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2013年06月29日22:11

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Theatro alla Scala : Das Rheingold (Der Ring des Nibelungen)

Theatro alla Scala : Das Rheingold (Der Ring des Nibelungen)

6/17月

ミラノ・スカラ座×バレンボイムのリング・チクルス、ラインの黄金とワルキューレを現地で観てまいりました!まずはラインの黄金から。

◆Das Rheingold

Conduction:Daniel Barenboim
Staging and sets:Guy Cassiers
Sets and lights:Enrico Bagnoli
CostumesT:im Van Steenbergen
Video:Arjen Klerkx e Kurt D'Haeseleer
Choreography:Sidi Larbi Cherkaoui
Dramaturgy:Michael P. Steinberg e Erwin Jans

Wotan:Michael Volle
Donner:Jan Buchwald
Froh:Marius Vlad
Loge:Stephan Rügamer
Alberich:Johannes Martin Kränzle
Mime:Peter Bronder
Fasolt:Iain Paterson
Fafner:Alexander Tsymbalyuk
FrickaEkaterina:Gubanova
Freia:Anna Samuil
Erda:Anna Larsson
Woglinde:Aga Mikolaj
Wellgunde:Maria Gortsevskaya
Flosshilde:Anna Lapkovskaja

第一夜、上演は短いとはいえ休憩なしの2時間半。トイレが近い私はかなり緊張して会場入りいたしました。しかしミラノ暑かった。到着した日も次の日も、最高気温33度ですよ?!日本でも今年はまだ経験したことない暑さ。ホテルにクーラーがついてて本当によかったです。

ミラノ・スカラ座を訪れるのはこれが初めて。外観は何てことない石造りの建物ですが、中はさすがに豪華です。ただし、観たこともないほど豪華かどうかは?個人的にはパリ・オペラ座のガルニエ宮を観たときが一番感動したかなあ(って、そんなに世界のオペラハウスに行っているわけではありませんので誤解ありませんよう)。

ここって、いわゆるアリーナ席(会場ではplateauと表示されていましたが)以外は、すべてバルコン(イタリア語でpalcon)なんですね。そりゃあ座席数少なくてチケットがすぐに売り切れるはずだわ・・・。

オペラのチケットは争奪戦だと聞いていたので、信頼している個人代理店の方に頼んでチケットをとっていただきました。この日は下手側の7番バルコンの3階。ここ、実はすごい観にくい席でした。7番目くらいはバルコンが外側に膨らんでいるところでステージが半分くらい見きれます。結局半分くらいは立っての鑑賞でした。時差ボケがきつい時期だったこともあって、本当に辛かったなあ。。。今後ミラノ・スカラ座に行かれる方には、たとえ後ろでもできるだけアリーナ席をとることをお勧めします。バルコンでしたら、4〜12番は避けるように。ただし、後述しますが、次の日の2番バルコンは素晴らしくいい眺めでした!初めて行く会場のチケットは難しいですね〜。

ちなみに、スカラ座のチケットは現地でも破格の高さです。リングの場合、一番高い席がなんと360ユーロ!一番安いところでも190ユーロくらい。海外なら安く観られるという常識を覆すお値段。そりゃ来日公演のチケットも高くなりますよね。海外との価格差があるというより、スカラ座の場合はもともとが高いと理解したほうが正しいです。それを考えると今度の来日公演、文化会館5階席の1万円台のE・F席はかなりお得なのでは?!

さて、肝心の公演。もともとラインの黄金はリングの中でも曲が好き!特に出だしの湧き上がるような音楽を楽しみにしていました。スカラ座とバレンボイムのオケは期待にたがわず素晴らしい!ただオケピに入っているので、その分音の広がりが妨げられているというか。声を聴かせるオペラなので仕方ないのですが、オケの方に感動した私としては、もう演出なしの演奏会形式でいいから、オケピから出てきてほしいという感じでした。

オペラは演出が肝心だと思いますが、ギー・カシアスの演出は、私には今ひとつ。うーん、あれをどう言葉で表現したらいいのかわからないのですが敢えて頑張ってみると、、、リングのファンタジーの世界をできるだけミニマムな舞台装置で表現するようにした現代的な演出。メインの装置はグレーのブロックで舞台全体がグレーな感じ。それに、衣装と、そして最近流行りの投影される画像で世界観を表現。更に、ファンタジーの細かい小道具はなんとダンスで表現されるという。ダンスはその他に人物の心情描写にも使われます。

ダンスの振付はシェルカウイ。シェルカウイは最近だとテヅカとか映画のアンナ・カレーニナを手掛けた人で、私にとっては現存の振付家で3本の指に入る大好きな人。このリングでは、ワルキューレ以外の3作品で振付にクレジットされています。この人、振付だけではなく演出に結構関わったんじゃないかな。というのも、投影される映像の使い方にTeZuKaとの類似性が見られたので。巷ではダンスが邪魔だという評判もあるようですが、この演出の問題はそこじゃないんじゃないかな・・・。個人的には、リングはファンタジーなのでファンタジーの世界に引き込んでくれるような非日常感を出してほしい。そういう意味で、METのルパージュ(シルク・ド・ソレイユの演出などを手掛けている人)の演出は余りにベタにファンタジーかもしれないけどリングの世界をうまく表現していて好きです。今回のは現代風にスタイリッシュに、という意図だとしても、そこに徹しきれていない感じがしました(素人なのに何を偉そうに、、、)。

さて、歌手ですが。よかったのはローゲのRügamer。声はもちろんのこと、ローゲは狂言回しとしての演技力も大切。そういう意味で、この舞台をいい方向に引っ張っていた一番の立役者だと思います。

ヴォータンは基準がMET版で観たブリン・ターフェルになっちゃってるので厳しくなってしまうのですが、ちょっと威厳が足りなかったかなあ。ラインの黄金のヴォータンってストーリー的に妻に責め立てられる情けない男なのですけど、そこに神としての存在と一人の男としての葛藤が見られるとまだ許せる。今回はそこがなくて、本当にどーしよーもない見栄っ張りのお父さんに見えてしまった。歌声はよかったのですけどね。


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