mixiユーザー(id:3722815)

2012年07月10日04:07

856 view

映画【私が、生きる肌】 〜変態は、一日にしてならず、細部にこそ宿り、忘れた頃にやってくる

あー、あー、あー、本日も雲天なり。
皆様、ご機嫌麗しゅうございますか?

mixiの絶滅危惧種、超兄貴です。


最近、盆と正月が一気にやってきたような忙しさで、毎朝7時前に出社して22時迄働いて、映画は観てないわ、泳いでいないわ、寝てないわ、レッドブルとバーンとモンスターをローテーションで飲みつつ、おしっこが異様に黄色い日々を過ごしておりました。


この作品、各方面から、超変態/ギッシュ/バンデラスがババンバンとの呼び声高く、そりゃもうwktkで観賞を楽しみにしつつ、地元のシネコンでは早々と終ってしまっていて悔しい想いをかみ殺していたところ、やっとこ落ち着いた7月の第一週目の日曜日、みゆき座でロンゲストヤードを観たついでに、シャンテシネでポイント観賞して参りました。





『ビバ、変態!!』

http://www.theskinilivein-movie.jp/

オープニングの全身タイツヨガに言及する方々は、まあ、普通の感性の持ち主であろうと思われます。
これって、ほんのジャブというか、この全身タイツが変態なんじゃなくて、この作品に出てくるアイテムやら構成される要素の組み合わせやら、その見せ方やらの細部が逐一『変態』というか『偏執的』なんですね。

むしろ、論ずべきは、このタイツに配された『着脱機能と無縁のファスナーの数々とそのエロい配置』とか、ヨガの後に上からまとった『引き裂いたドレスの裸エプロン』っぷりの見事さだろうと思うのですよ。

この一歩間違えば、『全編、ヌける画スレスレ』に過ぎないものが、ちゃんと論理的な映画として成立しているのが凄いところで、その極めつけが、中盤の物語描写のディティールでありましょう。

バンデラスが、術後の進行状態を確認し、さらなる仕上げ段階を担う『器具の正しい使用方法』を真顔でとうとうと説明するあたりなんて、変態が突き抜け過ぎて笑えるレベルです。

銀座のカップルの皆さんはひいていたけど、あそこは、大笑いするところですよね?

もちろん、ここにおいても、そのシチュエーションの異常さ以上に、画のアングルやら、小道具のバリエーションの細かさを判りやすく、かつ、しつこく畳み掛けるプロットやらの方が、より変態的です。

バンデラスが覗き込むシーンなんて、濃い顔のアップでいいはずのところを、あえて『前景』を配してくるという執拗さ。

ワンカットで『とある女性視点』を切り取ってくれているわけですよ。

ワタクシは、このシーンだけで、オトコの『生殖本能ゆえのどうしようもないサガ』を完膚なきまでにたたきのめされたように思えてしまい、超こっぱずかしかったDEATH。





オハナシは、そこかしこに医療問題の暗部やらを滲ませつつも、全面的に変態色を押し出し、その異様さで全てをうっちゃった印象ですが、『この作品から変態色を抜いたら、単なる凡庸な猟奇サスペンス』なので、これで正解だと思います。


個人的には、【本作は、巨匠が、仮面ライダーの死神博士をモチーフに撮った、にっかつロマンポルノへのオマージュで、本当のタイトルは「死神博士の異常な愛情」とかいう、ちょいクルパーな妄想】を頭の片隅に置いていただきつつ、画面や脚本の隅々に到るまで、細かくも執拗な目配せが行き届いた変態絵巻を堪能するのが、適切な姿勢ではないでしょうか。






ところで、ラストシーンは、一見、悲劇的なようでいて、『片思いの相手とハッピーになれる可能性が飛躍的に高まった』という意味で結果オーライとも読みとれます。
むしろ、そう読むことでこそ得られる作品姿勢の潔さ、最後まで変態を貫き通した清々しさを通して、変態への理解と許容を感じとることが肝要かと…



2 12

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する