mixiユーザー(id:2129235)

2013年03月14日07:02

3 view

「これだけは知っておきたい 史的イエス」

 図書館本「これだけは知っておきたい 史的イエス」を読了。歴史的イエスに興味があるので、入門書として読んでみた。

 入門書と言うには難しい本。本格的な専門書ではないけどね。ノンクリの素人である私が読むと少し辛かった。翻訳がこなれていないし。専門用語とか訳されず放置(聖書事典など色々辞典や事典を引いても載ってない)されてる。外人の書いた本って、翻訳が上手でもワケガワカラナイことってよくあるけど、この本は翻訳も下手。

   ※ 翻訳者は、こなれた訳にして正確性が失われるのを恐れたん
    でしょうけど。でも、以前も書いたとおり、正確に読みとりた
    い人(専門家など)は、英語の本の場合、原文で読むべき。
    英語の本を訳すんなら、想定読者は素人なんだから、こなれた
    訳にしないと意味がない。

 しっかも、私が興味のある「歴史的イエス」と、普通のクリスチャンが抱いている「信仰的イエス」との中間的な「史的イエス」
   (この本の中ではロクに定義してないけど。史的イエスとは、
    「大枠の結論≒キリスト教は概ね正しい」を前提として、
    手法だけ歴史のものを使ったイエス研究、くらいが定義
    かなぁ)
についての本だし。少し不満はあったけど、それでもところどころに面白い点があった。


 例えば、

・イエスは、敬虔な(当時の祭司たちより原則的な)ユダヤ教徒だったので、律法どおり過越祭に参加しようと(処刑される可能性が高いと予め承知していたのに)エルサレムに行った。

・イエスの教えの大半はユダヤ教に存在する。また、おそらくイエスの教師だった洗礼ヨハネ(この人はイエスの親戚。従兄弟もしくは又従兄弟)に教わったもの(特に、言い回し)もあるだろう。イエスのオリジナリティは、比喩や強調点。神の支配が近いよ、備えなさいと強調したところなど。(あと、より平等主義的なところもか←これは私の感想)

・イエスは、十字架ではなく石打ちの刑で処刑されることを予期していた。聖書中の十字架を予測していたかのようなイエス発言部分は、弟子らによる後世の創作の可能性が高い。

・最後の晩餐のメニューが「種なしパン」と、ワインではなく「ぶどう液」なのは、過越祭の前夜は発酵食品を食べてはイケナイという律法があるから。

・イエスが神殿内で暴れたのは。広義の私生児"マムゼル"(ユダヤ人の子ではない、もしくは正式な婚姻期間に出来た子ではない、あるいは日本語の私生児などを含む概念)であることがバレて、律法により神殿への立ち入りを禁じられたからである可能性がある。本来イエスは、神殿の祭儀も尊重する人だった。

・イエスの奇跡物語は、癒しの奇跡についてはイエスの反対者も証言しているし複数原文献で一致するので、史実であろう(他の種類の奇跡については、この著者は何の根拠もなく史実だろう、としている)。

・使徒トマスは、イエスの双子の兄弟という説がある("トマス"とはそもそもアラム語で"双子"の意味)。



→ ...私ゃ、イエスが復活しただの各種奇跡の一部は、このトマスと組んでの手品だったかも?と言う気がするんですけど。。。

 あるいは、イエスを逮捕しようとローマ兵がやって来た時。イエスを救おうと思ったユダは、ローマ兵にはトマスの方を指差し「あいつがイエスです」と言った。トマスも従容と死に就き、影武者の役割を果たす(復活のイエスがトマスと会ったという部分などは、それを隠すための弟子の創作、という。まぁ歴史SFですね)。本物のイエスの方は逃げおおせ、パウロと名を替えて布教に歩き、、、

 とまで妄想を膨らませたら、イエスはパウロと違ってギリシャ語を解さないから、これは流石に無理があるねー(苦笑)。歴史SFとしても苦しい。イエスが実はギリシャ語も解したのだ、としないと。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する