橋下市長の駆引き

■橋下氏の大飯原発臨時稼働案、官房長官は否定的
(読売新聞 - 05月21日 14:15)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2022433&media_id=20

このmixiの日記にも書いてらっしゃる方がおられたが、原発というのは、そんな簡単に動かしたり、止めたりすることは、安全上できない代物らしい。

だから、一度稼働させてしまうと、出力を強めたり弱めたりもできず、安定した出力で動かし続ける。
電力が過剰に余ったら、熱に変えて海に捨てる。これは、原発が出力を制御できないかららしい。

だから、橋下さんが言うように、電力の足りない時期だけ、臨時的に稼働させるなど、原発の安全面から考えて、現実的に不可能なのだ。

しかし、橋下市長というのは、食えない奴である。
はたして、このことを本当に知らずに提案したのだろうか。
もしかしたら、そういった事情も知った上で、ワザと提案した発言ではないか。
これは、僕の穿った見方だろうか。

大飯原発の再稼働のポイントは、確か、関電管内に於ける、深刻な電力不足だったはずだ。
だからこそ、経済産業省の枝野さんは、節電要請だけでなく、計画停電、電力使用制限令などのカードを切って、再稼働を容認させようとした。

だから、建前上、僕らは電力は本当に足りないのかと、疑問を投げ掛けた。
それは、電力が足りるのなら、この夏原発を再稼働する理由が建前上なくなるからだ。

だが、本音は違う。
経済産業省は、これまで口にしてないが、本音は、電力が足る足らないは、関係ない。
日本にある原発は、大飯原発に限らず、すべて再稼働させたいのが、本音だ。

橋下市長は、その本音を炙り出すため、敢えて、こういう提案をしたのではないか。
彼は、弁護士だ。これくらいの口先の駆引きはするだろう。

今回の藤村官房長官の発言で、政府が再稼働をどう捉えているかがはっきりした。
今の民主党は、原発を再稼働させたいらしい。

そして、橋下市長は、この原発の再稼働の是非を次の選挙の争点にしたいのだろう。
このやり方には、賛否両論あるだろうが、僕には、小泉元首相の姿がだぶって見えた。