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2012年02月26日06:25

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「ふしぎなキリスト教」

 図書館本「ふしぎなキリスト教」を読了。昨年の新書大賞受賞作なので読んでみた。他の図書館から取り寄せて貰ったけど研修や病院がよいなどで忙しく、放置してあった本。取り置き期限が今日までだったので、慌てて必死に読み切った。社会学者2人(橋爪、48生と、大澤、58生)が、近代社会の元の元となっているキリスト教について、世間でありがちな素朴な疑問について対談形式で解説している。

 対談形式のワリには、かなり深く重い。新書だけど厚いし、そこそこ歯応えがあった。まぁ一つの見方に過ぎないんでしょうけど、色々と参考になった。



 特に面白かったのは、十字架の贖罪の論理に対する説明。今まで読んだり聞いたりした中では一番分かり易い。これまでは何度説明を聞いても、なんでイエスが十字架にかかると人類の罪が許されるのか?サッパリ分からなかったのが、この説明には「あぁなるほど」と腑に落ちた。
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 古代、あのあたりは「同害報復法(目には目を」が常識だった。その論理では、AグループのaがBグループのbを殺したとする。Bグループのメンバーが報復のためaを殺そうとして、誤ってaの兄弟の☆を殺して閉まった場合。改めて真犯人のaを殺すことは、もう出来ない。同害報復だから。aは赦される。

 同じように、☆に相当するイエスが無実の罪で殺されたので、aに相当する全人類は赦される。1人対無限にも近い人数でバランスが取れないようにも感じられるが、イエスは神の子なので、それでちょうどバランスが取れる。

 イエスは本来神の子なのでオカシイとも思えるが、アブラム(アブラハム)が一人子・イサクを神に差し出し犠牲にした代わりに、ヤハウェはイエスを人類に差し出し犠牲にした。
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 ふーみゅ、なるほど。それで、イエスの死刑を求めたのが、神の代理であるユダヤ教指導者達、と言うことも説明するワケね。つまり、神が間違って無実のイエスを罰し殺した、という体裁をとるために。古代人はそれで納得しそう。



 また、イスラム教がなぜ産業革命を起こせなかったのか、現代社会に今のところ上手く適応出来ていないのか?の説明も興味深い(以下は、私がかなり行間を補った要約)。
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 キリスト教には、4福音書の間に相互に矛盾があることや三位一体など、色々矛盾がある。また、法律も、旧約の律法を重視するような軽視するような曖昧さがあり、結局そのまま法律として使えるようなものはない。

 それに対しイスラム教は、ムハンマドがかなりシッカリしたものを残しそれが文章化されている(クルアーンその他)。そのまま法律として使えるほど矛盾無く、シッカリしている。

 なので、出来た当時のイスラム教は社会に適合し、キリスト教を凌駕するほど大発展した。ところが、なまじシッカリ・カッキリ出来ている分、社会の変化に適応出来ず、社会の変化も生めない。新しい法を作るならムハンマドの教えに反してしまうし。

 それに対してキリスト教は、作りがイイカゲンなので、社会が必要とすれば利子を取ることも解禁したり、法律も時代の変化に合わせて作り替えたりすることが出来る。これが、現代社会を生み、それに上手く適応出来ているのではないか。
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 なるほどねぇ。
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