど半分は嘘。


 よく誤解されているけれど、Pu(プルトニウム)のように半減期が長いものは放射能が弱い。半減期が長い=滅多に崩壊しない=放射線を滅多に出さない=放射能が弱い、から。

 逆に、放射能が強い=放射線をしょっちゅう出す=頻繁に崩壊する=半減期が短い、となる。

 なので、核のゴミの「放射能」≒「出てくる放射線」だけを問題と考えるなら、Puのように半減期の長いものは考慮しなくてよい。また逆に、ヨウ素131のように放射能は強いが半減期が短い(ヨウ素131は、8日程度)ものは、あっと言う間に崩壊して減るので、これまた考えなくて良い。

 つまり、核のゴミの「放射能」だけを問題と考えるなら、問題となるのはクリプトン85(半減期10.8年)とかストロンチウム90(半減期28.8年)とか、セシウム137(半減期30年)とかの、中間的な半減期の放射性物質。これらが、崩壊を繰り返し放射能が弱くなるのが、半減期換算で約150年、なので半減期を20回経過する約3000年後には、2の20乗≒約100万分の1、にまで放射能が弱くなる。

  ※ この場合の「放射能が弱くなる」というのは、その核のゴミの
   「そばに寄っても、さほど危険ではなくなる、放射線で死んだり
   しなくなる」という意味。


 でも、Puの危険性って、そこには無いからね。上記は、論点のすり替え。Puの危険性は、主に下記2つ。

 一つ目は、毒性。人体に入り込むと、発ガン性がある点。

 二つ目は、核のゴミ中に大量に含まれるPu239が原子爆弾の材料になる点。

 なので、やっぱり核のゴミの保管は3000年じゃダメで、もっと長期間、人が寄らないように管理する必要があると思う。あるいは、高速炉(増殖させない方)で燃やして処理するか。

  ※ あと、3000年でも長いよねー。
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