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2012年09月07日11:00

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年9月6日 小出裕章氏出演分

安全かどうか分からないもの、とりわけ食品に関しては「安全かどうか分からない=危険と考える」のが『安全』だと思うのだが、それが放射能になると、なぜよく分からないうちから「安全に決まっている。危険だと言う奴は風評被害を煽っている」となってしまうのか。

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MBSラジオ たね蒔きジャーナル
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京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【文字起こし】

千葉:京都大学原子炉実験所助教の、小出裕章さんです。小出さん、今日もどうぞよろしくお願いします。

小出:はい、よろしくお願いします。

千葉:今日は、毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います。

藤田:あ、藤田です。よろしくお願いします。

小出:はい、藤田さんこんばんは。よろしくお願いします。

千葉:ではですね、小出さん、今日は、リスナーの皆さんからのメールで寄せられた質問がたくさんありますので、それを、お聞きしてまいります。

小出:はい。

千葉:えー、まずはこちらの方ですね。神奈川県にお住まいの、ラジオネーム「ゆうとママ」さんという方からです。

小出:はい。

千葉:えー、福島第一原発の事故で、原子炉がめちゃめちゃに破壊された3号機、4号機よりも、一見普通に見える2号機が、一番放射能を撒き散らしたと、政府が発表しているそうですが、私には、それがよく理解できません。最後の、防壁と呼ばれる、原子炉建屋までがすっ飛んで、きのこ雲まで出して、大爆発した3号機が、一番、放射能を遠くまで撒き散らすのではないかと思うのですが、何で2号機なんでしょうか。教えてくださいということです。

小出:はい。えー、今ご質問の中に、放射能を閉じ込める最後の防壁が原子炉建屋、と仰っていたと思うのですが、

千葉:はい。

小出:えー・・・そうではなくて、最後の防壁は原子炉格納容器というのが、え・・・まあ基本的に最後のもの、です。

千葉:はい。

小出:原子炉建屋自身はもうあの・・・どうでもいいようなもの、でしかありません。それで、え・・・福島第一原子力発電所の事故の場合には、1号機、2号機、3号機の3つの原子炉が溶けて、しまいました。で、溶けた・・・炉心から出てきた放射能は、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器の中に、もれて、溢れたの・・・です。

千葉:はい。

小出:で・・・1号機と、3号機の場合には、格納容器というものが、それなりに、健全性を保って、いました。

千葉:ええ。

小出:で、だんだん圧力が上がってきてまあ、あちこちから漏れてきたりしたのですけれども、でもベントという操作をやって、え・・・、水、水で放射能を、ある程度捕まえた残りの、放射能を、ベントで外に出したということを、やりました。

千葉:はい。

小出:ところが2号機の場合には、ベントに手間取っている間に、15日の朝早く、大きな爆発音が、2号機のサプレッションチェンバーと呼んでいる、まあ格納容器の一部なのですが、

千葉:ええ。

小出:そこの場所で・・・音がしたと。そして、サプレッションチェンバーの圧力が、すぐに大気圧と同じになり、格納容器の圧力も、え・・・その後スッと、たい・・・大気圧と同じまで減っていった。そしてあの周辺で、大量のあの放射能を検出したということで、2号機だけは、原子炉格納容器という、放射能を閉じ込める最後の防壁が、人間の制御を離れて壊れてしまったと、いう・・・のが、日本政府の説明です。ただし、本当かどうかは、実は分かりません。え・・・近づくことすらも、できませんし、本当にどうなっていたのかを知るまでには、たぶん10年というような時間が必要になるだろうと思います。

千葉:見た目の建屋とかではなくて、

小出:はい。

千葉:一番重要な、中の容器が、2号機の場合に、大きく損傷したという風に、

小出:そうです。

千葉:考えられているから、え・・・放射性物質の漏れが、激しかったということになるわけですか。

小出:はい。日本政府の説明はそういうシナリオになっています。

千葉:うーん・・・わかりました。

小出:はい。

千葉:はい。じゃあ続いてこちらの質問に参ります。こちらは、ラジオネームトムさんという方ですね。京都府にお住まいの方です。ある番組で見たのですが、数万年以上半減期のある使用済み燃料に、中性子を当てて、半減期を減らす取り組みが、J-PARCセンターというところでなされているそうなんですが、これは、どれくらいの見込みがあるんでしょうかという質問で、え・・・J-PARCセンターというところは茨城県東海村にあるようなんですけれども、小出さんいかがですか?

小出:はい。えー、ちょっと長くなりますけれども、昔中世という時代に、

千葉:はい。

小出:人間が錬金術ということを、やっていました。え・・・錫を金に変えられないかとか、亜鉛を金に変えられないかということで、様々な試みをしまして、もう、大変優れた人たちが活躍、しました。で・・・今日の・・・ケミストリー、いわゆる化学(ばけがく)の、全ての基礎を錬金術は作ったのですが、でも錬金術の最後の結論は、元素は変えられないというもの、でした。

千葉:はい。

小出:金は金だし、銀は銀だ。錫は錫で、亜鉛は亜鉛、銅は銅だ。で、もうどうにもならないというのが錬金術の、結論で、結局錬金術は敗れてしまった、のです。

千葉:はい。

小出:ただし、え・・・実際には錬金術ができることが、その後わかりました。

千葉:えっ?

小出:え・・・(笑)なぜかと言うと、ウランという元素・・・を、核分裂させてしまうと、セシウムができたりストロンチウムができたり、量の多い少ないを別にすれば、金もできる銀もできる白金もできるという、そういう・・・ものだった、のです。

千葉:はい。

小出:えーですから、錬金術は実はできるということを、人間が、既に知っている、のです。えーですから・・・原子力発電所を動かして、様々な放射性物質を作ってしまって、中には猛烈に長い寿命のものもあるのですけれども、そういうものをとにかく錬金術を使って、寿命の短いものに変えるということは、原理的にできるということが分かっています。

千葉:はい。

小出:えー、そのためにもう既に人類は70年近く、え・・・苦闘してきて、今はJ-PARCというところで日本ではやろうとしているのですが、何とかできないかということでやってきたので・・・ですけれども、未だにできないという、ことになって、います。え・・・70年間続けてきた研究・・・が、できないということですので、これができるという・・・ためには、大変なあの・・・何かブレイクスルー、というようなものがないと、できないだろうし、可能性があるという風にはなかなか言いにくいと思います。

千葉:例えば本当に、半減期何万年もあるような放射性物質を、お・・・数ヶ月で、え・・・放射性物質をなくしてしまうなんていうことは、

小出:はい。

千葉:今では・・・とても考えられないわけですね?

小出:はい。まあ原理的にできるということは分かっているのですが、それを実際上やろうとすると、ものすごい、厚い壁がいくつもありまして、その壁を乗り切れ・・・乗り越えることができないまま今日に至ってしまっています。

千葉:藤田さんいかがですか?

藤田:それはですね、

小出:はい。

藤田:あの・・・これまで70年間も研究を続けていて、

小出:はい。

藤田:である程度ですね、その研究・・・は、前進はしているわけなんですか?それとも・・・

小出:(笑)

藤田:基本的にはちょっと、難しいという状況・・・続いてるわけですか?

小出:はい。えー、要するに原理というものはもう、明確なのですけれども、

藤田:ええ、ええ。

小出:えー、それを実際上適用しようと思うと、2つ大きな壁が、ありました。ひとつはその・・・それをやろうとする時に膨大なエネルギーがかかってしまう、という壁です。もともと、原子力発電というのはエネルギーが欲しくてやってるわけですけれども、原子力発電で得たエネルギー全てをつ・・・使ってもなおかつ駄目だということなら、まるで意味がなくなってしまう・・・

藤田:うーん、そうですねえ。

小出:わけです。それから、寿命の長いものを短いものに変えようとする時に、今度は逆に放射能でないものを放射能にしてしまうという、副次的な反応を抑えることができません。

千葉:へえ・・・。

藤田:はあ・・・。

小出:で・・・それをどうしても乗り越えられないまま今日まで来てしまっています。

千葉:んー、じゃあもう・・・ねえ、短い間に・・・そんなことができるというのは、なかなか思えない・・・

小出:はい。

千葉:状況なわけですよねえ。

小出:はい。まあ私も何とか、私たちの世代の責任で、それを実現したいと思い・・・ながら来ているのですけれども、簡単にはやはり、いかないだろうと思います。

千葉:・・・じゃあ次の質問に参ります。

小出:はい。

千葉:えー大阪市東住吉区のラジオネーム「アンギラス山田」さんという方ですけれども、お・・福島以来、放射線は全て悪者というイメージが出来上がりましたが果たしてそうでしょうか。輸入食品の一部は、輸入前にガンマ線で殺菌されたものもあるようです。食品に、殺菌の致死量にあたる、ガンマ線を照射すること自体、安全性で、何か問題はあるんでしょうか?という質問なんですが。

小出:えーこれはもう、長い議論が続いています。えー放射線、ガンマ線という放射線を・・・当てることによって、食品の中に放射性物質ができるということは、ありません。ですからその意味では、安全だと言ってもいいのですが、食品自身が変質してしまいます。

千葉:はい。

小出:たんぱく質・・・が分解されたり、え・・・もともと食品に含まれていなかったような、え・・・化学(ばけがく)的な化合物が生じてしまったりして、それが・・・生き物に対して、悪影響を及ぼすのではないかという実験データも、いくつも出てきて、います。それが本当なのか、それとも、大したことないのかということで、ずーっと論争が今日まで続いているという・・・ことです。

千葉:うーん、大きく物が・・・の質が、変わっちゃうということが、

小出:はい。

千葉:起きるわけですね。

小出:そうです。

千葉:うーん・・・。わかりました。小出先生、どうもありがとうございました。

小出:はい、ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■放射線殺菌の研究開始=生レバー、年度内に報告書―厚労省
(時事通信社 - 09月06日 22:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2145935&media_id=4
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