僕と君は凸と凹

一点だけ恋人に直してほしいところランキング
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おそらく嫁に、一点だけ僕に直してほしいところ訊いたら、こう答えるだろう。

"あなたのその適当で、大雑把な性格を直しなさい"と。

反対に嫁に同じこと訊かれたら、おそらく僕はこう答えるだろう。

"そのお天気屋さんなところを直してくれ"と。

だが、これは言えない。

言えば、晴れていた嫁の天気は、たちまち真っ黒な雲で覆われ、とたんに雷雨が降りだすからだ。
嫁の天気読みについては、僕は気象予報士より詳しい。

だが、嫁についていえば、こんなお天気屋さんなところがあるから、僕は、彼女に魅力を感じるのかもしれない。

そして、僕についていえば、僕が適当で大雑把な性格だから、彼女の天気読みを気象予報士より詳しく当てるのだろうと思う。

もし、彼女のお天気屋が直り、毎日気性が晴れ晴れしていたら、僕は彼女に魅力を感じないだろう。

もし、僕の適当で大雑把な性格が直り、何事もきちんとする几帳面な人間な性格になったとしたら、たちまち僕は、嫁の天気を読めなくなるだろう。

つまり僕らは、欠点があり、それを補い合うからうまくやっていけているのだ。
僕と嫁は、凸と凹だ。

長く付き合える相手とは、そんなもんじゃないだろうか。
欠点を含めて相手を受け入れる。
欠点を含めた貴女が私は好きなのだ。
欠点をなくした貴女は、貴女でない。
そこに魅力は感じない。

いわば、パズルのピースのように組み合わされた、僕と貴女は、そんな凸と凹なのだ。