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2012年09月28日11:03

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年9月27日 小出裕章氏出演分

千葉アナウンサーが最後の方で、「小出さんのお話で本当に大切なことを知ることができました」と言っていますが、私もまさに同じ思いです。

小出さん、たね蒔きジャーナルのスタッフの皆さん、そしていつも動画をUPしてくださったtacc77さん、本当にありがとうございました!



MBSラジオ たね蒔きジャーナル
http://www.mbs1179.com/tane/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【文字起こし】

千葉:京都大学原子炉実験所助教の、小出裕章さんです。では小出さん、今日もよろしくお願いします。

小出:よろしくお願いします。

千葉:今日は、毎日新聞論説委員の二木一夫さんと一緒に、お話を伺います。

二木:先生こんばんは。

小出:はい、二木さんこんばんは。よろしくお願いします。

千葉:えー、今日は、小出さんのこの番組へのご出演が最後の日になりますので、

小出:はい。

千葉:えー、リスナーからの皆さんの質問を、できるだけ伺っていきたいと、思っております。

小出:はい。

千葉:よろしくお願いします。

小出:よろしくお願いします。

千葉:えー、ではさっそく参ります。こちら・・・はですね、原発ゼロ子さん、という方からの、FAXの質問です。

小出:はい。

千葉:9月25日の新聞で、東京電力は、24日、福島第一原発から、大気中へ放出されている、放射性セシウムの量が、9月も、1時間あたり、1000万ベクレルと推定されると、発表したとあります。

小出:はい。

千葉:えー、この数字は、どのように見たらいいんでしょうか。教えてもらえませんか?という質問です。

小出:はい。1000万という数字を・・・聞くと、皆さんそれが膨大な量だと、たぶん受け止められると思い・・・ますが、

千葉:はい。

小出:えー、事故直後は、それの・・・また10億倍というような、放射能が、流れてきていました。あま、あの・・・う・・・2週間ぐらいのトータルですけれども、えー今現在で言うなら、事故直後・・・に出ていた量の、たぶん100万分の1とかそのぐらいまで、低減してるということだと思います。

千葉:100万分の1まで低減しても、1000万ベクレル・・・ですか。

小出:そうです(笑)。はい。1時間あたりですね。

千葉:ああ・・・。これは本来大気中に放出されてはいけないものですよねもちろん。

小出:ああもちろん、もちろんいけません。え・・・1000万ベクレルというような放射能を、毎日毎日、い・・・四六時中、出すなんていうことは通常はあり得なかったことですけれども、えー今現在は、残念なことに福島第一原子力発電所が、もう、ボロボロに破壊されてしまっていますので、この程度の放射性物質が出てくることは、もう、やむを得ないと思うしかありません。

千葉:うーん。もう、これを止める術というのは今のところ・・・

小出:今のところは、ありません。もう・・・まあ、事故当時に比べれば、まあずいぶん減ってくれていますので、何とかこれ以上、また劇的に出るようなことを防ぐということを・・・が、できることの精一杯です。

二木:人の体への影響というのはどう・・・なんでしょうか。

小出:はい。もちろんあの、放射能ですから、影響は必ず、あります。ただし、今聞いていただきましたように、事故直後には既に猛烈な放射能が出てきてしまっていて、その出てきた放射能が、大地そのものを全部汚してしまっている、のです。え・・・それから受ける、被曝に比べれば、今現在、福島原子力発電所から出てきている放射性物質の量は、ずいぶん少ないと、思いますし、そちらを心配するよりは、既に自分たちの周り・・・を、汚染してしまっている、放射性物質を心配した方がいいだろうと思います。

千葉:もう、それぐらいたくさんのものが、出てしまっているということですね?

小出:そうです。

千葉:うーん。分かりました。じゃあ、次の質問参ります。

小出:はい。

千葉:こちらは、えー、ラジオネーム、たね蒔き発芽米さんという方からですね。

小出:はい(笑)。

千葉:えー・・・ウランの原料の、産出の寿命は、厳しい評価であと17年。日本の電気事業連合会ではあと70年。平均で、およそ30年程度で終わりというのが、専門家の評価だと聞きました。ウランという原料が、非常に、い・・・少ない燃料で、あと30年程度で、生産できないということは、いずれにせよ、原子力発電はやめなければならないということですね。2030年にゼロにするのではなくて、ゼロになるというのは必然だということになりませんでしょうか?という質問です。

小出:えー、ゼロになるのは必然です。それが何年後に来るかということで、日本の原子力関係者は70年という数字を出してるわけですし、もっと小さな数字を出してる、世界・・・の団体も、あります。いずれにしても、数十年という期間が経てば、原子力発電の燃料であるウランはなくなって、しまいます。え・・・地球上にあるウランは、なかなか、貴重な資源であって、かつて考えられてように、石油や石炭がなくなってしまうから次は原子力だと、いうのはまったくの間違いでして、え・・・ウランは石油や石炭がなくなる、もっとずっと早く前になくなってしまい・・・ます。

千葉:はい。そしてらば、そのあとにはもう膨大な、放射性廃棄物。何万年も付き合わなくちゃいけないような、放射性廃棄物が、残るだけということになるわけですか。

小出:そうです。私たちの世代、まあ、次の世代も何がしかそうかもしれませんが、何十年かという・・・期間の間だけ、原子力発電を利用・・・するわけですが、それが過ぎた後の何十万年、何百万年の世代は、私たちの世代が生み出したゴミだけを、押し付けられて、過ごさなければならなくなります。

千葉:未来の・・・人たちに、その・・・重荷を、負わせ続けるということになるわけですね。

小出:そうです。大変倫理的な問題ですし、そんなことでいいのかということ・・・を、今の世代がしっかりと考えなければいけません。

千葉:はい・・・。では次参ります。

小出:はい。

千葉:次はラジオネーム、カレーに醤油さんという方です。千葉県にお住まいの方です。もし、原子力規制委員会・・・への参加を打診されたら、お受けに、なりますか?小出さんは。できれば、お受けして欲しいと私は思っています。という質問なんですがいかがですか?

小出:すいませんが、絶対にお受けしません。

千葉:ああ・・・。それは・・・やはり、日本の政府というものが信用できないから・・・ですかねえ?

小出:はい。もちろん政府・・・は全く信用できませんし、議会すら私は信用していません。えーもともと、日本の議会が、原子力基本法というものを、作って、これからは、平和利用に限るけれども、とにかくどんどん原子力をやるんだということにしてしまった、のです。えーその下で、原子力委員会、原子力安全委員会、様々な組織が出て・・・作られて、きましたし、今度新しく原子力規制委員会というものになろうとしているわけですけれども、全ては、原子力基本法の下で、原子力発電を進めるという、大前提の下に、置かれている組織、です。えーいずれにしてもその、原子力を推進するという、方針に逆らうということは許されませんし、そのための手助けをしてしまうことに、なってしまいます。

千葉:うーん・・・。

二木:そうするとあの、まあ、政府の方が、2030年代に、原発をゼロに・・・という方針示しましたけど、それについてはどのように、お考えですか?

小出:えー(笑)、2030年・・・もともとは政府が、パブリックコメントを求めて、2030年、という時点で、ゼロにするのがいいのか、15にするのがいいのか、25にするのがいいのか意見を言えと国民に求めたのですね。

二木:はい。

小出:えーその結果、ゼロにするというのが圧倒的に多かった。それも2030年ではなくて即刻ゼロにす・・・するのがいいと、いう意見が、大変多かった、のですが、え・・・政府はまあ、思惑が外れた・・・のでしょうが、2030というその数字を、また、使いながら、それを今度は2030年『代』と、

二木:ええ。

小出:言い始めたのですね。2030年『代』というのは2039年の末までということですから、数字に直すなら2040年までということに、え・・・言葉の詐術だと私は思いますけれども、時間をさらに、流して、ゼロを目指すと、言い出した、のです。

二木:はい。

小出:それも閣議決定を初めはすると言っていたわけですけれども、

二木:ええ。

小出:えー米国と財界からの横槍を受けて、閣議・・・決定すらが、できない。

二木:はい。

小出:ということになりましたし、えー、次の総選挙でもし自民党が返り咲くようなことになれば、またまた、原子力をどんどんやるんだということに結局なってしまいます。

千葉:はい。えー、ではもうひとつ質問参ります。

小出:はい。

千葉:ラジオネームどないしょっとさんという方から・・・の、質問です。放射線測定器を、お・・・最近購入していろいろ測っているんですが、小出さんの、『騙されたあなたにも責任がある』という本の中で、測定器を買って、例えば、1時間あたりここで1マイクロシーベルトという数字が出た、大変だ。というような使い方をして欲しくないと、あるのですが、それは、どんな意味からなのか、あ・・・答えが、書かれてなくて、気になっています。

小出:あ・・・

千葉:えー、放射・・・放射能は、値が低いから安全だという測定器を、持つことによる、間違った認識はして欲しくないという、えー、小出さんの考えがこめられているのかなと予想・・・しています。実際のところどう・・・なんでしょうか?という質問です。

小出:はい。どうも、言葉足らず・・・の、書き方になってしまっていたようで、

千葉:(慌てて)いえいえ。

小出:大変失礼しました。

千葉:いえ。

小出:はい。え・・・ただ、あの私自身は放射線を測定するということを、自分の仕事にしている人間・・・ですが、その私が言うのは大変傲慢に聞こえるかもしれませんが、放射線を測定するということは大変難しい仕事、です。え・・・それなりの知識も必要ですし、測る放射線の種類に合わせて、また特殊・・・な、測定器も、必要です。えー、最近皆さんがたくさんの、放射線測定器というものをそれぞれに、買ってくださって、それぞれに測定してくださっているわけですが、え・・・あまり、その・・・測定した値というもの自身が、正しいと思って欲しくないという・・・意味で私はそこに書き、ました。例えば、10台の、測定器を、ひとつの場所に並べてスイッチを入れてみると、その10台は全て違う値を示すはずだと、思います。

千葉:はい。

小出:えー、それをまた別の場所に持って行ってみれば、きっと・・・また全部別の値を、示すはずです。え・・・初めの場所で、一番高かった測定器が、今度は、一番低くなってしまうかもしれないという、そのぐらい大きな、誤差のある、ものです。え・・・ですから、ん・・・出てきた数値が、0.5であった、あるいは1であったという、その数値だけを、その数値の絶対値だけをですね、あまり気にしないで欲しいと、私は思います。ですからお持ちの測定器を、今、この場所で測った。それを、別の場所で、また測ってみた。さらにまた別の場所で測ってみたということをやって、どっちの場所が、高いのか、どっちが低いのかと、いうような・・・測定のしかたは、たぶん、何がしかの役に立つと、思います。え・・・そういうことをたくさんの皆さんで、様々な測定器を使いながら、どこが汚染が高そうだ、低そうだという、そういうことに使っていただくのが一番良いと思います。

千葉:はい。わかりました。えー小出さん、まだまだお伺いしたいことが、あるんですけれども本当。

小出:はい。

千葉:ここで、時間となってしまいました。

小出:はい。

千葉:えーこれまで本当にどうも、ありがとうございました。

小出:とんでもありません。千葉さん長い間本当にありがとうございました。

千葉:いえいえこちらこそあの、本当に小出さんのお話で(強調して)本当に大切なことを知ることが、えー、できました。あの、ラジオの向こうでも、多くのお聴きの方がそう感じていらっしゃると思うんですが、実はこんなメールも来ておりますので、これを最後に、読ませていただきたいと思います。

小出:はい。

千葉:えー、徳島県の、ラジオネーム黒糖さんという方です。不幸な出来事との引き換えにはなりましたが、あの日の、前と後では、原発に対しての知識が大きく増えました。小出先生の解説は、すごくわかりやすかったです。また、無念さからか、時おり言葉に詰まってしまうところも、印象的でした。知った以上は、責任を持って行動したいと思っています。小出さん、本当にありがとうございました。というメールを頂いております。小出さん最後に、リスナーの皆さんに、何か一言、お願いします。

小出:はい。ありがとうございました。こういうリスナーの方々にめぐり会えただけでも、私は、嬉しい・・・です。えー・・・、これで私・・・今日で私はたね蒔きジャーナルという番組・・・からは、さようならをすることになりますし、たね蒔きジャーナルそのものも、明日を最後に、なくなってしまうということに、なる・・・そうです。

千葉:はい。

小出:え・・・大変まあ、長い間、良い番組を、守ってきてくださったスタッフの皆さんに、お礼を申し上げたいと思いますし、お付き合いくださったリスナーの、皆さんにも、えー、感謝・・・したいと、思います。これからも、皆さんのご活躍を、お祈りしております。

千葉:あの、小出さん、今後も情報を発信していってくださいね。

小出:はい。ありがとうございます。

千葉:本当に。何度、お礼を言っても、言い尽くせない気持ちですが、(強調して)本っ当に、ありがとうございました。

小出:こちらこそありがとうございました。

千葉:京都大学原子炉実験所助教の、小出裕章さんに、お話を伺いました。

【文字起こし終了】
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