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2013年04月16日12:38

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生命と家族

■「出生前診断」で染色体異常が発見されたら? 「人工中絶」は法的に問題ないか
(弁護士ドットコム - 04月15日 17:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=2395242

僕には嫁との間に2人の息子がいる。

長男は、はっきり言って予定された妊娠ではなかった。
入籍してすぐの妊娠で、まだ結婚式も挙げてなかったし、2人の間では子供は、何年か後にという話をしていた矢先だったのだ。
前の職場を辞めて、独立したばかりの時期だったので、経済的にも一番キツイ時期だった。

あの頃は、嫁も仕事を持っていたし、自分のやりたい仕事を見つけ、家計的にも僕を支えてくれたから、こんなことを書いたら顰蹙を買うかもしれないが、決して望んで授かった命でなかった。

しかし僕たちの間で、このお腹の赤ちゃんを中絶するなんて選択は、初めから選択肢の中にはなかった。
確かに経済的にもキツイし、2人の時間もなくなる。
でも2人の間に新しい家族としてやってきた命だ。
やってきてくれたのだから、この新しい生命が出てくることを祝福して迎えよう。
僕たち2人はそう考えた。

だが、僕たちの頭の中には、その生まれ来る赤ちゃんがダウン症であるとか何か染色体異常を持って生まれてくるとか、そんなことは全然なかった。
もちろん、生まれてくる赤ちゃんは健康で五体満足であると、そう思い込んでいたし、それを前提とした上のこれからの家族の生活を2人で思い描いていた。

もし、あの時。
今のように出産前診断が血液検査で安易にでき、もしお腹の赤ちゃんに染色体異常が見つかったとしたら。
僕たちは、あの時のように、新しい生命に対して家族として迎えいれることができただろうか。

はっきり言って、それはわからない。
何故なら、僕たちの2人の息子は五体満足で、その生活の価値基準でしか物事を見れないし、想像もできないからだ。

ただ、一つ言えるのは、産むにしても産まないにしても、2人の間で今後の人生設計を含めた話し合いがなされるだろう。
そして、どちらの決断をするにしても、その決断は簡単なものではない、苦渋の決断と覚悟がいるはずだ。

子供を産むということ。
これは、子供を産んでゴールではない。
子供を産んで、初めて新たな家族としてスタートを迎える。
そして親は、子供を産んだ時から、その子供を育てる責任が生まれる。
この責任は何よりも重く、責任を放棄することは何よりも罪深い。
この責任こそが、子供の生命に対して、大切に思う気持ちであり、愛情である。
生まれた子供を可愛いと思うだけが愛情ではなく、そこに育てる責任があって初めて愛情なのだ。

この診断で異常が見つかったとしたら。
きっと、夫婦の中でこうした話し合いなされるだろう。
それは生まれくる赤ちゃんだけの話ではない。
すでに兄弟のいる子供にとっては、その子供の人生を含めた話し合いになる。
子供を育てる責任は、どの子供にとっても同じだ。
誰かのためにその子供の人生が犠牲になることだってありうる。
そうしたことを含めた責任が親にはあり、家族にはある。
その上で、産む決断をする家族もある。
それは、大変素晴らしいことだ。

だが、産まない決断をする家族を誰が責められるだろう。
産まない決断をする夫婦だって、生命の大切さくらい、痛いくらいわかっている。
わかっているが、産む決断をするからには、育てる責任があるのだ。
その責任の重さを感じるから、産まない決断をするのだ。

そんな苦渋の決断をする夫婦に対して、この弁護士の言葉はあまりに酷い。
きっと、こうした言葉が出てくるのは、この弁護士自身がダウン症の子供に対して、そう思っているからだろう。
思っているから、そうした夫婦の決断の重さを薄っぺらで勝手な決めつけで斬って捨てるのだ。
おごりたかぶっているのは、この弁護士の発言だ。

家族の在り方を真剣に考えている人にとって大変失礼じゃないだろうか。
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