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2012年09月21日08:15

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年9月20日 小出裕章氏出演分

昨日の報道ステーションでドイツの脱原発の話題が出ていましたが、「倫理は技術や経済よりも優先される」という言葉が印象的でした。原発がいくら経済的でもリスクが高ければ責任は負えない、核のゴミを将来に押し付けることはできないと、極めて真っ当なことを言っていました。

それに比べて日本という国は、どこまで愚かなのかむかっ(怒り)



MBSラジオ たね蒔きジャーナル
http://www.mbs1179.com/tane/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【文字起こし】

千葉:京都大学原子炉実験所助教の、小出裕章さんです。では小出さん、今日もどうぞよろしくお願いします。

小出:よろしくお願いします。

千葉:今日は毎日新聞論説委員の、近藤伸二さんと一緒にお話を伺います。

近藤:よろしくお願いします。

小出:はい、近藤さんよろしくお願いします。

千葉:えー今日もスタジオにはですね、たくさん、小出さんへの質問が届いていまして、

小出:はい。

千葉:えーそれを、お伺いして参ります。まずはこちら、千葉県柏市にお住まいの、ラジオネーム、天山山脈さんですね。

小出:(笑)

千葉:えー先日、枝野経済産業大臣が、建設中の原発の工事再開に同意したという報道がありました。ところで、大間原発は、燃料が、ふ・・・燃料がフルMOXの特殊な原発ということですが、MOXは、運転中の制御が難しいだけでなく、使用済み燃料になれば、放射線量が高く、放射能量が高く、仮に、地層処分が決まったとしても埋められるレベルまで、線量を下げるために、プールで、100年保管しなくてはならないという、話を知りました。これは、本当なんでしょうか。詳しく教えて下さい。というメールです。

小出:はい。えー、100年という・・・年数が、本当にそうなのかどうかということは、え・・・ん・・・明確には言えません。

千葉:はい。

小出:ただし、MOX燃料・・・を使った原子力発電所から出てくる使用済み燃料は、普通の原子力発電所から出てくる使用済みの燃料に比べれば、発熱量が高くて、それが長く、尾を引いていくということは本当です。そしてこれまで、普通の原子力発電所から出てきた使用済み燃料は、原子力発電所の敷地の中に、まあ、数年・・・およそ5年ぐらいまずは冷やしておいて、

千葉:はい。

小出:それから再処理工場に、ようやく移動できると。そして再処理をして、え・・・(ため息)、取り出して、ガラス固化体というのを作ろうとして、きました。もっともそれも上手く行っていないのですが、上手くガラス固化体ができ・・・た暁には、50年後・・・ぐらいには埋められるのではないかという、そういう期待で作業が進められて、きました。しかしMOX燃料の場合には、え・・・、まずは原子力発電所の使用済み燃料プールから、再処理工場に移すまでに、もっともっと長い時間、プールの底に沈めておかなければいけませんし、元々MOX燃料を、処理できるような再処理工場自体が、ありません。え・・・まあ、どうしていいか分からないままここまで来てしまったわけですが、最終的にはやはり使用済みの燃料のまま、何とか始末をつけるという・・・ことになっていくだろうと思いますが、それもまあ何百年先のことになるか分からない、ということになってしまいます。

千葉:そういう状態の、燃料を使う原子力発電所を、新たに作ろうということなわけですね?

小出:そうです。

近藤:小出さんあの、

小出:はい。

近藤:そもそもこの建設中のですね、

小出:はい。

近藤:原発の工事再開という・・・点なんですけれども、

小出:はい。

近藤:あの2030年代に、原発ゼロにするという方針と、もう明らかに、矛盾してますよね。

小出:そう思いますよねえ。誰が考えてもそうだろうと思うのですが(笑)。

近藤:はい(笑)。そのあたりの方針については、いかがですか?

小出:はい。要するにもう、日本というこの国が国の体裁を成していないのだと私は、思います。少なくとも原子力というものに関しては、基本的に一貫した政策が全くありません。えー、グラグラあっちへ行ったりこっちへ行ったり・・・しているだけで、え・・・に、元々2030年にゼロにするか15にするか25にするかというようなことを、国民に問うたのに、その結・・・果、ゼロにしろという声が多かったにもかかわらず、今度はいつの間にか2030年「代」とかいうように(笑)、

千葉:はい・・・。

小出:言い出したのですね。2030年代というのは39年までということですから、

千葉:行けますもんねえ。

小出:はい。もう全くあの、話にならないほどひどい話だと思います。

千葉:うーん・・・さらにですね、こんな、あ・・・質問のメールが来てますのでご紹介します。

小出:はい。

千葉:こちらは奈良県橿原市にお住まいの、ラジオネームおろちさんという方ですね。革新的エネルギー・環境戦略の原案によると、高速増殖炉原型炉、もんじゅについては、使用済み核燃料から出る廃棄物を減らすための研究炉としたあとに、廃炉とする方向で調整されているそうですが、廃棄物を減らすための研究って、もんじゅでできるんでしょうか?

小出:え・・・これもですね、まあ・・・原理の問題と、実際のもんじゅという原子炉・・・という、ん・・・問題、ちょっと分けて考えた方が良いと私は、思います。

千葉:はい。

小出:えー原理的に言うとですね、いわゆる高速中性子というものを、使う・・・ことができるのであると、え・・・私たちが超ウラン元素と呼んでいる、寿命の長い放射性物質を、寿命の短い放射性物質に変える可能性が、あります。え・・・ですからそういう・・・研究をすれ・・・ば必要・・・かと問われると、私も必要かもしれないと、え・・・心の片隅で、思わないでも、ありません。

千葉:はい。

小出:しかしもんじゅというような原子炉・・・が、その研究のために向いているかと言えば全く向いていません(笑)・・・し、

千葉:うーん・・・。

小出:え・・・ん・・・もんじゅを動かすなどということは、途方もない危険を抱えてしまいますし、途方もないまたお金をかか・・・え・・・払わなければならなく、なります。え・・・本当にその研究が必要だということであれば、もんじゅはまずは諦めて、基礎的な研究から始めるべきだと思います。

千葉:うーん。まあ、動かすための理由を後付けで付けてるっていうような感じにも、聞こえなくもないんですが。

小出:はい。あの、要するにそういうことなの・・・です。もんじゅというものを作ってしまって、え・・・すぐに廃炉にすることもとても難しいものなので、何とかして、延命したいと、思っている・・・のが一つと、それから昨日もちょっとお答えしましたけれども、もんじゅというものを、まあ発電のためであろうと、研究のためであろうと、動かしてしまうと、超優秀な核兵器材料が、生み出されます。

千葉:ああ・・・。

小出:え・・・そのことをどうしても狙っている人が、政治の世界にはいるだろうと私は、推測しています。

千葉:なるほど、そういう事情があるんですねえ・・・。

小出:はい。

千葉:うーん・・・わかりました。

小出:はい。

千葉:えー・・・次なんですけれども、15日の毎日新聞に、原子炉の廃炉についての記事が載っていたんですが、あの、原子炉は、いつかは必ず廃炉になるわけですけれども、事故を起こしていない原発でも、原子炉を止めて、建屋を解体して、更地にできるまでには、どんな過程があってどれくらいの期間がかかるのもなんでしょうか?

小出:えー、どのくらいの期間がかかるかは実際には分かりません。まだちゃんとやった・・・原子力発電所が世界中にひとつもありません。

千葉:え?一個もないんですか?

小出:はい。えーと小ちゃな・・・あの、原子炉を解体したことはありますけれども、えー実用規模の原子力発電所を解体した例は世界中ひとつもありません。え・・・それでどういうことをやらなければいけないかと言うと、廃炉という・・・こと・・・には、大きく分けて二つがある、あります。

千葉:はい。

小出:一つは、もう全く手を付ける・・・ことなく、原子炉そのものを全部、例えばコンクリートで封鎖してしまってですね、今まで使っていたものを、もうそのまま墓場にしてしまうというやり方、です。それからもう一つは、日本がそれを採ろうとしてる、やり方なのですが、とにかく全部バラバラにしてしまって、更地に戻すという、やり方・・・です。えーただバラバラに戻す・・・してしまうと言ってもですね、放射能まみれになっているわけですから、壊すだけでも大変、です。え・・・例えば日本で一番初めに動き出した原子力発電所は、1966年・・・に、動き始めた東海第一原子力発電所です。その発電所は1998年に、32年間動いた段階で、停止しました。

千葉:はい。

小出:それからようやく廃炉作業というものが、始まりました。で・・・放射能の汚れの少ないところから少しずつ解体していますけれども、いまだに原子炉本体には手を付けることもできないままで、え・・・放ってあるという、そういう状態になって、います。えーそして、え・・・その廃炉作業というものですけれども、まあ何十年か掛かるわけですが、様々なゴミが、出てきます。え・・・大雑把に言うと、一つの原子力発電所を解体すると、60万立方メートルの、ゴミが出ると、いう試算に、なっています。ただそれを全て、放射能のゴミとして、お守りをしようと思うと大変な・・・労力と、お金がかかってしまうので、それはもうできないと。え・・・放射能で大変汚れたものは、かなり深い穴を掘って、埋めよう。そしてもう少し、放射能の・・・汚染の度合いが低いものは、もうちょっと浅い穴を掘って埋めようというような計画になっているのですが、え・・・放射能の汚染が、比較的少ないものに関しては、もう、野放しにしようという、そういう方針になって・・・

千葉:うわあ・・・。

小出:います。え・・・それを私たちクリアランスという言葉で、呼んでいますが、え・・・例えば、放射能の汚染の少ない、鉄材などが、野放しにされる。そうするとくず鉄屋がそれを買っていく、わけですね。そうするとその鉄、くず鉄は、回収されて、また鉄製品になって市場に出回ってくることに、なります。えー例えば、家庭のフライパンというようなものの中にも、その鉄材が混じり込んでくるだろうと、考えている、わけです。で・・・じゃあフライパンを使って、料理をしたときに、その・・・ん・・・行為によって、どれだけの被曝をするかということを、

千葉:はい。

小出:モデルで計算をしまして、

千葉:はい。

小出:え・・・1年間に10マイクロシーベルト。という被曝を超えないよう・・・に計算で得られるのであれば、もう野放しにするという、そういう基準になっています。

千葉:うーん・・・。

小出:ですからこれからたくさんの原子力発電所を解体することになるわけで、もし、これまでの日本の、政府の方針が、実行されてしまうのであれば、私たちの生活の中に、いろいろな形で、原子力発電所・・・の放射能が出回ってくるという時代になります。

千葉:うーん・・・あのー、新しく、原子力発電所を作るというよりも、むしろ本当にきちんと安全な廃炉のし方っていうのを早く研究した方が良いっていうことですね?

小出:そうですもう・・・残念ながら既に50基を超える原子力発電所を作ってしまいましたこれまでに。それを壊す手段すら知らないままここまで来たわけで、本当に、あの・・・皆さん立ち止まってまずは考えるべきだと私は思います。

千葉:はい。わかりました。小出さん、どうもありがとうございました。

小出:はい。ありがとうございました。

【文字起こし終了】


<原発ゼロ>政府、エネ戦略閣議決定せず 目標後退
(毎日新聞 - 09月19日 11:55)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2158963&media_id=2
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