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2012年12月08日21:57

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【文字起こし】ペイフォワード環境情報教室 20121206 小出裕章氏

原発推進派の言う現実って、いったい何なんでしょうね。
核燃料サイクルは破綻、使用済み燃料プールはもう満杯。
原発ゼロは不可避の現実だということに、なぜ気付かないのでしょうか。




【内容文字起こし】

MC:みなさんこんにちは。市民発信メディア、8bitニュースがお送りします、インターネットラジオ『ペイフォワード環境情報教室』聴講生のサワダです。私たちの世代は、次の世代に何が残せるだろうか、まずは知ることから始めたい。そのために本当の情報を知りたい。そういう願いからこの番組がスタートしました。このラジオ番組では、良心ある専門家をお招きし、旬な話題を分かりやすく解説し、次の具体的なステップへ繋がる未来志向の提言をいただきます。Facebookなどで皆様からのご意見ご質問を最大限反映して、今私たちに本当に必要な環境情報をお届けします。

MC:第10回目の今日は、京都大学原子炉実験所の、小出裕章先生をお迎えして、今回の選挙の争点でもある、原発についてのご意見を頂きました。では本日は、小出先生をお招きしています。よろしくお願いいたします。

小出:はい。よろしくお願いします。

MC:はい。この・・・12月に、総選挙という形になりました今回は、原発。というのを一つの争点にしてるというのは、そんな中ですね、あの・・・ずーっとこの40年間、あの・・・原発について、『反原発』という形を取られている小出先生のほうに、なぜ、その原発がダメなのか、というところについて、ぜひお話いただけますか?原発というのは何でダメなんだと。

小出:はい。

MC:その脱原発の真の意味っていうんですかね。

小出:私はあの、実は『脱原発』っていう言葉は使わない。私はあの、『反原発』ですので、え・・・その根拠を、聞いていただければいいと思います。要するに・・・今その脱原発を言っている政党や人々がいるわけですけれども、そういう人たちに対して、原子力を推進しようとする人たちの主張というのは、そんなこと言っても現実味がないのに、あの・・・架空と言うか、空想のことを言ってるという、そういう批判を、仕掛けてきているように私には見えるのですね。

MC:そうですね、はい。

小出:はい。私はでもあの・・・それでいい、それでいいと言うかですね、原発をやめるというのは、別に新たな代替案を出さなくてももう十分にいいと思っている、のです。もう、原発なんか代替案があろうとなかろうとやってはいけないというのが私の立場ですので、

MC:はい。

小出:はい。あの・・・推進側からの批判は、もう、一蹴すればいいと(笑)いう風に私は思っています。代替案なんて議論なんかする前にまずはやめるということを、私は主張したいし、私自身は、原子力は即刻、全て、廃止すべきだと思っています。

 なぜかと言えば、原子力に手を染めてしまうと、どうしても放射性物質を生み出さ・・・ざるを得ない、のです。原子力発電所の現場では、それを取り扱うことによって被曝ということが起きてしまい・・・わけですが、その被曝を負うのは、電力会社の社員ではなくて、下請け孫請け、さらにはもっとずーっと重層化された、(ため息)本当にその底辺の労働者たちが被曝を強制されてきましたし、今現在でもそうなって、います。

 え・・・何とか原子力発電所を安全に、運転しなければいけないわけで、日常的な被曝ももちろん、生じてしまう。しかし、機械ですから時には事故を起こすと、いうこと・・・で、今回福島第一原子力発電所の事故が起きてしまっている、わけですが、え・・・このような事故が起きるということは、私自身はもちろんずーっと危惧をしていて、大きな事故が起きる前に、原子力はやめなければいけないと言ってきたわけですが、原子力を推進してきた人たち自身も、こういう危険があるということは承知していて、都会で電気を使うのに、原子力発電所だけは過疎地に押し付けるというようなことを、やってきました。

 で・・・さらに、もし、事故が全く起きないで、原子力発電所がその寿命を迎えたとしても、原子力発電所自身が今度は放射能のかたまりとなってしまっていて、その始末をどうしていいか、分かりません。そして、ウランを燃やしてできて・・・できてしまった核分裂生成物という放射能も、私たちには無毒化する術がありませんので、それをこれから10万年、あるいは100万年という長さにわたって、私たちの子どもたちの世代に押し付けていくしかないという、そういうものなのです。もう、どこを取っても、自分の責任では、為しようがない。全て、弱い人たちにしわ寄せを押し付けなければできないというようなものな、わけです。それだけを考えても、原子力にだけは、手を染めてはいけないと私は思いますし、即刻、廃絶して欲しいと願います。

MC:そうですね。本当に、世代間倫理という・・・言われるところもあるんでしょうけども、

小出:はい。

MC:この、無毒化できないというのはこれは・・・原子力の始まったときから、長い歴史の中で過去60年ですかね。ずーっと、まあ、最新の英知を以って進められてきたけど、なかなかできないと。しばらく、これからもできる見込みがないと。

小出:はい。

MC:この状況であるにもかかわらずまだ推進・・・の立場にある国々、特に恥ずかしながら日本という国が今そういう国になってますけども(笑)、これはどういう・・・もう、これは目途というのはいかがなもんなんでしょうかね?

小出:えー、人類がいちばん初めに原子炉を作ったのは1942年で、米国が原爆を作ろうとして、その原爆材料のプルトニウムが欲しいということで、原子炉を作りました。既に70年経っていて、その原子炉を作った当時から、作ってしまった放射性物質を何とか無毒化できなければ大変なことになると、いうことは分かっていて、無毒化のための研究が続いてきたのですが、残念ながら、いまだに、厚くて高い壁を越えられない、のです。70年間研究して超えられない壁というものは、超えることが大変困難なことだと思わなければ、いけません。え・・・当初から、原子力発電所はトイレのないマンションと、言われてきましたが、どんなに豪勢なマンションでも、トイレがなければ住むことはできない、のです。え・・・そんなマンションを作ってしまうということ自身が、間違いなわけで、ん・・・限りなく早く、やはり、抜け出すしかないと私は思います。

MC:はい。あの、そんな中私どもは、広島・長崎を経て、さらに今回、福島第一原発という大きな事故を抱えたわけですけども、そこから1年9ヶ月経って、何となくこの、世の中の風潮として、忘れてしまってるんじゃないかと。あの・・・この放射能による健康被害について、認知が甘いところがあると思うんですけど、この点はいかがですか?

小出:はい。福島第一原子力発電所の事故を受けて、今現在は、およそ1千平方キロメートル、に及ぶ範囲。琵琶湖が1.5個入ってしまうぐらいの、かなりまあ、それだけでも広いのですが、その地域が、国によって強制避難ということで、10万人を超えるような人たちが、ふるさとを奪われてしまっています。でも、本当のことを言えば、え・・・約2万平方キロメートル、という・・・広さのところを、日本の法律に従って、放射線管理区域に指定しなければいけないほどの、汚染が受けて・・・(言い直す)汚染を受けてしまっているのです。

 しかし2万平方キロメートル、というのは、本州の1割にも達するような広大なところですので、それをもう無人にすることはできないと、日本の政府は考えました。で、そのため汚染地域に人々を見捨ててしまった、わけで、そこで人々は今でも被曝をしながら生活して、います。私はそんなことは到底許せないと、思いますが、捨てられてしまった人たちから見れば、独力で逃げることすらが、できない。そこで住むことが・・・以外に、選択がないのであれば、何とか忘れてしまいたいと、もちろん思うだろうと、思います。え・・・そのため政府としては、一刻も早く、この汚染を忘れさせるという、そういう・・・宣伝と言うかやり方に出てきているわけで、マスコミも含めて、福島第一原子力発電所の報道が、どんどん少なくなってしまってきていると、いうことになっています。私たちはもう一度しっかりと事実を見つめなければいけないと思います。

MC:そうですね。あの・・・本当に今回のこの、福島の件を受けて、そういったことをですね、まあ気付いて、次に唯一起こせる行動というのが、まあ大きく・・・力が持てるというのがまさに選挙の一つでしょうから、

小出:はい。

MC:今回の選挙の行方ってのは本当にそういう意味では重要かと思いますね。

小出:はい。まあ私自身はできる限り政治には関わらないようにしてきましたけれども、もちろん政治は、大変重要なことですから、皆さんそれぞれの場所で、ご自分にできることを考えていただきたいと思います。

MC:ありがとうございました。小出先生には、本番組の原子力コースの主任講師として、これからもご登場を予定しております。未来をつくるインターネットラジオ『ペイフォワード環境情報教室』

【文字起こし終了】


8bitNews ペイフォワード環境情報教室
http://8bitnews.asia/wp/?cat=556

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

NEW来年のGW、小出さんにまた会えるわーい(嬉しい顔)
小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/
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