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2013年03月14日20:05

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Love letter と distortion from 遥か彼方 



「天国からラブレターが来たんだ」

僕は突然に言葉を落とした・・・(誰も拾わないにしろ)

天国からラブレターが唐突に届いた。

住所は 

金魚鉢の隅の底(きっと(底のヨウ)なものだと思うが、ただソウ記載されている。(尤も訪れた事が無いから分からない)

消印は 

(天国)

と判が押されていて時折何かの拍子でそのハガキの色全体が著しく不可避に変化した。僕はソレを手にして、皆の前でヒラヒラ、露見する。  

友人達は呆れ、又は憐憫の表情で刹那、僕を見てから、各々好きな事に没頭していった 

ふと眼を伸ばすと部屋の隅でアスパラガスが育っている。トルコ桔梗も咲いていた。植物色の細かい葉がオレンジ色を求めて彷徨っている。 

誰ももう僕に注視はしなかった。

僕は何となく納得して、R.E.Mのdriveを小さな、音量で流したら其処に居た人達が小さく静かに揺れだした。出来ればノンレム睡眠を渇望する、したい所だけれど、多幸感のある夢だって僕は昔見る事は出来たんだ。

そして、じゃあ、こんなのは・・・どうだろう?
 
〇 蒼いマセラッティと箱の中の憂鬱そして覚えていたSEXの話

(僕)



(彼)



(あれ)

でもいいが 

(これ) 

じゃない。 

代名詞は良く吟味して使うようにママが言っていた。

兎に角、僕と友人しばしば、夜中に(暇)という産物を殺しにファミレスを訪れる。 

ファミリーレストラン。永遠延々継ぎ足される様々な色の液体。

何時だってそうだ。

僕は北国に居る。

其の日は雪が特に深くて、イタリア製の蒼いボロボロの車は何度も回転して雪に嵌った。僕と友人は車を交互に押しながら大粒の雪を飲み込んで僕は呟く。

「家に居る事は俺らできないのかな?」
「家に居ると脳幹が死にそうになる」
「脳幹?」
「ノルアドレナリンとセロトニンは過多になるし、グルタミン酸も多くなるし、ギャバやグリシンも減ってくる」
「脳幹とドーパーミンは関係無いだろう・・・?」
「腐っちまう!!」

僕らは雪まみれで笑う。 

何度も回転とエンストを繰り返して僕達は漸く貸しビデオ屋の向かいの・・・何だったか名称を忘れたけれど、いつものファミレスに辿り着く。 

僕も彼も煙草はマイセン1のロングと決まっている。だから無くなった時に相手のを吸えるように。 
珈琲を運び。絶望にカップを合わせる。好きで絶望になっているのじゃないのだけれどな。

気づいたら絶望が跋扈している。

「なぁ。俺は此の前実家に帰っただろう?」
「うんうん」

僕は緩慢に彼に応対する。

「その時俺は車で県道を走ってた。そしたら目の前にvespaが走ってる。俺バイク好きだろう?だから結構集中して見てたんだ。いい白緑だって。其れで信号待ちで、俺とバイクは並んだ。よく見たらハンドルを握っているのは女の子で、綺麗なカーリーヘアをしてた。黄蘗色のカーディガンを着てね。信号が青に変わってバイクは走り出す。2ストの音は心地良い。それで、その・・・その・・・その・・・直後信号無視で突っ切ってきたタンクローリーにぶっ飛ばされたんだよ」

僕は珈琲カップを少し震える手で戻してソーサーに死体に様になっているスプーンを弄った。他に弄るモノが無かったら、僕はどうして居ただろうな

彼は俯いて、姿勢を崩さずに僕に続けた。長い、彼の長い腕のシャツからはみ出した、肘から先はとても綺麗なラインを描いていた。
 
「俺は其処に車を停めて、取り合えず女の子がぶっ飛んだ所まで走った。落ちた先は畑だった。茄子畑。彼女の緑のバイクは其処に落ちてた。彼女と一緒にね。俺は走って其処まで行った」
「駄目だった・・・?」
「ううん。まだ息をしていた。信じられないけど、少し鼻から血を流して・・・ぐったりしていたけれど、外傷は殆ど見受けられなかった。暫くして薄目を開いた。でももう内臓とかぐちゃぐちゃだったのだろうな?でも抱きかかえて顔を見たら彼女は俺の昔の恋人だったんだ。そして女の子は俺の顔を見て、何か、誰かの名前を言った。でも明らかに其れは俺の名前じゃなかった。それでそのまま、それきりネテしまった。俺は色々思い出そうとして、脳内を引っ掻き回して何かをしようとしたけれど、思い出すのは彼女とのSEXの事だけだった」

そこで彼は話しを区切り僕の目を見た。

「其れが現実だ」

僕は窓ガラスの向こうを見る。

夜はきっとまだまだ深くなる。

果たして朝は来るのだろうか?

彼はもう一度霧消してしまいそうな声で言った。

「ソレガゲンジツダ」

と。

○ 彼女が撒いた小さな種から出来る大きな植物と重力

「私達は皆、種を撒く仕事をしているでしょう?」

その人は私の目を真っ直ぐ見ながらそう言う。何時でも彼女はそういう喋り方をする。 
その日はどういうわけか、彼女はちょっと(瞳)が強すぎて、且つ言葉も本当に真っ直ぐだったから、生理の時のような情緒不安定さが私を襲い彼女の表情と声音で憂鬱になった。

「種を撒く仕事・・・そうですね。でも・・・どちらかと言ったら、其れは男の子・・・じゃないですか?」

そう言うと彼女は 

「そうだね」 

と言い、悲しそうにし、そしてそれから楽しそうに笑った。 

そういう時の形容詞は何か無いのかな?

新しい言葉を作ろう。

馬鹿笑いや 
嬉し泣きや
嘘泣きの
よふに

新しい造語を。

だって私の周りには、新しい形容詞を作らなきゃいけない人が多い気がする。

枯れ笑い。

彼女はパックに入ったミルク珈琲を飲みながら、指を目の前で組んで沈思した。放っておけば彼女はそのままずるずる強大な力でドコカニ沈んで行ってしまいそうだった。その力は何だろう?等価原理だっただろうか?彼女がもしそうなれば私も同じように引き寄せられて沈んでしまうだろうか?公式はなんだったろうか?球面上であるのだからリーマン幾何学が適応され得るだろうか?然し、それは彼女が4次元空間で物理的な力を受けた、受けうる場合であるから、もしこれが精神上の問題であるならばユーグリッド幾何学が正しのだろうか?精神上と物理的な因果関係が何も交差しないまま、私はロバチェフスキー空間を思い出したが、重力場の方程式を思い浮かべる前に紅いラナンキュラスの八重が私に抑止をかける。

6畳程の休憩部屋の隅と隅に私達は居て静かに向かい合っていた。特に話す事が無くても気まずくならない人は素敵だと思う。

そしてそんな空気を出せる人が羨ましいと思う。

私はきっと誰かの傍に居ても恐らく緊張させてしまうから。素敵なオーラを彼女は出せる人だった。 

長い髪と静かな眼を内包する整った顔立ちとボロボロの手、薄い唇。 

「彼氏さんを作らないのですか?」

私は何となく聞いてみた。

彼女は少しだけ上を向いてそして俯いた。

「彼氏ねぇ」

そう言うとまた黙った 

少しだけ空気が変わり何かが 

ピン

と張り詰めた。まるで古いB-211をチューニングするみたいに。

「不倫だったの。子供も堕ろしたし、それでも六年くらい続いててくっ付いたり別れたり」
「・・・でもそのくらいその人が貴方には必要で素敵だったのでしょう?」

私は言った。私が告げると彼女は優しい温和な表情に戻って 

「どうかなぁ」

と言った。

「WHOちゃんなら直ぐ彼氏さんとか出来ちゃうでしょう?モテモテでしょう?」

彼女は少しだけ悪戯っぽくそう言った。 

「モテモテですよ」

私が躍けてそう言うと、一緒になって屈託なく笑ってくれた。

彼女の紺青のブラジャーの肩紐がちらりと見えて、何だか其れはとても彼女の心を象徴しているように冷めた色を発色していた。

「だからね。種を撒くのは私も一緒。私は自分の意志で撒いたものを握り潰したの。男の子だけじゃないでしょ?撒けるし・・・そして・・・それに・・・いいや」

彼女は静かに微笑んで私の頬を触った。

聞く。

と言う事は残酷だ。其れを受け入れなくてはならないから。

彼女はでもきっと何も考えないでそれを私に投げたのでは無いのだろう。私は茫洋とそんな気になった。 

或いは
また
或いは 

○ 都会と田舎の違ゐにつゐて其れとお洒落を語る老人

最近僕は発見した。都会と田舎の大きな差異を。

単刀直入に言おふ。

痰を吐くときの音量と公衆便所でうんちをする時の激しさの違いである。

僕はまた世界の秘密を少し覗ゐてしまつたよふだ。
 
僕が働ゐている場所はお花屋さんだけれど比較的大きな幹線道路に面してゐて、夕暮れなど、寒い時間、時期にも関わらず、結構な繁盛を見せている。

雑談ではあるが、先日何処かの犬が僕の車に小便を引つ掛けてゐるのを目撃した。 

仕事中の僕は苦笑い、引きつった顔で遠くから犬に言つた。

「命拾ゐしたな」

と。

本題である。

田舎は痰を吐く時の音量が半端なくでかゐ。とても大きひ。 

凄ひのだから本当に。 

田舎は。

「カーーッペッ!」

とかでは無ひ。

「ンガアアアアアアアアア ブチャ!!!!!! ンガアアアアアアアアアア」

こふである。 

最後のウガアアアアとかは、人智を遥かに超へるところであるが、実際、本当にこふである。酷ひ時になると、老人同士が連鎖反応を起こし危うゐアンサンブルを巻き起こす。一人一人オリジナルの吐き方がある為それは最早阿鼻叫喚である。

「ンガアアアアアアアアアアア ベエエエエエ!!!!! ンゴオオオオオオオオ」
「ドリャアアアアアアアアアア フエエエエイ!!!!! ンァア・・・(ちょっと感じてひる)」
「ウォオオオオオオオオオオオオオ デェイ!!!!! キシャアアアアアアアアアア(此処までくると嘔吐のよふである)」

所構わず吐きまくる。僕は最初にこれを聞いた時に、時代劇を見すぎているため、感化された昨今元気な老人同士で戦が始まったのかと思つた。 

先日このアンサンブルを聞ひたが奥の盆栽コーナーで其のうちの一人が

「あ、血出よった」

とぼそつと言つた。

早急に医者に行くべきである。植物を弄つている場合ではなひ

もう一つの話しをしよふ 

激しひうんちの話し。

渋谷、上野など、特に大きい駅は遭遇率が高い。僕は以前、用を足そふと、渋谷のトイレに駆け込んだ。膀胱がパンパンで破裂しそふでした。

不運な事に、小用の便器は混雑してひて不幸中の幸ゐか大便器だけが開いていた。僕が瞬間を狙い駆け込もうとしたところ、後ろから中年のサラリーマンの男性が僕を押しのけて大便器に流れ込んだ。僕は押された拍子に少しだけ漏らした 

心配しなくてひひ。

本当に少しだけだから。

男性は

「うっわああああああああ」

とBJORKのファルセットのよふな声を、神聖なトイレ中に木霊しながら個室に篭つた。
ズボンを激しく脱ぐ音が聞え、そしてその直後其れは断末魔の雄叫びに変わつた。勿論、肛門様もフル稼働で働いてゐる為、強烈な耳に残るコーラスを世界にぶまけていた。

「ブギュギュギュギュギュギュ ビョペッピュ」
「うああああああはあああぉおおおおおおお」
「ガサガサガサガサガサガサ」

全員あつけに取られてひる。僕は尿意の事などすっかり頭から消えてしまつた。その時、隣に並んでいた男性が「ムフッ」笑ひ声を漏らし、遂にパンドラの箱を開けてしまつた。

僕は笑い上戸である。 

「ひゃははははははははは」

もう止まらなひ。人間は悪いと思つてゐたり、我慢をしよふとしたり、それをすればするほど、ツボに嵌つてゐくのである。 

僕は止まらない。全力で笑ってしまった。それでも中からはフルコーラスが聞こえてくる。

ごめんね?オジサン。

僕はそしてまた少し漏らした。

そんな事を思い出しながら花屋で働ひているとゐつも盆栽を委託販売しにやつて来るオジサンが来た。 

彼はシンパクを納品に来た 丁度僕しか 外の売り場に居なくて 僕が対応した

「寒いのに毎日ご苦労様」

彼はゐつも若造の僕を気にかけてくれ、暖かい飲み物をご馳走してくれる。そしてそんな 彼はとてもお洒落だ。還暦過ぎの彼はレンジローバーで盆栽を運んできて今日はダナーのブーツを履ひていた。

「松吉さんはいつもお洒落ですね。奥さんが服を用意してくれるのですか?」
「WHO君。お洒落ってのはさ、服装だけじゃないんだよ。外面も内面も全てなんだ。この盆栽だってそう。俺が作った盆栽がもしダサかったら俺もダサくなる。全てにおいてアンテナを立ててできる限り受信をして自分と照らし合わせる。でも照らし合わせて呑まれるんじゃなくて、ジブンを其処で擁立するんだ。何でも・・・そして一番大きなのは。中だよ。お洒落つてのは内から来るんだ」
「そして・・・人が其れを勝手に解釈、判断する」
「どれだけ現象を通過して、経験して自分を磨けるか。俺はそう思ってる。あゝ妻は逝っちゃったよ。彼方に」

○ 天国からのラブレター

拝啓

お元気ですか?変わりはありませんか?貴方の事だから きっと 相変わらず風邪を引いて 長い人差し指で 米神を揉んで そして お花を弄って歌を唄っているのだと思います 

変わらず きっと 貴方の歌は 寂寥と 暖色と そしてそれらは伝染して 街の隅に届いているのだと思います

貴方を看取ると言った私は大嘘つきで 先に死ぬと 笑いながら話していた貴方を 残して 先にキテしまいました 此処での 生活・・・(生活感なんて 実は殆ど無いのだけれど)は悪くはありません 貴方と居た時間は本当に幸せでした 何も後悔も無いし 毎日 超低血圧な私が朝起きるのが楽しくて仕方なかった 

でも 一つだけ 心残りがあるとすれば 貴方 です 
もっと ずっと 貴方の傍に居て 優しい夜のギターを聴いて 狂ったように笑う笑顔を見て ちょっとの事で 拗ねる貴方をあやし 夜更かしをして 沢山抱いてもらいたかったです あぁ 私 文才無いな もっと 色々な事が書きたいのに 

でも これは本当に正直な気持ちです

貴方を死んでも愛してます(信憑性あるでしょう?)

本当に

ありがとう

敬具





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