どうも。ヨメ子と仕事のことで口論になったら昼休みにお局さんに「よく言った!」と褒められた葉桜です。
よっしゃ!お局さんをこっちにつかせたぜぇ!!
さて、今回も引き続きヨメ子への怒り話を書かせてください。
お付き合いいただけたら嬉しゅうございます。
Case3 自己愛
ヨメ子があるとき、「歯が痛い」と言い出した。
ヨメ子や子供は神経まで到達した虫歯が多い。
旦那や父親は一体何の仕事をしているのであろうか。
口腔内を見せてもらうと、かなり進行した虫歯がある。
院長「うーむ。ここまで進行した虫歯はなかなかないな。葉桜さん、写真を撮っておいてくれ」
珍しい虫歯つくってんじゃねえよ!!
いくら心の中でわめこうが口腔内写真は私の仕事。
カメラをかまえ、ヨメ子の口腔内を写真におさめる。
就職してから、歯ぁばっかり撮り続けていい加減飽きた。
たまには違うもの撮りたい。空とか海とか。
撮った写真は、電子カルテの画像ファイルに保存する。
私はヨメ子の画像ファイルを開けた。
私「う゛・・・・・・・・・・」
画像ファイルの1番初めに、妊婦時代のヨメ子の全身写真が保存されている。
写真のヨメ子は臨月間近のお腹をむき出しにして写真に写っている。へそだしヨメ子。
お腹の巨大なヨメ子の写真は正直いって、見ていて愉快な気持ちになれるものではない。
けして妊婦を醜い存在だといっているわけではない。
大いなる生命をその身に宿した妊婦さんは、とても神々しく素敵だと思う。
しかしヨメ子の腹に宿った大いなる命は、ゆくゆく私のバイト先でそこそこ有名な悪ガキに成長すると思うと、神々しさもへったくれも感じなくなる。
もしかすると、ヨメ子の写真を「気持ち悪い」と思ってしまうのは、
私が妊娠したことがなく、妊婦になったことがないからなのかもしれない。
そう思い、衛生士の三沢さん(仮名)にこの話をする際は表現に注意して話そうとした。
三沢さんは3児の母である。
私「三沢さん、ヨメ子の電子カルテの画像ファイル、見たことあります?」
三沢「ないー。なんで?」
私「こないだ見たんですけど、ヨメ子の妊婦時代の写真があって…」
三沢「気持ち悪っ!!」
即座に反応が返って来た。
いい反射神経をお持ちだ。
Case4 押し付け
前半でも触れたが、ヨメ子に「いいです」とか「結構です」とかの言葉はきかない。
仕事終わり、ヨメ子に「葉桜さん、おなか空いたでしょ?トースト焼いたんだけど食べない?」と言ってきたが、バスの時間が迫っていたので、「いえ、いいです」と断わった。
しかし休憩室には断ったはずのトーストが卓上に載せられていた。
言葉を失っている私に向かって「いいの、だってお腹すくもんね♪」と声をかけるヨメ子。
いま私の腹は減ってはいない。どちらかというと、ものすごく立っている。
「飲み物は紅茶でいい?」と、なおも懲りないヨメ子。
私が先ほどよりキツ目に「いえ、本当にいらないですから」というと、ヨメ子は去っていった。
「ふう、やっと撒けた」と一息ついたのもつかの間、ヨメ子は再び現れ「はい、こおり水♪」と氷入りの水道水を差し出してきた。
この世に生誕して20年とちょっと。
「こおり水」を出されたのは初めてだ。
「おひや」はある。しかしこんなに堂々と、ドヤ顔で出されない。
刻々とバスの時間が迫ってきていたので、トーストはビニール袋に入れて持ち帰り、
こおり水は休憩室に放置した。
帰宅後、トーストをビニール袋から出すと、生焼けであった。
翌日の休憩室には自然の原理に倣い、真水となったコップが残されていた。
その話を以前、同期(現在退職)に話したことがあるが、鼻で笑われた。
同期「バッカじゃないの、葉桜。ヨメ子もロクに撒けないわけ?そんなんだから、あんたはトロいんだよ。
将来、主婦とかになっても、変な訪問販売に捕まる典型的なタイプだね。ああいう押し付けや営業に『いいです』とか言ったら肯定にとられるんだよ。もっと毅然とした態度で断わらなきゃ」
院長夫人からの差し入れの話から、何故か悪質な訪問販売の話まで発展している不思議な我が職場。
私「いや、ヨメ子は手ごわいよ。アンタも同じ状況になったら分かるって!」
同期「ハッ、葉桜と一緒にしないでくれるゥ?」
そして数日後、同期は残業を命じられた。
私は先に帰っていたので、以下は同期の話をもとに書いている。
膨大な診療請求の書類を前に、半ギレになって仕事をする同期に、ヨメ子が声をかけた。
ヨメ「宮田さん、カレー食べない?」
カレー!?
いままで、せいぜい餅とかトーストとか程度だが、カレーは「調理」が施された「料理」だ。
「手は洗って調理されているのか」「果たして味は」などいろんな謎がうごめくなか、
同期はキッパリと「いえ、いらないです」と断わった。
ヨメ「わかった。じゃあ、茶碗1杯だけ持ってくるね」
ほーーーーーーーーーーーーーら、ごらん!同期め!!
やっぱり悪いのは私の気の弱さじゃなくて、自由すぎるヨメ子の解釈じゃないか!
ヨメ子の手にかかれば「いらない」という言葉は「カレーがいらない」「お前の料理が食えるか」ではなく、「そんなにお腹が減っていない」=「少しならOK」となるのだ。
待つこと、数分。
「茶碗1杯」と言われたはずのカレーの量はどう見ても通常量であった。
院長「ヨメさんがわざわざ持ってきたってことは、きっと自信作なんだろう」
人の気を知らない、ヨメ子の料理を何度も食べて、おそらく舌がマヒしているのであろう、院長のセリフ。
しかしカレーなんて、食べられないほどマズく作ろうとするほうが至難の業だろう。
こわいもの見たさの好奇心も同期の背中を押し、彼女はカレーを1口食べた。
私「え、『ヨメ子カレー』食べたのっ!?」(ここから翌日の休憩室での会話)
同期「好奇心に負けて…」
私「あぁ、そう…。で、どうだったの味は?」
同期「味?ああ、味ね。なんかね…砂の味がした」
私「すなァっ?」
同期「どう調合したらカレーを砂味にできるんだろ…」
ヨメ子に新しいプロフィールが追加された。
『得意料理:砂』
院長と別れ、再婚を願い、お見合いをするときに宣言するがいい。
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