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2013年06月28日01:48

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差別用語考

日テレの番組『ZIP!』のロンパリ発言問題 日本からロンドンとパリを見ると方角はほぼ同じだがその定義の真意は?
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=85&from=diary&id=2483121

医学用語の中には、見たままの差別的な用語がたくさんある。

最近は、認知症という言葉に変わったが、かつては、痴呆症と言ったし、統合失調症もかつては、精神分裂症と言った。

精神医学だけでなくても、例えば整形外科の分野でも、神経障害やリウマチなんかで手や指が変形すればその手や指の形状から、サル手やワシ手、スワンネックなどと見た目そのままで呼んだりするし、坐骨神経痛の症状の一つである、間欠性跛行。
この跛行という言葉も、分かりやすく言い換えると、これは"びっこ"のことだ。

テレビで足を引きずっている人に向かって、びっこを引いてるなんて言おうものなら、それこそ抗議の電話がかかってきて、言った人は謝罪ものだろう。

ロンパリも、そうした斜視の人の目の状態をそのまま指したもので、右目と左目の黒目がそれぞれ違う方向を向いている状態を言っているだけに過ぎない。
何処からロンドンとパリを見ていようがそんなことをいちいち考えるまでもなく、それぞれ違う方向を見ている比喩なだけだから、そこを細かく追求するのは、屁理屈ってもんだし、ここまで追求するのは、斜視を茶化しているようでタチが悪い気がする。

いや、冒頭の医学用語と違って、ロンパリの言葉に差別的な意味合いを強く感じるのは、この茶化しているというタチの悪さなんだろう。

だが、今回のロンパリ発言というのは、そんなに目くじらを立てて抗議するような問題でもなし、謝罪するような問題でもないような気がする。
これが斜視の人に向かって、ロンパリだと言ったのなら話は別だが、しりとりの流れの中で、出てしまったのならその言葉の中に、いったいどれくらいの差別意識があったというのか。

言葉とは、文化の中で作り出されるもので、存在は否定できない。
ならば、文脈からその言葉を判断して、差別かどうかを見極めなければ、それは単なる言葉狩りになってしまう。

それに、僕にはこうした身体の特徴を茶化した言葉の適切、不適切の基準がよくわからない。
斜視の人に向かって、ロンパリはダメで、太っている人に向かって、デブは良いのはどういう基準なんだろう。
頭髪の薄い人に向かって、ハゲと言うのはOKというのはどういうことなんだろう。

先日、坂上忍が女性の見た目をあげつらって、ブスだのなんだのと随分酷いことを言っていたが、文脈から判断すればこの坂上忍の発言のほうが、今回のロンパリ発言よりもタチが悪い。

だが、何故か坂上忍の発言は、酷い言葉だと言われても、テレビで謝罪しなければならないような差別的な発言ではないらしい。

どうやらメディアは、その言葉が放送禁止用語であるかどうかだけでしか適切、不適切の判断ができないらしい。
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