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2012年07月05日03:33

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枕詞

 私は小中学生に勉強を教える仕事をしているのですが、
 今日は中学生で和歌の部分だったのです。

 万葉集、古今和歌集、新古今和歌集。
 今と言葉がちがって、なじみのない言葉もたくさんある。
 
「 防人に 行くは たが背と 問ふ人を 見るがともしさ 物思もせず 」
 なんて和歌を、
「防人ってのは、九州の守りを固めた兵隊さんのことね。基本的に単身赴任だから、奥さん子供をおいて戦いにいかなくちゃならないんだな。もちろん戦争があったら、生きて帰れるかわからないってんで、悲しいわけよ。でも、ダンナの晴れ姿だから、すっと後ろの方で涙をこらえて別れを惜しんでる場面。そしたらそこへ隣のオバハンが、『ねえねえ、あの人戦争に行くんですってねー。どこのダンナさんかしらねー。たいへんねー』とかのんきに話しかけてきたもんで、『あんた何の心配もしなくていいわね』って思いを、こっそり和歌に詠んだら、万葉集に採用されちゃってさー大変って歌だねー」
 なんて具合にテキトーに説明しているわけです。

 和歌の中で、現代の中学生にピンと来ない表現技法のひとつに、「枕詞」というのがあります。
 
ひさかたの→光
たらちねの→母
あをによし→奈良
あしびきの→山
ちはやぶる→神

 なんていって、「特定の言葉の前において和歌全体の調子をととのえる言葉」とか説明しても、まぁピンと来ない。

 そこで、「たとえばだなー」と言って、

「燃える闘魂 → アントニオ猪木」
 とか、
「ゴジラ → 松井」
 とか、10年前はそれで行けてたんだけど、だんだん苦しくなってきた。
 もう猪木とか松井とかじゃ中学生知らないのね。
 で、
「何かほら、選手のキャッチコピーみたいな、名前の前につける言葉みたいな、そんなのあるじゃんよ」
 と言ってたら、生徒のひとりが、
「悪童 マリオ・バロテッリ みたいな?」
 と言ってきたんだが、それはおれ知らない。(今ネットで名前確認して書いた)

 そこで、私は、ピーンときちゃいましたよ。
「そうそう、自己紹介の前に、決まってつける言葉ね。たとえば、

 えくぼは恋の落とし穴 百田夏菜子

 とか」

 と、思いついたと同時に口にしてしまうというこのバカっぷり。

 生徒からは、
「なにそれ」
「だれそれ」
「あぁ」
「ももクロかよ」
 とバラバラな反応があがり、

「あとほら、

 泣き虫で甘えん坊なみんなの妹 玉井詩織

 とか」

 と重ねてダメ押し。

 生徒からは、
「とか、じゃねーよ」
「なにそれ」
「だれそれ」
「ももクロだよ」
 と声があがるという。

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 もう少しももクロが一般的な人気を得たら、私の授業もラクになる。
 ガンバレももクロ、そしてσ(▼▼;)おれ!

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