mixiユーザー(id:2129235)

2012年05月26日06:00

19 view

「日中国交正常化」

 図書館本「日中国交正常化」服部龍二、中公新書、を読了。国際政治学者の著者が、学問的に日中国交正常化交渉を検証した本。

 可能な限り、関係者に事情を聞いていて、興味深い。田中角栄総理と大平正芳外相という、タイプはまったく異なるが、それぞれ優れたリーダーシップの持ち主が、二人三脚、上手く噛み合って良い外交をした、ということが感じられる。大胆さの角栄、繊細さの大平。

 有名な(でも私は知りませんでした)「ご迷惑」スピーチ問題も、詳しく証言が集められている。「ご迷惑」の訳文は、外務官僚のほぼネィテブな者ら複数によってキチンと事前チェックされており、角栄のアドリブ発言でもなければ、現場の通訳が誤訳したワケでもないらしい。

 一つ意外だったのは。角栄が尖閣について言及した(これは、彼の独断、外務省には知らせずに唐突に彼が言い出した)のに、周恩来が「それについては、今は話したくない」と話題を変えた点。周が角栄発言を逆手にとり、「日本が領土問題の存在を認めた!」と主張すれば、将来に禍根を残しかねなかったんだとか。なるほど、そういう面もありますね。



 なお、この著者(服部)は。中国もしくは周にやたら好意的に感じる。親中派さん?
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する