『対馬丸　さようなら沖縄』

　マイミクさんがやっておられる映画会に行く。普段は韓国関連映画をやっておられるけど、この5/15で本土復帰40周年なので、今年は沖縄特集。

　「観客が少なくって」と先日愚痴ってはったけど、私を含め18名いた（主催者のマイミクさんとその仲間の方をいれると20名）。充分多いような... ただ、客層はやや変化したのかもしれない。韓国関連映画をやっていた時は、韓流ファンや在日さんなども多かった気がするんだけど。今は左派っぽい人が多い印象。



　１本目『対馬丸　さようなら沖縄』アニメ。70分、1982年。

　昭和19年７月。決戦を控え、沖縄に集結する日本軍人。彼らの食料を確保する目的もあり、沖縄の学童生徒は鹿児島に疎開することになる。ところが、制海権を失っている日本、鹿児島までの航路は米軍の潜水艦がうようよいて、とても危険。そんな中、疎開船（本来は貨物船）対馬丸が出航するが...

　有名な「対馬丸の悲劇」
　　　http://www.tsushimamaru.or.jp/jp/about/about1.html
をアニメにした作品。私が沖縄に行ったとき、対馬丸記念館が定休日で見ることが出来なかったことを思い出す。

　ちなみに、原作の大城さんは沖縄出身の方。

　誇張のほとんどない、どこかほのぼのとした絵柄が、より一層悲劇を際立たせる。さらに、普通の人、善意の人が、生命の危機でどれだけ醜く変貌するか。また、失敗を認めず反省の無い市長（行政）、それどころか生き残った児童を脅し口止めをする軍部など。日本の、あるいは戦争の、問題点をしっかり描く。

　こゆ問題点って、現代の官僚、あるいは左派・右派に共通するよね。左派や右派は、他人（ホントは他人だと限らないんだけど。誰か悪人を自己の外部に設定して、その悪人）を責めるのは威勢良くやるクセに、自分の失敗を（左派は左派自身の失敗を、右派は日本民族や右派自身の失敗を）追及するのには消極的。官僚や左派・右派だけでなく、情報隠し・失敗隠しする東電も、戦前軍部の正統な末裔かもしれない。あるいは、そもそもこゆ体質って、日本人の民族性かも？


　にしても、学童疎開をさせる時期が遅すぎる... 硫黄島でのように、もっと早く避難させることは出来なかったのかしら。800余名の児童生徒を避難させようとして、生存者50数名。酷い話だー。