印鑑に「ハーッ」

　中一の長男が初の中間テストの結果表をもらってきた。僕らの頃は結果表などなかったが、今どきの流行なのか、長野が伝統的な教育県だからなのか、結果表に全教科の平均点と本人点が記録してある。それに親のサインと押印が必要なのだ。我ながら父親らしく、労いと励ましの言葉をかけてから、おもむろにハンコを朱肉に付けた。ハンコを口の前に持ってきて「ハーッ」と息をかけたら、長男に聞かれた。「なんでそうするの？」…実は、僕自身がその答えを知らなかった。「母ちゃんがそうしてたから真似してるだけ。」と正直に答えた。親の姿を見て理由も解らずに真似していた自分がおかしくて、自分で笑ってしまった。妻に話したら、ハンコに付いた朱肉を温めて、紙に付着しやすくするためにやるんだそうだ。僕もまだまだ勉強が必要だ。…それはともかく、なんで自分が子どもの時、ハンコにハーする母に「なんでそうするの？」と聞かなかったんだろう。。。