mixiユーザー(id:23621043)

2012年12月15日10:32

92 view

20121212 原発事故は終わっていない〜小出裕章さんインタビュー OurPlanet-TV

野田総理大臣が、東京電力福島第一原発事故の「収束」を宣言してから間もなく1年となる。しかし現場では、毎日のように汚染水漏れが起きるなど、厳しい状況が続いている。
 
今、この事故について、どう考えるべきかー。方向転換できない政界、経済界。米国と日本の関係。大飯原発再稼働問題。たね蒔きジャーナル。子どもたちの避難。
京都大学の小出裕章さんが思いのたけを語った。

◆配信元 OurPlanet-TV 協力:城南信用金庫
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1498





【内容文字起こし】

今・・・起きていることというのは、私から見ると、あまりにもひどいこと・・・が起きているんですね。例えば、猛烈に汚染してしまったところがあって、人々が・・・追い出されている。そして帰れないのです。これから何十年も。そこの土地が、なくなってしまったという、そういう状態なのですね。

かつて日本は戦争をして、負けましたけれども、国家が戦争で負けても、土地はあった。ですから「国破れて山河在り」だったわけで、人々は生きてこられたわけですが、放射能で汚染された所は、土地は、失われてしまう。誰もそこを使うことができないという、そういう土地になってしまっているわけですね。戦争が起きても生じないような、ひどい被害が、今現在生じている。そしてその周辺に、何百万人もの人たちが、捨てられて、今現在も被曝をしながら、生活せざるをえないと、いうことになってしまってるわけで、そういう人たちの、苦悩、重荷、というようなものを、どうやって・・・量ることができるのか。金銭的なことも含めて、量ることができるのかと考えると、もうどうにもならないひどいことが既に進行していると思う・・・私は思う、のです。

しかし、本当に不思議なことだと思うのですが、政治の場、あるいは経済の場にいるという人たちは、それを感じない人たちばっかりのように思うのですね。新しい原子力規制庁なんてものを作ったと、いうことになっていますけれども、私から見ると本当にお笑い種・・・です。今までの原子力村に君臨してきた人たちが、また委員になって、日本には原子力基本法という法律があって、平和利用に限るという文言は付いていますけれども、原子力を進めるという、法律があるのですね。その下でやはりまた、原子力を進めてしまうということにならざるを得ない、のです。もう少しまともな人に委員になって欲しいと私は思いましたけれども、でも誰がなっても、同じです。この国の基本をやはり、変えなければ、いけないということに、もっと多くの人に気が付いて欲しいと思いますし、せめてこれまで原子力の旗を振ってきた人々は、自分の責任というものをもっときちっと自覚して欲しいと、私は思います。


●変わらぬ原子力ムラ(3:35〜)

原子力・・・の世界で起きてきたことを見ると、(強調して)本っ当に戦争とそっくりだなあと、思います。一度、私自身もそうでしたが、原子力に夢を持ってしまったことがありました。ほとんどの日本人はみんな原子力に、夢を抱かされたわけですし、政治の場にも、経済の場にも、原子力に夢を持ってしまった人はたくさんいたはずだと思います。そして、一度原子力に足を踏み込んでしまうと、それがいかにひどいものだということ・・・が分かっても、それに異を唱えることができなくなってしまうと、いう状況だと、思います。

先ほども聞いていただいたように、福島の事故という、あまりにも悲惨なことが起きてしまった今でも、原子力から足を洗うことができないと、いうような人たちが、政治の場にも経済の場にもたくさんいる・・・んですね。何でここまで来て気が付かないのかと、私は思いますけれども、多分、一度動き出してしまった、社会の仕組み、あるいは巨大な流れというものは、そう簡単には止められない。それは、日本という国内だけの問題ではなくて、世界全体の政治の流れというものの中にも、組み込まれてしまっていて、まあ日本という国は私は米国の属国だと思っていますけれども、米国は日本に原子力を売り付けるため・・・(言い直す)売り付けることで金儲けをしてきた国ですし、原子力というのはもともと「核」と私たちが呼んでいるものと同じもので、米国は日本に、核を、一部分力を持たせることで、中国等の国と対抗させようとする思惑もあるはずであって、容易なことではこの流れは変わらないだろうと、思います。

残念ながら私の力などは全く非力で、何を言っても、何もできないまま、ここまで来てしまった、わけです。おそらく今後も、私の力などは圧倒的に非力だと、思います。でも、唯一希望があるとすれば、今、多くの人たちが、自分の頭で考えて、自分の足で立って、自分の意思を表明するという行動を、あちこちで起こしてくれるようになってきた。東京でいえば毎週金曜日に首相官邸デモというのが、まだ続いていますし、関西でも、関西電力に対する抗議行動が、そこら中でそうやって、誰から動員されるのでもない。誰から命令をされるのでもない、自分の意思で自分の発言を続けるという方々が、今、生まれてきてくださっていますので、そういう力がもっと大きくなっていくならば、(しばらく考えて)・・・本当かどうか分かりませんけれども、原子力を止められる日が来るかなあと、少しは期待しています。


●大飯原発(7:28〜)

原発全部止まると、電気が足りなくなると言って、関西電力の大飯3号機4号機を再稼動させました。2つ合わせて270万kwですけれども、大飯の原発を再稼動させた途端に関西電力は、300万kw分の火力発電所を停止した(笑)。それだってちゃんと電気は足りる。もう当たり前なんです。もう政府の統計データはそれをもうきちっと立証していて、原子力発電なんていうのは即刻やめても、電気が足りなくなるなんてことは絶対ない、のです。それを、東京電・・・(言い直す)まあ電力会社、あるいは政府が嘘をついて、国民を脅かして、再稼動を認めさせた。

まあ橋下なんていうのは初めから期待もしてませんけれども(笑)、でも橋下にしたって、大阪・・・市長ですね今の。それにしたって、停電するぞと脅かされたら屈服して、「負けました」とか言ってしまうのですね。まあ本当に情けない人たちだと、思いますけれども、電気という・・・電気が足りるか足りないかという議論である限りは、もう決着がついています。原子力は要りません。

では原子力をやめたら電気代が上がるかと言えば、短期的には、私は上がるだろうと思います。なぜなら、既に建ててしまった原子力発電所を使わないで、火力発電所を使うしかないのです。火力発電所を使おうとすれば燃料が要りますので、燃料代がかかるだろうと思います。でもそれがいったい何なんだ(笑)、と私は思います。これまでだって、国や電力会社は原子力発電が一番安いとか言ってきましたけれども、それは彼らが都合のいいシナリオ書いて、計算しただけの値であって、先ほども聞いていただいたように、電力会社の実際の経営データを使って計算すれば、原子力は元々から一番高かった、のです。

ですからそんなものを選択しなければ、日本の電気代はもっともっと安かったし、中小企業の人たちはもっともっと楽に、生産活動ができたんです。それを日本の政治、あるいは電力会社が、あまりにも愚かな選択をしたが故に、高い電気代に既になってしまっている。そして挙句の果てにこの事故を起こして、いったいどれだけの負担を、負わなければいけないのか。東京電力なんていくらやったって簡単に倒産します。結局は今日本の政府が国の金を注入してなんていうことをやってるわけですけれども、みんな私たちの金ですよ。中小企業だって汗水垂らして働いた利益をみんな、電力会社の不始末のために奪われていってるという、そういうことになっている。

そして、これも先ほど聞いていただいたように、自分が始末のできないゴミを、どんどん作り出して、それを10万年100万年の・・・未来まで、後の世代まで押し付けなければ成り立たないという、もう一体いくらお金がかかってしまうのか分からないこと・・・今たまたま私たちの、時代の、享楽的な生活を支えるために、選択しようとしているのですね。どうしてこんな馬鹿げた選択ができるのか私にはさっぱり分からないし、ちょっとぐらい電気代が、今短期的に上がりますよと言うなら、もちろん受け入れるべきだと、私は思います。

ただ、困る人たちはいるのです。電力会社ですけれども、既に持ってしまった原子力発電を、即刻廃絶するというのであれば、全てが不良資産になりますので、電力会社、まあ日本中の電力会社、沖縄電力はいいですけれども、それ以外の会社はたぶん倒産すると私は思います。でも仕方がないのですそれは。一刻でも早くやった方が、まだ傷が浅いです。これからやればやるだけ彼らは、重荷を背負わなければならないし、その重荷のツケは結局私たち国民が払う、のです。今、日本中の電力会社全部倒産させてもいい。それだけの負担を今の世代で引き受けるしかないと思うのが、いいと思います。


●子どもたちを放射能から守る(11:38〜)

一番いいのは、逃げることです。放射能を相手に戦ったって勝てません。向こうは・・・強いです(苦笑)。いくらやっても消せない。人間が戦っても。逃げるしかないのです。ですから本当なら、日本の法律が、あるわけで、放射線の管理区域にしなければいけないような人々に・・・(言い直す)地域に、人々が住むこと自身がいけないことなわけですから、そういう汚染地帯から全ての人が私は逃げて欲しいと、思います。子供も含めて。

でもそれができない・・・現実が今目の前にありますので、それなら、どうやったら子どもたちを被曝から守れるかと、いうことを考えなければいけない。考えることが大人の責任だし、思いついたこと何でもやるべきだと、思います。そしてたくさんあります。例えば子供には、できる限り汚染の少ない食べ物を、与えるということは、やらなければいけないと、思います。

でも、今現在日本の国は、それをやろうとしていない、のですね。ある基準を決めて、基準以上のものは撥ねるから安心しろ、基準以下のものはもう安心しろと、言ってしまう、わけです。今日本の政府が決めている日本の基準は、1キログラム当たり100ベクレルです。お米でも何でもそうですけれども。じゃあ、99ベクレルのものは安全なのかと。90ベクレルのものは安全なのかと言われたら、もちろんそんなことは全然ない、のです。

もともと日本のお米なんていうものは、福島の事故が起きるまでは、1キログラム当たり0.1ベクレルしか汚れていませんでした。それを100まで許すということは、1,000倍許してしまうということなんですね。そんな食べ物を私は子供に与えていいとは思わないし、何とかそれをやらないで済むようにしたいと、思っています。

ところが今、それができない、のです。今、例えばここにお米が来る。このお米がいったい1キログラム当たり何ベクレル汚れてるかということを、知ることができないのです。私は知れます。測ればいい。私が自分で、測りたければ。でも私が測れる量なんてのは知れてるわけだし、日本中にいる子どもたちを、守る・・・守ろうとしても、私にはそんな力もないのですね。で、今多くの人の・・・地域では、自分たちでそれを測ろうとして、放射能の測定室を作って、やって・・・いる人たちがたくさんいます。ありがたいことだと私は思うし、そういう動きが広がっていって、少しでも子供の被曝を少なくできる、少なくするということは、必要だと思います。

でも、私たちが汚染と呼んでいるものは、もともと東京電力福島第一原子力発電所の、原子炉の中にあった放射性物質なんです。もともと東京電力の所有物だった、のです。それを東京電力が嘘をついてばら撒いて、食べ物でも何でも汚れてしまっているわけです。本当であれば、自分の所有物がどこにどれだけ汚染を広げているかということは、東京電力こそが、それを測定して、人々に知らせる責任があるんだと、私は思い・・・ます。


●メディアと原発(15:26〜)

昔・・・、大宅壮一さんという・・・人が、テレビが日本で、どんどん広がってきた時代に、テレビのことを、一億総白痴化の道具だと、言ったことがありました。

私は本当にそうだと、思います。今の日本人、たぶん多くの人は、職場でも、家でも、テレビを点けて、見たくない時間もテレビがついていて、たまたま点いている映像が、ちょっと面白くないと、ガチャガチャガチャと、チャンネルを変えてみて、また少しでも面白いところで見ている。それもまた面白くないとまたガチャガチャと変えてテレビを見ていると。テレビを見るために人生が終わってしまうというような(笑)、そんなような・・・生活をしているんではないかなと、私は思ってしまいます。それはあくまでも、向こうから与えられる情報だけを、見ているのであって、自分が何が大切で、自分にとって大切な情報を、自分の力で取っていこうという姿勢が、次々と奪われていってしまった歴史なんだと思います。

そしてそのテレビ、あるいはメディアというのは、丸ごと飲み込まれていた。もともと。国家や、経済界に。東京電力という会社は、日本を代表するような巨大な会社でした。でも、その東京電力が、政治家に金をばら撒いて政治を牛耳って、マスコミに金をばら撒いてマスコミを牛耳って、原子力発電所だけは安全ですという宣伝を、ずーっと流し続けてきたのですね。

マスコミも全くそれに抵抗できないまま、スポンサーの意向のままに、情報を流すという。マスコミが、テレビを中心に、新聞もそうだと思いますけれども、ずーっと続いてきてしまった。それが、もう生活というか、企業のあり方というか、マスコミのあり方というか、完璧に染み付いてしまったがゆえに、そこから抜け出ることができないのだと思います。


●たね蒔きジャーナル(18:30〜)

毎日放送のたね蒔きジャーナルという、番組・・・に、私は去年の3月14日から、出してもらえました。それまで私の意見を拾ってくれるマスコミなんていうのはまずはなかった、わけですけれども、ようやくに、私の意見も、いわゆるまあマスコミの一部で、拾ってもらえるようになって、私は大変ありがたかったし、毎日放送に感謝しています。

そして、私から見ればありがたいことに、関西だけでなくて、関東や東北の人たちも、その毎日放送をどうやって聴くのか私にはよく分かりませんでしたけれども、ちゃんと聴いてくれる。そしてそれを何かインターネットで流してくれる人たちもいて、世界中で何か私の発信を受け止めてくださると、いうようなことが起きて、本当にありがたいことだと、ずーっと思い続けて、きました。

ですから私は、たね蒔きジャーナルに対して、感謝の気持ちしかありません。もう本当にこれまで1年半近く、え・・・場所を提供してもらって、ありがたいことだったと思っています。

しかし、もちろんそれを面白くないと思う人たちは、必ずある。もちろん、原子力村はそう思っただろうと思いますし、関西で言えば関西電力だって、面白くないと思っていたに違いありません。

しかし、関西電力が、まあ例えば関西電力が、毎日放送に対してたね蒔きジャーナルを潰せと、要求したのかといえば、たぶんそうではないだろうと私は、思います。そうではなくて、毎日放送という・・・一つのまあ巨大なメディアとして、これまでずーっと作ってきてしまった、姿勢・・・というか、会社のあり方と、そのものが、自主規制すると。国家、あるいは巨大な産業の進めていこうとする流れに対して、自己規制をしたのだろうと私は今推測しています。それが本当かどうかはよく分かりませんが、たぶんそうだろうと思います。

そして、そのことこそ一番危険なことだと。自分が本来やるべきことを忘れてしまって、メディアが、メディアの、やるべきことを自分から投げ捨てると、いうことが一番危険なことだと、私は思いますので、何とかまた、毎日放送にも、たね蒔きジャーナルを復活させて欲しいと思いますし、毎日放送だけでなくて、他のメディアも、本当に自分たちの仕事は何なのかということを、もう一度考え直して欲しいと思います。

【文字起こし終了】


小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

NEW来年のGW、小出さんにまた会えるわーい(嬉しい顔)
小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する