MY LOVE

「私、恋してるな♪」と実感した瞬間とは？
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3歳の息子、はるちゃんの話。

はるちゃんは、1歳半から近くのスイミングスクールに通っている。

どちらかというと、幼稚園でもスイミングスクールでも、お友達といえば男の子ばっかりで、女の子と遊ぶことの殆どないはるちゃんに、最近、女の子のお友達ができたらしい。

その女の子とは、しばらく前にスイミングスクールで知り合い、一緒に遊ぶようになったらしい。
遊ぶといっても、授業前と後のほんの短い時間だけだが。

はるちゃんがママと一緒にスイミングスクールに着き、スクールでその女の子を見かけると、

「おっ。アイツいるな。ママ！！はるちゃん、アイツと遊んでくるわ！！」と、言い残し、はるちゃんはその女の子のもとに走っていく。

遊んでる間も、はるちゃんは女の子のことを、「オイ」と呼んでいるらしい。
どうやら、はるちゃんは、女の子の名前を知らないらしい。
さすがに嫁も、名前を知らないとはいえ、はるちゃんが女の子に向かって、"アイツ"とか"オイ"とか呼ぶのは、女の子に悪いと思い、先週のスイミングスクールの日、行く前にはるちゃんに、嫁はこう言った。

「はるちゃん、女の子にもお名前があるのに、アイツとかオイって、呼ぶのはどう？はるちゃんやったら、そんな風に呼ばれたら、イヤやろ？だから、今日は、その女の子がいたら、はるちゃんからお名前を訊いてみたら？」

はるちゃんは、「うん！！」と言い、はるちゃんを乗せたクルマは、スイミングスクールに着いた。ま

いつもの女の子はいた。
はるちゃんは、「ママ！！はるちゃん、行ってくるわ！！」と言って女の子のもとへ。

だが、はるちゃんは、女の子と遊ぶのに夢中になってしまい、お名前を訊くのを、すっかり忘れてしまったようだ。

帰り、はるちゃんが水着から服に着替えていると、はるちゃんは、

「ママ、はるちゃんな、女の子のお名前訊くの忘れてたから、今から訊きに行ってくるわ。」

と言って、部屋の向こうにいる女の子のもとへ、再び走って行った。

嫁がすこし離れたところで見ていると、なにか2人の様子がおかしい。
女の子が、恥ずかしそうにモジモジしている。

嫁が見かねて助け舟を出しに行くと、どうやら、はるちゃんが突然名前を尋ねてきたので、女の子は恥ずかしかったらしい。
女の子は、顔を赤らめてモジモジしている。
はるちゃんは、何事かわからず、ぼーっとしている。

嫁ははるちゃんに、「じゃあ、はるちゃんから自己紹介したら。」と言った。

はるちゃんは、「よしはるです！！」と元気良く答えたが、かえって、それが女の子を余計固くさせたらしい。

結局、女の子のママがはるちゃんに教えてくれた。

女の子は、みよちゃんと言うらしい。
はるちゃんと同じ年少さんだが、はるちゃんより少し生まれが早く、もう4歳らしい。

はるちゃんは、「そうなんや！！はるちゃんな、まだ3歳やねん。じゃあ、みよちゃん、また遊ぼな！！バイバイ！！」

と言って2人は別れた。

僕は、嫁に「もしかしたら、はるちゃんは、みよちゃんのこと、好きやったりしてな。」
と言うと、嫁は笑って否定した。

どうも、はるちゃんには、まだ男の子と女の子の性差がわかってないらしい。
だから、男の子、女の子に関わらず、名前がわからない子は、「アイツ」と言うし、恥ずかしさもあまりないから、誰に対しても、「カワイイな」とか「好き」とか言う。
だが、その好きは、LOVEではなくLIKE の意味だ。

はるちゃんはそうでも、あれくらいの女の子は、男の子と比べると早熟なんだろう。
だから、はるちゃんの振る舞いが女の子には恥ずかしいのだ。

でも、はるちゃんはみよちゃんが4歳だったのは、少しショックだったみたいだ。

昨日、はるちゃんに、

「はるちゃん、あともうちょっとで4歳やな。」

と言ったら、とても嬉しそうにしていた。
嬉しすぎて、はるちゃんは笑えてくるみたいだった。

そんなはるちゃんは、来月2日で4歳になる。
はるちゃんの好きが、LIKE からLOVEに変わる日は、はたして来るのだろうか。