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2013年03月17日07:10

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「泣き虫しょったんの奇跡」

 図書館本「泣き虫しょったんの奇跡」を読了。サラリーマンから初めて将棋のプロ棋士となった瀬川晶司4段(この本の執筆時。現在は勝ち星昇段し5段でC2リーグ所属)が、プロになるまでの半生を綴った自伝。

 小学生で将棋を覚え、中学時代にライバル(お向かいに住んでいた同学年の渡辺健弥氏。この人も後にアマチュア将棋名人となる)と出会い切磋琢磨。プロを目指すにはやや遅い中3の時に6級で奨励会入り(将棋の世界は、タイトルを複数獲るような超一流の天才たちは中学時代に4段になったりするので、中3で6級は遅い)。その後はまぁまぁのペースで昇級し22歳には3段になる。

 ところが、奨励会3段リーグに8期4年間在籍しながら昇段出来ず(将棋の世界は4段からがプロで、3段以下は無給の半プロ。なお4段になるには年齢制限が有る)、年齢制限にひっかかり退会。3段リーグの激しいプレッシャーのあまり、逃げて多少遊んでしまったのも原因か。深刻な挫折を味わい、将棋関係の本はすべて捨て、将棋から離れることを決意する。

 しかし将棋の道は捨てがたく、上記幼馴染みの渡辺健弥(アマ名人)の影響もあり、奨励会退会後2年ほどでアマチュア棋界に転向、プレッシャーの無い場で将棋を指す喜びを思い出す。その後大学二部を出、NEC関連会社に就職。大学時代にアマチュア名人になり、アマチュアも参加出来るプロ棋戦への出場権を得る。そこでプロ相手に7割の勝率を上げ(将棋はメンタルも影響するので、プロ達が「アマには負けられない」と固くなったためもあるだろう、と本人は謙遜)、ついにプロ棋士中途採用?試験受験を認められる...


→ 有名な人なので読んでみた。諦めなければ夢は叶う(こともある)、という、青少年向けには良い本かも。若い頃はつい怠け勝ちになるが、それがどんなに勿体ないことか、も力説しているし。ライバルの存在も大きい、と。

 ただ、プロになっても3年半はフリークラスという立場(C2リーグのさらに下。勝ちまくればもっと早くC2リーグに昇級出来るが、彼は3年半かかった)で、勝てないと年収100万円ほどなんだそう。夢を追うのもツライよね。

 しっかし、その後、もっと勝って欲しかった、瀬川さんには。C2リーグ止まりじゃなくって、B2、せめてC1くらいにまで。今期は降級点だったらしいし... まぁ年齢的にキビシイ(現在42歳。一部の超天才達を除き、プロ棋士の実力は30代後半くらいがピーク)んだけど。

 ちなみに、アマチュア超強豪
   (プロ4段クラス=若手は実力6〜7段だったりすることもある=
    が相手なら五分の勝率を上げる超強豪。たしかこの人は奨励会の
    経験は無いハズ。もちろんプロ側にアマと対戦することにプレッ
    シャーがあるためでもあるんでしょう)
の清水上氏は、著者がNEC将棋部時代の仲間。
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