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2013年01月04日00:42

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【バレエ】ハンブルクバレエ 幻想-白鳥のように

ハンブルクで3回、同じ演目を観てまいりました。キャストなどは下記の通り。

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー
指揮:サイモン・ヒューイット
演奏:フィルハーモニカー・ハンブルク

●12/26水 14:00-

The King: Riabko
Princess Natalia: Agüero
The Man in the Shadow: Jung
Odette: Azzoni
Princess Claire: Laudere
Count Alexander: Revazov
The Queen Mother: Polikarpova
Prince Leopold: Urban
Prince Siegfried: Ballone

Solo-Violine:Thomas C. Wolf

●12/26水 19:00-

The King: Bordin
Princess Natalia: Bouchet
The Man in the Shadow: Franconi
Odette: Laudere
Princess Claire: Zanotto
Count Alexander: Trusch
The Queen Mother: Tichy
Prince Leopold: Urban
Prince Siegfried: Pohl

Solo-Violine:Konradin Seitzer

●12/27木 19:00-

The King: Bordin
Princess Natalia: Bouchet
The Man in the Shadow: Franconi
Odette: Laudere
Princess Claire: Zanotto
Count Alexander: Trusch
The Queen Mother: Tichy
Prince Leopold: Urban
Prince Siegfried: Pohl

Solo-Violine:Joanna Kamenarska-Rundeberg


今回の主目的の一つがこの演目を観ること。念願かなって大好きなサーシャ=Riabko の The King が観られて超幸せでした♪♪♪

ノイマイヤーのこの作品、古典の白鳥の湖の音楽と踊りのモチーフを一部使いながらも、ストーリーはまったく違うものになっています。主役のThe Kingはワーグナーの熱烈なパトロンであり、ノイシュヴァンシュタイン城をつくったことで知られるルートヴィヒ2世。と聞くと音楽はワーグナーじゃないの?とも思いますが、ルートヴィヒ2世が憧れていたというローエングリンの白鳥の騎士を巧みにバレエの白鳥に読み替えているあたりがさすがノイマイヤー。王が幽閉されるシーンから始まり、ノイシュヴァンシュタイン城の築城シーンからそれまでに至る彼の苦悩が、現在と過去の回想、劇中劇などのノイマイヤー得意の構造で表現されていきます。これより後の彼の傑作、ニジンスキーの原点?ともいうべき作品のような気がしました。ニジンスキーと違うのは、彼の苦悩だけではなく、彼の婚約者ナタリア王女の報われない切ない愛情がストーリーの半分を担っているところでしょうか。

さて3回観たうち26日、27日のソワレは同じキャストで王はティアゴ・ボアディン。26日のマチネだけ、王はサーシャ=リアブコでした。この二人だけの比較でいけば圧倒的にサーシャがいいです。サーシャは憑依系のダンサーで狂った役をさせたら天下一品。舞台が進むとともに踊りはノーブルなものから激しいものになっていく。彼の回転や跳躍、リズム感は完璧で激しくなっても踊りはあくまできれいにバレエなのですが、目はどんどん焦点が定まらなくなり虚空を見つめるようになっていく・・・。うーん、サーシャの魂の入った演技&踊り本当に大好き!私がルートヴィヒ2世のことを知ったのはヴィスコンティの映画なのですが、そこで描かれている王のイメージにぴったり。ティアゴは踊りは上手なのですが(といってもテクニックでもサーシャ方がまだ上)、狂った感じがないんだよなあ・・・。

しかーし、ナタリア王女はエレーヌ・ブシェが素晴らしかった。サーシャの出演回は王のストーリーに見えるのですが、ティアゴ&エレーヌの組だとナタリア王女のストーリーに見える。高貴な生まれで頭のいいお姫様が自分のプライドを捨てても彼の愛を得ようとするのに、結局彼とは住む世界が違いすれ違う。。。そんな幸薄い役ですが彼女にはぴったりはまるのです。サーシャ&エレーヌだったらどんなに濃密な作品になるのだろう。観てみたい。

他のキャストでは、サーシャの回でお母さん役を演じたアンナが素晴らしかった。彼女は踊りも上手いけどとにかくオーラが凄い。あまり踊っていなくても何か目を引き付けるところがあって、女王役はぴったりでした。王とナタリア王女の不幸なカップルの対極にいるCount Alexanderとその婚約者は、トルシュ&ザノットの方が幸せ感が出ていてよかったなー。本当のカップルはレヴァゾフ&ラウデレなのにね。そうそう、シルヴィア・アツォーニのオデットも素晴らしかった!彼女はどちらかというとコンテ向きのダンサーだと思うのですが、白鳥をあんなにきれいに踊れるのですねー。ザ・クラシックではないけれど、手先足先のすみずみまで意識が行き届いていて美しかったです。

でも3回とも舞台の完成度としては満足できるもので、とても楽しかったです。この作品、本当によくできているなー。


さて、ハンブルクでまた新しい日本のバレエファンの方とお知り合いになりました。某大学で助教授をしていらっしゃる女性で、平凡社の「バレエとダンスの歴史」の一部も執筆なさっているそう!彼女とホテルで朝ごはんをご一緒していたら、気が付いたら11:30になってたりして。楽しかったな〜。

(ベルリンのオペラに続きます。)

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