ポリオ 9月から不活化ワクチン
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2139374&media_id=2
僕は、以前往診で、小児マヒの患者さんの治療をしていたことがある。
と言っても、小児マヒ自体を治す目的ではなく、小児マヒによる、さまざまな痛みを和らげる治療だ。
小児マヒになると、終生、その障害と付き合っていかなければならない。
その小児マヒの原因となるのが、ポリオウイルスである。
その患者さんは、6年前の当時で70歳前だったから、今では、70歳代中頃か。
2歳の頃にポリオウイルスに感染したらしい。
当時、ポリオワクチンというのはなかった。
風邪によく似た症状だったので、ご両親もかかりつけの医者も、風邪だと思ったらしい。
だが、実際はポリオだった。
その患者がよくおっしゃっていたのは、
"ワシがもう少し、後に生まれていたら、こんな病気にならずに済んだのになぁ。でも、ポリオワクチンのおかげで、ポリオになる人が居なくなって本当に良かった。"
確かに、乳幼児にポリオワクチン接種するようになってから、日本の小児マヒは殆ど見られなくなった。
だが、決して0になったわけではない。
日本のポリオワクチンは、これまで生ワクチンで接種されていたため、ごくわずかの確率でポリオワクチンによるポリオ感染があったためだ。
そのことがマスコミで取り上げられ、問題視され、この度の不活化ワクチン導入の運びとなった。
それが、本日より施行される。
これは、個人的に本当に良かったと思っている。
というのも、僕のご近所さんにも、いらっしゃったのだが、生ワクチンを怖がるあまり、不活化ワクチンが導入されるまで、ポリオワクチンを接種しない、というお母さんが居たのだ。
ちなみに、僕には、3歳と1歳の息子が居るが、二人とも生ワクチン、2回接種だ。
特に、1歳の息子の時は、この生ワクチンのリスクがマスコミで取り沙汰されていた時期だったが、僕は嫁と相談した結果、生ワクチンを接種することにした。
それは、ポリオに絶滅宣言が出ていない以上、生ワクチンを接種することによるリスクより、ポリオワクチンを受けないことによる、ポリオの感染のリスクのほうが大きいと判断したからだ。
だから、不活化ワクチンが導入されるというニュースを聞いた時、早く施行されてくれればと思った。
何より怖いのは、生ワクチンを怖がるあまり、ポリオワクチン自体の接種を避けることだと思うからだ。
不活化ワクチンは、生ワクチンと比べ、免疫の持続性が短いというデメリットがある。
だが、世のお母さんが安心してポリオワクチンを接種できる環境ができて、本当に良かったと思う。
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