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2013年06月11日16:42

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ふわふわ

菜々緒が激怒「最低」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=137&from=diary&id=2462699

京都ではあと一月ほどで、祇園祭が始まる。
歩きタバコと言えば、いつも祭りのことを思い出す。
あれは、確か僕が今の息子くらいの歳の頃。
そう、まだ4歳か5歳くらいの時だったと思う。

実家の近くで毎年秋に祭りがあって、幼い僕はそれを楽しみにしていた。
祭りの夜店に親と一緒に行くのは、幼い僕にとっては、大きなイベントの一つだったのだ。

かといって、そんなに裕福でない僕の家では、夜店に行っても、余所の家の子のように、クジをしたり、綿菓子を買ったり、フランクフルトやリンゴ飴などと色々と買ってもらえるわけではなかった。

でも、夜店に行くと、一つだけ欲しいものを買ってもらえた。
僕は、それを楽しみにしていたのだ。
そして、この年、僕にはどうしても夜店で欲しいものがあった。

それは、銀色にキラキラと光る、ナイロンでできた風船だ。
風船の表面には、何だったか今では覚えていないのだが、確か当時のヒーロー物がプリントされていたような気がする。

夜店の並ぶ通りは、人でごった返していた。
その通りの真ん中あたり、僕の目当ての銀色の風船が売っている店があった。
僕は、両親にその風船を買ってもらい、家へと帰った。

帰り道は、人混みの中を歩くようなもので、小さい僕にとっては、それこそ人混みを掻き分けて歩くようなものだった。

ようやく母親に手を引かれ、反対側の手に風船のヒモを持った僕が人混みを抜けた時、僕はある異変に気付いた。
フワフワと宙に浮いていたはずの僕の風船が萎んで、地面に落ちてしまっている。
父親が風船を確認すると、僕の銀色の風船には穴があいていた。
そう、誰かが人混みの中で歩きタバコをしていて、そのタバコの火が僕の風船に当たったのだ。

僕は、悲しくて、その場でワンワン泣いた。
もちろん、泣いたってどうなるわけでもなく、新しい風船を買ってもらえるわけでもなく、そのままトボトボと家に帰った。
家に帰って、また泣いた。

その穴を空いた風船を、捨てずに長い間、大事にとっておいたことから察してもらえるだろうが、当時僕は、夜店でしか売ってない、あの銀色の風船が本当に欲しかったのだ。

この歳になっても、あの頃のことを鮮明に憶えているとは、僕はなんと執念深い人間なんだろう(笑)。

もうすぐ、京都では祇園祭がある。
くれぐれも、人混みの中では、歩きタバコは控えてもらいたいなぁと思う。
風船だけでなく、大人がタバコを持って歩くその位置には、小さな子供がいて、場合によっては小さな子供の顔がある。
これは大変怖いことだ。
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