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2013年11月17日23:12

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街の灯

今から94年も前のサイレント(無声)の名作である。

街角で花を売っている盲目の女性に一目惚れをした浮浪者が苦労の末、やっと
手にした手術代を手渡して名前も告げずに去って行く。

数年後に再会した彼女は眼を直してくれた人は金持ちの紳士」だったと
思い込んでいたのだが、目の前で目を潤まして自分を見ている浮浪者を哀れみ、
男の手を握った瞬間にハッと気付いたのだった。

「You ?」(あなただったの!」


・・・世界で最も短く最も多くの人を感度させた名セリフだったそうな。




これは無声映画である、今はこんな名優も名画も生まれて来ない。
また作られたとしても決してヒットし世に受ける事は無いだろう。

今の映画だったらどう展開するだろうか?
言える事は同じでは有り得ない!!

先ず金を手渡したらスマホでメルアド交換し、挙句にキスをしてベッドシーン
になってしまうだろう。

それでお互いが「愛」を感じ合い、確かめ合う・・・。


現代人たちはこういう露骨にリアルに展開していかないと満足しないのだ。

「体」が「心」を先行した帰結である。

そこには自らを相手の為に犠牲にする究極の愛など決して存在しない。
「カネ」「見返り」「思惑」「打算」「性欲」の行き着く成れの果てである。

総ては昔の映画の様なスタイルが良い!とは言わない。
また決してプラトニックを推奨する訳でも無い。

だが今の世の中は何もかもが急ぎ過ぎている。

昔は手紙を交し合った、時間や日数が掛かる、だからこそ手紙の中に秘める
相手への情感や思い遣りや気遣い、言葉一つ一つの中に温かい心を伝えようと
して、そこから文学が生まれてきたのである。

メールやスマホのリアルタイムの情報交換からは文学的で情緒的な会話など
望む事は出来ないのは自明の理である。



たった3分だけの名作ラストシーンに付き合って見て欲しい。
涙する人は果たして何人くらい居ることだろう・・・???

http://www.youtube.com/watch?v=LHBHdYgg9fI





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