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2012年11月07日02:30

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「009 RE:CYBORG」舞台挨拶(京都)

大阪・梅田ブルグ7での神山健治監督&斎藤千和さんによる
「009 RE:CYBORG」舞台挨拶から1週間後の11月3日(土)。
なんと、今度は京都T・ジョイでお2人による舞台挨拶が決定!!

まさか、2週連続で斎藤千和さんに関西でお目にかかれるとは!!!

しかも、今回は座席が前から3列目というかなりの良席だったため、
かつてない近距離で斎藤千和さんにお目にかかることができました。


今回は、映画本編上映後の舞台挨拶。


石井朋彦Pの司会により、神山健治監督と斎藤千和さん、
そして、京都だけの特別ゲストとして、サンジゲンの松浦裕暁社長が登壇!!


神山健治監督(以下・神)
「はい、京都の皆さん、はじめまして。
 『009 RE:CYBORG』監督の神山健治です。」


斎藤千和さん(以下・斎)
「『(フランソワーズの声で)見つけたわ、009。』」

照れくさそうな表情の斎藤さん^^。

斎「フランソワーズ役の斎藤千和です。
今日は皆さんとお会いできて嬉しいです。
よろしくお願いします。」


松浦裕暁さん(以下・松)
「サンジゲンの松浦裕暁です。
今日はよろしくお願いします。」



神「えー、おそらく皆さん、
少し狐につままれたような気持ちになっている方もいるんではないでしょうか。(苦笑)

ゼロゼロナンバーのサイボーグが現代まで活躍を続けていたらどうだろうか、
というのがコンセプトで、
石ノ森章太郎先生の原作のある『正義とは何か』というテーマが、
シンプルに現在に訴えかける力があるんじゃないかと思って企画しました。」



斎「私ももちろん、『009』という作品は知っていました。
でも、ドンピシャ世代ではないので、
自分の中に何かが刻み込まれてるというかと言えばそうではなくて、
今回は、せっかくなので私の中にあるフランソワーズを作っていこうと思って、
オーディションに受かった嬉しさで愛蔵版買っちゃったんですけど(笑)、
それは封印してアフレコにのぞみました。
もし、原作を先に読んでいたら、大人っぽさにこだわりすぎていたんじゃないかと思います。
脚本を読むと、可憐な、信じて待っている、という女性で、
あまり作り込まずにのぞんだんですけど、
その後に原作を読んだら、私が思っていたものと、そうかけ離れてなくて、
あ、よかった、と思いました。
先に原作を読んでいたら、もっとエロティックに演じていたんじゃないかと思います。」


神「今回は企画段階から3Dで製作することが決まっていまして、
キャラクターは手描きのセルのキャラクターでは無理だ、と。
キャラクターも3Dで作らないといけないと思って、
皆さんがよく知っている、人間がそこにいるような3Dで行くのか、
セルみたいな3Dで行くのか、と考えて、
今回はセルに見える3Dを目指そうと思って。
でも、そういう技術がなかなか無くて、
キャラクターをセルを全く使わないで作るというのは無理なんじゃないか、
というところでスタートしたんですけど、
サンジゲンというチームに出会えまして、これは行ける、と。
世界で初めての映像ができたんじゃないかと思います。」


松「アニメーションを作っている会社は東京にはものすごい数があるんですよ。
その中でサンジゲンは後発だったんです。
だから、何か武器を持たないといけないと思いました。
3Dは、背景では使っていたんですけど、それではダメだ、キャラクターを作らないと、と。
それに気づいて何年かやっているうちに石井Pに出会いまして、
見せられるものを全て見せたんですよ。
それで、すごい興味を持っていただいて、
その数日後にジョーのキャラクターを作って見せたら、すごく反応がよくて。」


神「これなら行ける、と思いましたね。」


松「サンジゲンは、その時、仕事がたまっていたんですけど、
これは1つのチャンスだと思いましたし、
これでアニメが変わるかは分からないですけど、
1つのきっかけにはなると思いました。」



斎「本当に、私、こんなにリアルじゃないのにリアルな絵を見たのは初めてで、
初体験の感覚でした。
声を吹き込む時って、絵があんまり動いてないことが多いんですけど、
お芝居が完成されていたんです。
これは、むしろやりすぎちゃいけないな、と。
フランソワーズがあれだけ色っぽい演技をしているのに、
『ウフーン、アハーン』ってやってしまうと、安っぽくなっちゃうな、と。
お芝居って、役者だけでやるんじゃないんだな、と再認識しました。

3Dは、これまで、動く飛び出す絵本というイメージだったんですよ。
でも、奥行きをすごく感じて。
この興奮をうまく伝えられないんですけど。」


神「加速装置の動きをまず3Dでやってやってみようと思って、
原作で『世界が止まっている』という表現があるんですけど、
それをアニメで表現してみるというのがあって、
アニメーションで見たことの無い表現だと思います。
正確な物の動きとか、その中でカメラの移動も行われたりとか、
手描きのアニメーションでは表現できないことが可能になっているところが
新しいのではないか、と思います。

僕が石ノ森先生の原作をあらためて読んだ時に、
『未完』であるというところグッと来たんですよ。
先生をして未完になっている『天使編』『神々との戦い編』の2つのエピソードが、
みんなタイトルは知っているけど、どういう話だったか語れない最大の理由が、
未完であるということなのではないか、と思いまして。
スタジオにあるのはスタッフ用なので、個人用にほしいのですが
原作が今品薄で、本屋でもAmazonでも手に入らないんですよ。」


斎「お貸ししましょうか。」(笑)


神「こんな原作がまだ眠っているのか。
これが日本の漫画だぞ、と。
それで、僭越ながら、この未完の2つのエピソードをつないで、
一旦終わらせるという事ができると、多くの人に伝える事ができるんじゃないかと思いました。
あと、リメイクって、もう文化なのかな、と。
『009』という、もう新作の描かれることのない作品を
いろんな人が描き続けてもいいんじゃないか、と。
先生の解釈とは、多分違う部分もあるかもしれないですけど、
今、先生が描くなら、こうなるかもしれないんじゃないかと思って作ったのが、
今回の『RE:CYBORG』です。
原作を読んでいない方は分かりづらいところもあるかもしれないですけど、
その人は、00ナンバーのかっこいいアクションに注目していただいて、
『神々との戦い』って何だ、と思った方は、ぜひ原作を読んでいただく、
そういうきっかけになればいいかなと思います。
今から50年も前にハードSFというジャンルがあったんだ、と。」


取材用の写真撮影に続き、最後の挨拶。



斎「今日は本当に劇場に足を運んでいただいてありがとうございます。
こういうお仕事をしていて、昔から続いている素晴らしい作品を
今できる100%を出してやりましたが、
これからも、この作品は続いていくだろうし、
50年後にこの作品を観た時に、
その一端を担えたことを誇りに思えると思います。
何より、覚えていてください。
何年か後に、もしかしたら違う人がやっているかもしれないですけど、
その時に、この『RE:CYBORG』を観ました、と言ってくれたら嬉しいです。
ありがとうございました。」





こうして、京都での舞台挨拶は終了。

上映後の舞台挨拶と言う事で、大阪の時よりも深く突っ込んだお話が聴けた
盛りだくさんなトークだった、という印象です。

神山健治監督は、難解な作品の印象をいい意味で裏切る、とてもかっこいい
方でしたし、
斎藤千和さんからは、トークの節々から声優という仕事や演技に対する
強い意識を感じることができ、
あらためて、声優としての「格の違い」を思い知らされされた舞台挨拶でした!!
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