水道橋パチモンシリーズ(駄犬コラム)

あやしい誘いにご用心！ 就活生をねらう甘い声
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水道橋駅東口には奇妙な連中がたくさんいる。それは東京ドーム・LaQua(遊園地)の最寄駅であるからだ。
まずダフ屋だ。EXILEのパチモンみたいな格好したガラの悪い兄ちゃんが｢チケット売るよ｣と若いお姉さんに声を掛けている。

次に怪しいアイドルグッズを売る出店だ。どう見てもパチモングッズなのだが、なかなか儲かっているようだ。

さらに｢謎の募金集団｣だ。彼らは知的障害者をこき使い、募金をピンはねしまくるパチモンボランティア団体である。

ようするにアイドルファンや観光客を狙っている連中である。チケットやグッズはファンなら欲しがるのも当然であるし、財布の紐が緩い観光客からなら募金も集めやすい。

さて、そんな水道橋駅であるが、もう一つ特徴がある。大学、専門学校が複数存在する学生街だということだ。くわえて東京ドームでは就活イベントも多く開催される。そのため、そういった学生を狙う連中も水道橋東口にはいる。
就活に有利と英語教材を売り付けるビジネスマン風の若い男女がそうだ。
しかし、冷静に考えるとかわいそうな人達だ。誰が好き好んで、道ばたで英語教材なんか売り付けたいと思うだろうか？第一志望で目指す職種ではまずありえない。バイトかもしれないが、それはそれで年齢的にきつい。
昔・・・そんな人に悪いことをしてしまった。
大学一年生の時、素晴らしい英語教材があるから話を聞いて欲しいと言うお姉さんに声を掛けられた。
それでこう返してしまった。
｢お姉さんは相当、英語に自信がお有りのようですね？ならbookの動詞の意味は？これを答えられたら話を聞きますよ？｣

｢・・・ごめんなさい。わからないです。私、実は短大を卒業したばかりで・・・一生懸命勉強してるんですけど｣

意地悪な事をしてしまった。bookの動詞の意味なんか普通知らない。多分、就きたくもない職に就いてしまって・・・、それでも仕事しなくてはいけない・・・。
仕事内容はともかく、そのタフさを見習おうと思った。