キラキラ

男性が思う、恋人ができて失われるもの -「お金」「時間」「彼女いない歴」
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20代の前半から26、7歳くらいまで、随分と長い期間付き合っていた彼女がいた。
その彼女とは、同い年で3年くらい同棲もしていたが、結局結婚することなく別れた。

今振り返ってみても、その彼女との過ごした数年間は僕の人生の中でも、一番楽しかった時期かもしれない。
お互い若かったし、将来のビジョンなんて何も考えず、ただ一緒にいて楽しかったから、その日その日を過ごしていた。
お金は全然なかったが、それでも僕たちにとっては、それは障害にならなかった。
もちろん、結婚を考えていなかったから、ということもあるだろう。

その彼女と別れた時、僕は彼女と過ごした数年間を思い、その数年間はもしかしたら、彼女にとっての人生で一番良い数年間を僕は奪ってしまったのかも知れない、という気持ちがした。

人生は長い。
でも、その長い人生の中でも、一番良い時期というものがある、と僕は思っている。
それは、おそらく僕にとっては、20代の10年間だったんじゃないか、と。

この時期に経験することは、今振り返ってみても、本当に楽しかったような気がするし、毎日が充実していた。
それは、彼女にとっても同じだったんじゃないかと。

恋人ができて、失われるもの。
それは、やはり僕にとっては決して取り戻すことのできない時間だ。
20代のあの時期は、いくら頑張ってみても決して戻ってくることはない。

でも、その貴重な時期を彼女と出会い、過ごせたことは、僕にとっては失われた時間であると同時に、彼女と過ごした貴重な思い出でもある。

と、そんな風に考えるのは、自分が歳を取ってきたせいだろうか。
その彼女は、今では結婚して子供だっているし、僕も今では結婚して、息子が2人いる。
結果として、お互いの生活がそれぞれに幸せならば、そんな失われた時間なんてのは、お互いの人生の中で、些末なことなんだろう。

でも、僕は確かに恋愛よって失われる時間のことを考えているのだ。
僕が今の嫁と出会ったのは、嫁が22歳の時だ。
あれから10年。
明後日で、嫁は32歳になる。

僕の考える人生の中で、一番良い時期の殆どを嫁は僕と過ごしたことになる。
これは、僕にとっては嫁の貴重な時間を僕が奪ってしまったことになる。
そんな貴重な時間を、彼女は僕なんと一緒に過ごして良かったのだろうか。

そう考えると、僕の責任は重大だ。
願うならば、この10年間が嫁にとって、幸せな10年間であってくれれば、と思う。

失われた時間も、2人で過ごす時間として幸せな時間であるなら、それは、きっと素敵な時間である。
そんな時間をこれからも、家族で過ごせたら、と思う。