mixiユーザー(id:23621043)

2012年01月31日09:00

86 view

【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年1月30日 小出裕章氏出演分

<放射性物質>「町は元に戻るのか」除染工程表に疑問(yahooニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120126-00000100-mai-soci

飯舘村が独自の工程表 標高の高い所を優先(yahooニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120130-00000102-mai-soci

震災の議事録、10会議で作成されず
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1893124&media_id=88

放射線管理区域というのは、3ヶ月当たり1.3ミリシーベルトを越えるおそれのある区域を言うのだそうです(原子力安全・保安員HPより→http://www.nisa.meti.go.jp/word/30/0923.html)。1年間に換算すると5.2ミリシーベルトです。

私たちの身近で放射線管理区域と言えば、真っ先に思い浮かぶのが病院のレントゲン室ではないかと思います。

扉には、

危険・警告注意 放射線管理区域 指示があるまで入室しないでください危険・警告

と書いてあって、一般の人は許可なく立ち入ることはできません。写真を撮るときは専門のレントゲン技師が撮影します。

想像してみてください。普段私たちがそういう場所に入るのは、必要に迫られた時のほんのわずかな時間だけです。そんな場所を国は『安全だ(ということにした)から黙ってそこに住め』と言っているわけです。

もし安全だと言い張るのなら、レントゲン写真の撮影は普通の看護士がしても何ら問題ないはずですし、そもそも一般の人の立ち入りを厳重に制限する必要もありません。本来ならば子どもを被曝させてはいけませんが、安全だと言う人たちは自分の子どもや孫、親戚一同全員をそこに住まわせて証明してみせろと言いたいです。



MBSラジオ たね蒔きジャーナル
http://www.mbs1179.com/tane/


【文字起こし】

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。小出さんこんばんは。

小出:こんばんは。

水野:よろしくお願いします。

平野:あ、こんばんは、よろしくお願いします。

小出:よろしくお願いします。

水野:えーまずですね、除染についての工程表が示されました。これ環境省が示したものなんですが、あのー、簡単に・・・主だったところを言いますと、年間50ミリシーベルト以下の地域はですね、あと2年かけて作業して、人が住むことができる20ミリシーベルト以下にする。というものです。はっきり言って、これは可能ですか?

小出:えー・・・今50ミリシーベルトの地域を、2年経って20ミリシーベルトにするということは、たぶん可能です。

水野:あ、可能なんですか。

小出:はい。と言うか、

水野:はあ。

小出:えー、今・・・の汚染の主犯は、セシウム134と137ですけれども、外部被曝で言う限りは134が約7割を占めていると私は思います。えーそれが半減期が2年ですので、えー・・・2年経てば、7割のうちの、それが半分減ってしまう、つまり3割5分しか残らないわけですし、えー残り3割残ってる・・・セシウム137を含めても、元々もう6割ぐらいには減ってくれると言うんですね。物理的に。

水野:・・・はあー。

小出:ですから何か、何がしか除染をすれば、半分に減らせるということはたぶん出来るだろうと私は思います。

水野:はあー。

小出:ただし、

水野:はい。

小出:20ミリ、1年間に20ミリシーベルトというのは、私のような、ごく特殊な放射線業務従事者と呼ばれてるような人間が、1年間にこれ以上浴びるなと言われている被曝量なのです。

水野:はい。

小出:そこまで・・・下げたところで、人々がそこに住んでいいのか、子どもたちをそこで産んで育てていいのかと、問われれば、私はもう到底ダメだと思います。

水野:本来は1ミリシーベルト以下、でなければならないはずなんですよね?

小出:日本の法律はそうなのです。

水野:法律ではね。

小出:はい。

水野:はー、ということはあたし・・・はこの・・・まあ政府、環境省が出した、あのー、工程表が実現可能かどうかというところがポイントかと思いましたが、

小出:(笑)はい。

水野:そうではなくて、

小出:実現・・・をさせたところで元々ダメなのに、どうして国がそれをダメだと言わないかというのが私の不満です。

水野:はあー、だからほとんど自然に置いておいても、少なくなって・・・

小出:そうです。

水野:いく確率が非常に高い放射性物質である以上ですね、え・・・まあ、それに見合った、工程表に逆にしてあって、

小出:はい。

水野:・・・じゃ工程表はまあ実現できるということに、たぶん重きを置いているのであって、本当に人がそこで暮らして大丈夫かどうかという話とは、

小出:違うのです。

水野:ちょっと違うんですね?

小出:ちょっとどころかまったく違うのです(笑)

水野:あ、だいぶ違う(笑)、まったく違う。20倍の、

小出:はい。そうです。

水野:ことですからね。

小出:そうです。

水野:1ミリシーベルトと20ミリシーベルトと。

小出:はい。1ミリシーベルトに減らすなんてことは(強調して)到底できません。

水野:到底できないんですか!

小出:はい。

水野:たとえば何年かかったらできるんですか?

小出:えー、たぶん何百年です。

水野:・・・はあ・・・。

小出:ですからふるさとはもう既に失われるのです。

平野:そうすると先生もう、やっぱり国がやるべきことは、ここの方々を戻すんじゃなくて、何か別な・・・新たな地で、生活してもらうという・・・計画をですね、やっぱり真剣に取るのが本当の、復興の道ですよね。

小出:はい。平野さんが仰るとおりです。本当であれば、その・・・地域、ですね。その・・・地域は、あの・・・要するに家族なんですね。地域そのものが。

平野:うん、うん。

水野:はい。

小出:え・・・みんなその・・・どこどこの誰々ちゃんがというような、その集落なわけですから、え・・・ひとりひとり、あの・・・家庭・・・家族単位がどこかに行くというのではなくて、その集落単位でどこかに移住できるというようなことを、国が本当はやらなければいけないと私は思います。

水野:そうか、集落単位で、他の土地を、選ぶということですね?

小出:はい。それも大変なことな・・・そうしたところで大変なことなんですけれども。

水野:あのー、私は、たとえば20ミリシーベルト以下なら住めるというどこかの役所が言うてもね、たとえば、本来だったらあたしは環境省・・・はそうだと思うんですけど、人間が住む環境を守るべき役所が「いや、1ミリシーベルトじゃないとダメだ」と。いう議論があって然るべきだと思うんですが、考えたらですね、細野さんは、あるときは原発担当大臣、あるときは環境大臣なんですよ。

小出:(笑)はい。

水野:議論が成り立たないんですよね。

小出:はい。えー、前にも、この番組でもちょっと私お話したと思いますけれども、内閣府参与の小佐古さんという東大の教授がいてですね、えー私は彼とケンカ友達(笑)だった。えー彼は放射線の被曝は怖くないと言っていた人ですし、私はどんな微量でも危険だと言って彼とケンカをしてきた、のですけれども、彼が、1年間に20ミリシーベルトのところまでは人を住まわせるということを国が決めたときに、「そんなことは到底許せない」と。「自分の孫がそんなところにいるということを考えたら、到底我慢ができない」と言って、内閣府参与を辞任したんですね。

水野:そうでした。涙の辞任でした。

小出:はい、はい。えー・・・もし、その、1年間に20ミリシーベルトという私のようなごく特殊な、人間の被曝限度というものを、子どもたちに許してもいいと思うような政治家の人がいるなら、その方々がまずそこに住むべきだと私は思います。

水野:・・・そうですね・・・。えー、ただもう工程表1回作ったらこれで・・・いくと言うか、見直す・・・そういう意味で抜本的な見直しをしないのではないかと、いう気がいたしますが。

平野:これただあの、今日の一部報道によりますと、飯館村なんかは独自の除染案を作って、国の除染は信用できないと。

小出:(笑)はい。

平野:いう・・・ことで、何か(標高の)高いところから、あの・・・この村は、先にやっていくというような計画までね。あの・・・立ててるようで、まあこう、国への不信というものを本当にこう、露わにしてる・・・状況、窺えるんですけどね。

小出:はい。あの、科学的に言えば、飯館村の方法のほうが、国よりは遥かに優れていると私は思います。ただし、それをやったところで、申し訳ありませんが、飯館村が1年間に・・・で1ミリシーベルトを下回るようなことは有り得ません。

平野:うーん・・・。

水野:それを政府が、認めて言うかどうかってところで、多くの方の人生が、大きく・・・影響してきますね。

小出:そうです。

水野:はい。それからあの、先ほどからもお伝えしております、東日本大震災の・・・後の会議で、政府が設置した会議、15のうち10の会議で議事録を作っていなかったと、いう話なんですが、あのー、その中でとりわけ原子力災害対策本部、というところは原発事故の対応を決めるところですよね。

小出:はい。

水野:ここは去年の5月に議事録が無いことが分かっていて、当時の官房長官の枝野さんも、これ「結果だけでなくプロセスも含めて全面公開したい」と、言っていたのですが、実際は去年の年末まで、23回開いた会議の議事録が作られていなかった。こんな風に、具体的な話が分かってきました。これ・・・どんな風なご感想を持たれますか?

小出:(失笑気味に)どうなんでしょう。みなさんもどういう風に思われるか、私はむしろ聞いてみたいですけれども。えー・・・録音をしていないということは私から見ると考えられません。はい。ですから議事録を作る気であれば、簡単に作れるだろうと、思います。ただし、えー議事録を作りたくないという、もちろん思惑が一方にはあっただろうと、思います。え・・・たとえばですね、えー、私は、・・・(ため息)・・・今年・・・の、ああ去年の10月にですね、原子力学会の委員長で・・・ああ原子力学会の会長である東大の、田中・・・田中知(さとる)さん、田中知教授と、原子力委員の、えー小関さんに呼ばれて、えー東京で彼らと会ったことがあるの・・・ですが、え・・・彼らは、福島原発・・・の事故の、原因をきちっと究明したいということで、私の意見も聞きたいと言った、のです。

水野:あ、はあー!

小出:で・・・私は、それならということで彼らと話しをしたの、ですけれども、えー・・・その場所で、彼らの原則というのは、いわゆるあの・・・チャタムハウスルールというのがあるんですけれども。

水野:チャタムハウスルール?

小出:はい。えー・・・その証言をする人・・・のですね、個人の名前を伏せて、そしてその証言が、・・・その、その人の不利益にならないように、フリーに話を聞けるような状態を作るという、そういうルールなんですね。で、そういうルールで私の話を聞きたいということで、あの・・・話が来たのですけれども、私はそれを聞いた途端に、「それをやるからダメなんだ」と私は言ったの、です。

水野:ううーん。

小出:あの・・・個人が、自分の・・・(暫し間)責任を懸けて、発言をするようなことでなければダメだし、誰も責任を取らないような形でやってきたことが、今日の事故を招いたのだという風に彼らに私は、初めに言ったの、ですけれども、え・・・誰も責任を取らないような形でここまで原子力が来てしまった、それが一切の根源だと私は、思います。え・・・たぶん、えー録音が残ってるはずですので、今からでも遅くありませんので、きちっと議事録を作って、公開すべきだと思います。

水野:はい。どうもありがとうございました。

平野:どうもありがとうございました。

小出:はい、はい。

水野:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました。


【文字起こし終了】
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する