mixiユーザー(id:47361257)

2012年09月19日11:24

30 view

妹のはなし

高2自殺「虫が」と泣き出す
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2158650&media_id=2

僕には7つ離れた妹がいる。
男ばかりの兄弟の中で、初めての女の子だったので、僕たち兄弟も両親も祖父母も、大変可愛がった。

実を言うとそれだけではない。
妹は、生後2日目で大手術をしたのだ。
原因は、生まれつき胃と十二指腸が分離していた。
当時、この症例は少ない上、生存率も低かった。手術が成功しても、助かる確率は、五分五分だった。

だから、妹が3ヶ月後、無事退院してきた時には、家族皆喜んだ。
僕は、当時小学2年生だったが、この日のことは忘れない。
そして、小学2年生で、人の命の尊さを妹に教えてもらった。

僕たち家族が、妹を大変可愛がったのは、これで分かっていただけるだろうか。

そんな妹が小学校に上がって間もなく、泣いて家に帰ってきた。
明日から学校に行きたくないと言う。

訳を訊くと、学校でからかわれたと言う。
妹は、アレルギー体質で、幼い頃から手足にアトピー性湿疹が出ていた。
クラス会の前の休み時間、そのアトピー性湿疹を見たクラスメイトの男の子が、からかったらしい。
"ビョウキが感染るから、みんな近寄るな。"
"アイツは、バイキンだ。汚い。"
と。

そして、クラスの皆は、その光景を見て、ゲラゲラ笑った。
教室には、担任の先生もいた。
先生は、その光景を見て、笑って何もしなかった。まるで、子供たちが休み時間に遊んでいるのを、微笑ましく見ているかのように。

妹は、家に帰るまで必死に我慢していた。
元々は、気の強い性格だ。
あの大病に打ち克ってきた妹だから。
だが、家に着いたとたん、悔しさと悲しさの感情が溢れた。
妹は、泣いて家に帰ってきた。

その話を聞いた母親は、血相を変えて家を飛び出した。
そして、学校に着くなり、担任を呼びつけた。
母親は、感情を抑え、今日あった出来事での家での妹の様子を話した上で、アトピー性湿疹はアレルギーの一種で、人には感染しないこと。そのことをクラス会の時間に、クラスの皆に説明するという約束をしてもらった。
そして、これはイジメに当たるということも。

担任の先生は、イジメの言葉で顔色が変わったらしい。
次の日、クラス会でこのからかいの事が話し合われた。
妹に対するからかいは、その日を境になくなった。

このニュースを読んで、僕は当時の事を思い出した。
妹が泣いて家に帰ってきた事。
母親が血相を変えて家を飛び出した事。
そして、妹が生まれ、退院して家に帰ってきた日の事。

僕には、2人の息子がいる。
親というのは、子供を愛し、どんなことがあっても我が子を護ろうとする。
亡くなった男子高校生の御両親のお気持ちを察すると、本当にやりきれない。

子供は残酷だ。
だが、目の前でまさに、イジメが始まろうとしているのに、それを傍観できる教師の神経は、もっと残酷だ。

先生よ。
子供が泣いて家に帰ってきた時の親の気持ち、あなたにはわかりますか?
そして、子供の気持ち、
あなたにはわかりますか?
55 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する