■菅氏のヘリ視察「自分で見て認識したかった」
(読売新聞 - 05月28日 14:49)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2029914&media_id=20
今朝、84歳の女性患者さんを治療している時、話題が、政治の話になり、その患者さんが僕に言った。
「総理大臣を国民投票で選ぶってのは、できんもんなんかねぇ。」
日本は、議員内閣制であるため、総理大臣は、国民が選んだ議員が総理大臣を選ぶ。
知事のように、国民が投票で選ぶためには、大統領制に変えねばならない。
そして、国民に直接選ばれた大統領は、この国の権力を一手に握ることになる。
その時に、患者さんにも言ったのだが、はたして、日本という国は、こういった権力を一点に集中させることを受け入れるのだろうか。
日本人は、得てして独裁者を嫌う。
日本では、橋下さんや小泉さんのような存在ですら、独裁者と嫌うのである。
おそらく、議員内閣制は、日本人にとって一番受け入れやすいのであろう。
そこで、菅さんのこの言葉である。
「事故の最大の責任は、国にある。」
事故当時、この国の総理大臣は、菅さんだ。
では、責任は菅さんにあるのか、と言うとそうではない、と菅さんは言う。
これが、大統領であればどうだったのか。
この国の実権を直接握るかわりに、責任も生ずるため、これだけの事故を起こした責任は、当然言及しなければならないだろう。
こういった逃げは、許されない。
日本では、国民によって選ばれた議員が選ぶ、総理大臣は、さらに天皇によって承認され任命される。
では、天皇には、政治的権力があるのかと言えば、天皇は象徴であり、実権はない。
日本とは、こういう国だ。
権力をとにかく分散し、できるだけ集中しないようにする。
だが、そうすることは、反対にこのような問題が起こった時、責任の所在がわかりにくくなる。
独裁を嫌がるかわりに、責任も取りたがらない。
これは、日本の国民性なんだろう。
おそらく、政治の世界だけではないはずだ。
菅さんの言う、国とは誰か?
総理大臣でないなら、議員の誰かか?
それとも官僚か?
東電か?福島第一原発に従事している誰かか?
それとも、原発をこれまで何の疑いもなく利用してきた、僕たち国民か?
菅さん自身、はたして責任の所在をわかっているのだろうか。
そして、責任の所在をうやむやにされたまま、国民がツケだけを払わされるのである。
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