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2013年01月26日10:21

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9条は悪くない

■「日本人出ろ」国籍で選別、先頭車に…人質事件
(読売新聞 - 01月26日 06:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=20&from=diary&id=2301705

どうも理解に苦しむのだが、この人質事件を巡ってここぞとばかり9条を批判する連中がいる。しかし、この事件、その原因も経過も帰結も9条とは正反対の価値観がもたらしたものであることは明白である。

武装勢力が今回の挙に出た背景は、フランス軍によるマリへの軍事介入だという。言うまでもなく9条は、こうした軍事介入による国際紛争の解決を否定している。こうした行動は悲惨な結果をもたらすだけで、平和に貢献しないとするのが9条の認識だ。

そして武装勢力は人質をとって、こうした軍事介入に抵抗した。これまた言うまでもなく9条の精神は人質をとっての交渉など認めてはいない。そもそも「武装」勢力であることを否定するのが9条である。

そういう武装勢力に対してアルジェリア軍は、軍事力を行使して人質に犠牲を出しながら鎮圧した。9条の精神から言えば、アルジェリア・フランス側もこの場合、マリへの軍事介入を控えて、あくまでも交渉により人質解放を目指すことになる。

大体、軍事行動に訴えた結果、人質に犠牲者が出たのだから、論理的には「軍事力が人命救助の役に立たなかった」と結論づけられなければおかしい。むしろ、人質の命よりも軍事行動による鎮圧が優先されていることに、軍事力の本質を見るべきなのである。

どういう理由で今回の一件が9条の無力にすり替えられるのか意味不明である。自衛隊がアルジェリアに赴いて、アルジェリア軍と一緒になって攻撃を仕掛けたら、人質は無事だったとでも言うのだろうか。そんな空想的な展開の方がよほどありえないことだ。

今回の一件は「軍事力による国際紛争解決が悲惨な結果しかもたらさない」という9条が前提とする認識が、悲しいかな証明された事例である。どの段階をとってみても、9条の精神とは相反する行動が選択されている。しかも、武装勢力側とアルジェリア・フランス側双方においてである。

力には力という発想が、植民地主義を生み、武装勢力を育て、人質を殺めたのである。そんな事件を9条のせいにするなど濡れ衣もいいところである。
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