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2012年12月11日23:25

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【文字起こし】ペイフォワード環境情報教室 2012.12.11 小出裕章氏

先週金曜日の地震による原発の影響についての話です。
福島第二原発1号機で作動した非常用ガス処理系のことも分かりやすく解説されていますが、なぜ作動する必要があったのか、原因は報じられることもなく謎のままです。

【告知】12月14日(金)MBS『報道するラジオ』に小出裕章さんが出演!
http://www.mbs1179.com/hou/c_dmado/




【内容文字起こし】

サワダ:みなさんこんにちは。市民発信メディア、8bitニュースがお送りします、インターネットラジオ『ペイフォワード環境情報教室』聴講生のサワダです。私たちの世代は、次の世代に何が残せるだろうか、まずは知ることから始めたい。そのために本当の情報を知りたい。そういう願いからこの番組がスタートしました。このラジオ番組では、良心ある専門家をお招きし、旬な話題を分かりやすく解説し、次の具体的なステップへ繋がる未来志向の提言をいただきます。Facebookなどで皆様からのご意見ご質問を最大限反映して、今私たちに本当に必要な環境情報をお届けします。第11回目の今日は、京都大学原子炉実験所の小出裕章先生をお迎えして、12月7日金曜日に発生した、宮城県沖の地震による、女川原発ならびに福島第二原発の影響について、ご意見をいただきました。

サワダ:本日のゲストは小出先生をお招きしております。よろしくお願いいたします。

小出:はい。よろしくお願いします。

サワダ:はい。あのー・・・先週のですね、金曜日になります。えーと先週の金曜日の夕方にですね、宮城県沖で震度・・・5ですね。5となります大きな地震がございまして、それを受けまして、その周辺での原発の状況がどうかということが、あの・・・私も皆さんも不安でいたかと思うんですけども、そんな中、2点ほど情報が入ってきておりまして、

小出:はい。

サワダ:一点が、女川原発。こちら福島第一じゃなくて女川原発の、冷却プールの水位の異常警報が出ていたと。こちらは原子力規制委員会からの、メーリングリストによる情報が出ておりまして、

小出:はい。

サワダ:で、こちらの中で・・・設備に異常はないと申しておりましたが、1号機、PLRの上部の振動台の警報、3号機使用済み燃料プールの水位高低の警報が発表されました。

小出:はい。

サワダ:その後、設備に異常がないことが確認され警報は解除されましたと、いうニュースが一つ。

小出:はい。

サワダ:もう一つがですね、ちょっと若干その、ソースとしては弱くて大変恐縮なんですけども、こういう情報があったということでお話しすると、福島第二原発1号機で、夕方5時23分、地震後に、運転員が圧力の動きを見てやや不安定な動きに感じ、運転員の判断で念のためにSGTS(非常用ガス処理装置)を、手動で起動したことが明らかになりました、というような情報がありまして、

小出:はい。

サワダ:ですが、NHK等大手マスメディアを見てますと、基本的には、確認したところにより異常はないと、いうようなことばかり出てまして、あの・・・基本的に何か異常があったものの、大きなことではないというような表現が・・・正しいのかなと思うんですけども、この点については先生、いかがですか?

小出:そうですねまあ、報道のし方ということについては、今サワダさんがおっしゃったように、原子力を推進してきた側からは、何か常に異常無しという、そういうメッセージしか、届かないのですが、どういう・・・ことが起きたのか、それがどの程度異常なのか、そして、仮に異常だったとしても大事には至らないのかと、いうように細かく・・・報道すべきだと私は、思います。で、ただ今回・・・今サワダさんが私に教えてくださった、異常の内容というものを見る限りは、大きな異常だとは私は思いません。え・・・女川の原発で、振動台の警報が出たり、プールの水位高低の警報が出たということは、地震が起きて建屋が揺れれば当たり前のことですので、むしろ警報が出て当然。そのあときちっと調査をして異常を・・・あるかないかを、見るということがもちろん求められるわけで、見た上で異常がなかったということであれば、それでいいだろうと私は、思います。

小出:それから・・・福島第二原発の1号機で、建屋の内部の圧力がどうも高まった、ということのようなのですね。で、それも原因が私には分かりません。何か異常なことが起きたのだろうと思いますが、え・・・建屋の内部の圧力が、外部の圧力よりももし高くなってしまいますと、例えばその扉を開けてしまうと内部から、空気が外に向かって吹き出してしまうわけで、建屋の内部は放射線の管理区域で、放射能で汚れた空気が入っている場所ですので、え・・・内部から外部に空気が流れるようなことは、あってはなりません。ですから必ず、え・・・内部は外部よりも、圧力を低く保っておかなければいけないということになっていて、通常運転時・・・も、常に、建屋の内部は、外部に比べて低い圧力に保てるように、え・・・運営されて、います。つまり、内部の空気をフィルターを通して、外部に放出しながら、放射能は、できる限り外に出さないということをやっている、わけです。

小出:え・・・今回、地震によって内部の圧力が外部より高くなりそうになってしまったので、非常用のガス処理系を動かして、内部の圧力を低く保とうとしたと、いうことでこれもあの・・・やり方としては真っ当だと、私は思います。問題はどうして、内部の圧力が高くなってしまったのかという、そのこと・・・をしっかりと調査をするということだと思います。

サワダ:そうですか。そういう意味でいうと、まあ今回は原子力規制委員会からのメーリングリストというのが、非常用で、皆さん個人でもですね、登録できるようになっておりまして、

小出:そうですか。はい。

サワダ:はい。で、できればこれ、あの・・・関心ある方はぜひ、皆さん登録していただいて、携帯電話のメールと、いう・・・のみ対応してるという、普通のメールアドレスは対応してないそうなんですけども、

小出:ああ(笑)、そうなんですか。

サワダ:そういう意味で若干制約あるんですけども、そういった形で、個人でも皆様取れるようになってます。

小出:そうですか。私は携帯電話持っていないので、では私のような人間は、情報取れないということになってしまいますね。

サワダ:そういうことになってしまうんですよね。

小出:はい。

サワダ:ですので、まあ、こういった形の情報も一つありますし、こうやって皆さん個人個人で取っていくというのも重要ですけどやはり、あれですね大手マスメディアが必要なのは、これが「異常なし」だけではなくて、さっき先生もおっしゃったように、やっぱり何かしらの・・・専門家による解説があった上での、異常なしと。

小出:そうですね。内容がどういうものかということをきっちりと分かるような形で報道しなければいけないわけですから、大手メディアにもその点、十分気をつけてやって欲しいと願います。

サワダ:そうですね。正直私ども、もう今疑心暗鬼になってまして、なんぼテレビで異常なしって言われてもそうじゃないんじゃないかと。

小出:(笑)

サワダ:いう・・・まさにね、ちょっと困った状態になってしまいますんでね。

小出:そうですね。はい。

サワダ:はい。で、まあそんな中であの・・・今後もですね、こういった形で地震の部分もまだ、ちょっと強めの余震というものも来てますし、もう少し大きいのもいずれ来るんじゃないかと、よく言われてる中なんですけども、やっぱり、先生こういった時にまあ、今後も先生の・・・解説を続けていきたいと思いますけども、また、非常時も当然続けていきたいと思っていますが、

小出:はい。

サワダ:どうしたらいいもんでしょうかね?次もまた大きなのが来たらと、いったときにどんな心構えというものがあるもんでしょうか?

小出:まあ、今・・・今現在で私が一番心配しているのは、福島第一原子力発電所の4号機の、原子炉建屋。

サワダ:はい。

小出:そこに使用済みの核燃料プールというのが、まあ、宙吊りのような形で、今現在はまだ存在しているわけですけれども、大きな地震が起きて、その使用済み燃料プールから、水が抜けてしまうようなことになると、大変な放射能がまた流れてきてしまう可能性があるわけで、それを私は第一に心配しました。

サワダ:はい。

小出:でもまあ今回はそれほどの、え・・・被害にはならなかったということで、まずは胸を撫で下ろしたわけですが、次にまた大きな地震というものも来るかもしれないと、いうことの警告だと私は受け止めていますし、皆さんも・・・次々、多分またこれからも来るであろう地震の時には、情報をしっかりと集めて、注意をするようにしていただきたいと思います。

サワダ:そうですね。またこの、先生も、あの・・・問題だということでご指摘されてましたけれど、原子力規制委員会の会議が前回またございまして、

小出:はい。

サワダ:あの・・・今回まあ色々な委員会等ですね、何か起きた場合にですね、あの、ヨウ素剤っていうんですかね?

小出:はい。

サワダ:こちらの方を事前配布しないと基本的な効果としては薄いと。

小出:多分間に合わないですね。はい。

サワダ:はい。で言われてる中で、あの・・・事前配布すべきでないと。いうようなことを委員の中から、中村委員のようですけども、

小出:はい。

サワダ:お話が出てるというようなニュースが出てまして、まあこういったお話・・・まあ人命軽視と言わないですけども、こういう情報を聞くにつれ、この原子力規制委員会というのがどれだけ機能してないかと思うことが多々あるんですけども、

小出:はい。私もそう思います。

サワダ:私たちとしてはできればやっぱり自治体ベースに、どうにかやっぱりこういうものは用意して欲しいと、いうような要望をしていくってことしかないんでしょうかね?

小出:そうです。ヨウ素剤はもうとにかく、事故が起きて放射能の雲が届く前に飲まなければ、ほとんど効果がありませんので、え・・・事故が起きたからといってそれから配るようでは到底間に合いません。え・・・住民にもう、あらかじめ配っておくということがいいだろうと思いますし、福島第一原子力発電所の事故というのは、私たちがどんなに望まないような事故も、時と場合によっては起きてしまうのだということを教えてくれているわけですから、原子力規制委員会こそ、きっちりと対応しなければいけません。

サワダ:はい。あの・・・SPEEDIの公開、がまず一つで、まず避難経路の選定になるでしょうし、まずは、ヨウ素剤という事前にできることもあるでしょうし、

小出:はい。

サワダ:あとはやっぱり避難ルートの確保という、まあ、こういう大きなことができるはずなのが、いまだにあの・・・福島第一の事件を経ても、教訓として生かされてない気がしますよね。

小出:はい。全く生かされてませんし、まあ、もともとの原子力村の人たちが相変わらず、牛耳ってるわけですから、このような状態をとにかく、ん・・・少しでも改善しない限りは、ダメだろうと思います。

サワダ:はい。まあ今、まさに総選挙の真っ只中というところで、あの・・・脱原発か否かと、いうところもあるんでしょうけども、まずは、今回こういう福島の第一を受けた教訓を生かした、形にしようという意思のある方が、まあ思いのほか少ないとは言わないですけども、ちょっと、あの・・・既存勢力の方の巻き返しに遭ってるような雰囲気がありますけども、

小出:そうですね。残念ながら私にもそう見えます。

サワダ:はい。まあそういった意味で、まあ有権者がどういう判断をしていくかというような、まさに目の前の課題として、あるような感じがしますね。

小出:はい。

サワダ:はい。今後もぜひよろしくお願いいたします。

小出:はい。こちらこそよろしくお願いします。

サワダ:小出先生には、本番組の原子力コースの主任講師として、これからもご登場を予定しております。未来をつくるインターネットラジオ『ペイフォワード環境情報教室』

【文字起こし終了】


8bitNews ペイフォワード環境情報教室
http://8bitnews.asia/wp/?cat=556

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

NEW来年のGW、小出さんにまた会えるわーい(嬉しい顔)
小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/
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