誅戮凶悪、急急如律令

三連休だというのに、なにひとつやることがありません。

おうちに引きこもっているのもシャクなので、あちらこちらの喫茶店なんかを巡ってみましたが、もう食傷気味です。
ひとりで街をぶらぶら歩いても、ちっとも楽しくない。
退屈です。
退屈通り越してムカついたよ。

お酒の一杯でも飲んで帰るかと思いふらつけど近所の行ったことあるバーはどこも日曜定休や十一時クローズ、さりとてもうガールズバーに行く気は起きず、ウヰスキを売りにしているちょっとお高いお店に入りました。
金なら腐る程あるんです。
芥川の、歯車でしたっけ、ウヰスキ飲みに行く場面があった気がするのを思い出しました。
最も飲みやすいものをください、所望して出てきたお酒は非常に美味しかったのですが、少しも気は晴れません。

僕もいい加減、恋人が欲しいんですけどねえ。
酒の秘奥よりも、愛情の表層について知りたいです。

代官山駅のあたりを歩くと、あのへんお洒落なお店がたくさんあるじゃないですか。
どうせなら恋人と手に手をとって、かいなとかいな絡ませて歩きたいものだよ。
貯金は数百万円あるんですから、半年や一年ならプチ贅沢させてご覧に入れられるよ。
ひとりで黙って小説を読んで時間を潰すようなバカみたいに人生にはもう飽き飽き、どちらが楽しいかは火を見るより明らかでしょう。

上書き保存・別名保存の喩えに倣って言うならば、レジストリを書き換えられるような恋がしたいものですね。
思い出なんかなくたって、心を変質させてくれるような人と一緒にいたいものです。
誰だって良いんですけど、どこに行ってなにをすればそんな人と出会えるものか、サッパリわかりません。

ウヰスキはちびちび飲んでいるうち心なしか美味しくなっていきますが、僕のこころはそれに反比例して憂鬱になるばかりでした。

やっぱりイヤですね。
森羅万象(このよのすべて)が嫌いです。

人のせいにばっかしてるからダメなんだよ、自分が変わらなきゃいけないよ。

と言われても、もう、なにをどうすればいいのかわかりません。
なんにもしたくないんですもの。
なんにも楽しくないんですもの。
イライラして眠れやしない。
世の中のみんな、楽しそうでズリーよ。
僕は毎日毎日嫌な思いを我慢して生きているのに、最後までひとつも報われず虫のように死ぬなんて、割りが合わないじゃないですか。
なんで毎日こんなに詰まらないんだろう。
いつまで馬鹿みたいな生活が続くんだろう。
あと半世紀もこんな蛆虫みたいな日々が続くのだと思うと、恐ろしくて堪りません。

せめてなにかひとつ、生き甲斐か、死に甲斐か、どちらかあればいいんですけど、なにもない。
どうして普通の人みたいに生まれつかなかったのな、わかりません。
どこで生き方を間違えたのかも、わからない。
もうずっとずっと考え続けているけども、サッパリわからないままだ。

憎いなぁ。
嫌だ、なにもかもが嫌だ。