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2012年01月21日13:35

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【文字起こし】たね蒔きジャーナル 2012年1月19日 小出裕章氏出演分

「密室」判断に憤り=反原発派「逃げるな」―傍聴求め怒号も・意見聴取会
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<福島第1原発>炉内撮影、温度は44.7度、水面は見えず
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1883948&media_id=2

原子炉情報送信、非常電源接続せず…東電が放置
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1884050&media_id=20

先月16日に野田首相が福島第一原発の冷温停止状態(←この『状態』という文言がまさに詭弁なのですが)を宣言して以降、原発再稼動へ向けてなりふり構わないようになってきましたね。

そして結論ありきの調査で『安全』を宣言してから、過去の杜撰なミスをこっそり出してくる。怒号が飛ばない方がおかしいです。みのもんたが朝ズバで『反対派は冷静にならなきゃダメ』とか言ってましたが、反対派を批判する前に批判すべきことが山ほどあるだろうと思います。




MBSラジオ『たね蒔きジャーナル』HP↓
http://www.mbs1179.com/tane/


【文字起こし】


千葉:ではここで、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに、お話を伺います。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

小出:こんばんは、よろしくお願いします。

千葉:お願いします。今日は、毎日新聞論説委員の近藤伸二さんと一緒に、お話を伺います。

近藤:よろしくお願いします。

小出:近藤さんこんばんは、よろしくお願いします。

近藤:こんばんは。

千葉:まず最初の質問なんですけれども、原子力安全保安院が、昨日、大飯原発の3、4号機の定期検査の再稼動に必要なストレステストについて、意見聴取会を、原発の再稼動に反対する市民団体のメンバーに、傍聴させず、傍聴させるべきとした、安全評価に批判的な2人の委員が欠席するという事態になっています。この、議事進行のあり方についてはどう思われますか?

小出:うーん・・・まあ、日本というこの国が、原子力を進めると決めてここまで来た、わけですね。で、これまでも安全、厳重な安全審査をするから、原子力発電所は絶対安全だと言いながらここまで来て、そして事故は起きた、のです。

千葉:はい。

小出:そうすると、これまでの安全審査で使ってきた、いわゆる指針類というものが、

千葉:ええ。

小出:そのままでは使えないということになってしまいまして、

千葉:はい。

小出:えーそのためにストレステストというのをやらざるを得なくなっているのですね。えーでも、ストレステストをやったところで、現物の原子力発電所は1ミリでも安全に近付くわけではありませんし、

千葉:はい。

小出:単なる計算をしてみるということだけのことなんですね。

千葉:ええ。

小出:で、やった結果をいったいどういう基準で、OKを出すのか、それともダメだと言うのかという、その判断基準すらがないという、状態なんです。で、それを、結局まあ今までの原子力村の人たちが、委員という形で出てきて、

千葉:ええ。

小出:OKを与えてしまうということをやろうとしている、わけですね。私はもう根本的に間違えていると思いますし、そのような委員会自身・・・が、を作ってはいけなかったんだと、思います。まあ、あの、参加した委員の中でも、相当な批判がやっぱりあって、

千葉:ええ。

小出:えー、そういうやり方はダメだということだと思いますけれども、えー私はもうそんな委員会自身がおかしいし、えー国がやろうとしているストレステスト、というやり方自身もおかしいと思います。まずは福島第一原子力発電所を収束させる、事故を収束させなければいけないし、いったいどういう問題があったのかということをきっちりと調べた上でなければ、原子力発電所の安全性を確認するというような、手続きが出来る道理がないと私は思います。

千葉:うーん、あー、まあ今回ストレステストの結果として妥当いう判断が出てるんですが、

小出:(失笑)

千葉:もうそれは全然意味がないということですね。

小出:まあ要するに今まで原子力を進めてきた原子力村の人たちが、

千葉:はい。

小出:相変わらず同じようなやり方で、安全だというお墨付きを出しているわけですね。

千葉:なるほど・・・わかりました。えー、それではですね、次の質問なんですが、東京電力は、工業用の内視鏡、細い管の先にカメラの付いたあの、えー大腸検査・・・なんかの時に使う、あの、装置の、まあ一種なんですけども、この、内視鏡を使って、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内の調査を始めたということです。

小出:はい。

千葉:これによってあのー、格納容器の中に溜まっている水が、予測より少なく、およそ5メートルの高さまで溜まってると思っていたんですが、それよりも低くて、水面を確認できなかったということなんですが、あのー、これは・・・小出さん、どんなことを意味しているんでしょうか。

小出:要するに、水面が確認できないほど、

千葉:はい。

小出:内視鏡が役に立たなかったということ、ですね。

千葉:はあはあはあはあ(何度も相槌を打つ)

小出:はい、あの・・・まあ東京電力としては、内視鏡をとにかく格納容器の中に入れさえすれば、

千葉:はい。

小出:何がしかの映像が見えると思って、そう期待のもとに入れたのでしょうけれども、

千葉:はい。

小出:えー、私はたぶんダメだろうと思って、いました。

千葉:ええ、ええ。

小出:なぜならば、格納容器の中は、もう蒸気が充満してしまっているはずで、

千葉:はい。

小出:ほとんど、まあ(咳払い)要するに、湯気が、いっぱいになっているわけですね。

千葉:ええ。

小出:ですからまあ、そのー、風呂・・・の浴室でも蒸気だらけだったらば、ちょっと先はもう見えなくなってしまうということになるわけですし、おまけに、猛烈な放射線が飛び交っていますので、おそらく・・・その、まあ写真を撮ろうと思ってももう傷だらけになってしまうわけですね。写真が。

千葉:はい。

小出:えー今度のも、何か映像に、斑点がたくさん出て、出たといいますけれども、おそらくまともな映像は撮れない、ではないかなと私は思います。で・・・また、1箇所から入れているわけですけれども、

千葉:ええ。

小出:格納容器というのは巨大な空間ですので、えー、内視鏡が入れられる範囲というのはごくごく限られたもの、ですので、他の所の、損傷などはまったく分からないまま、だろうと思います。

千葉:うーん。あの、今回、内視鏡が入ったから東京電力は、配管はしっかりしていて

小出:(失笑)

千葉:地震で壊れた、ということはないってことを言ってるんですけども、そんなことは言えないんですよねえ。

小出:はい、そうです(笑)。ですからあのー、片面から入れたとしても反対側はまったく見えませんし、

千葉:はい。

小出:反対側どころか要するに水面すら確認できなかったというほど、

千葉:(笑)

小出:中が見えなかったということですよね。

千葉:はい(笑)

小出:こんなの、一部どっかの配管が、たまたまそこが、壊れていなかったとしても、

千葉:はい。

小出:えー別のところで壊れているという可能性はむしろたくさんあるわけですから、

千葉:はあい・・・。

小出:そんな判断をすること自身が、

千葉:(笑)

小出:(笑)もう意味のないことを言ってると私には思えます。

千葉:はあー・・・。近藤さんいかがですか。

近藤:そうですね、あの、たしかに、この、もう私もテレビで見ててこの不鮮明な映像でですね、何を読み取れるかなと(笑)、思ってたんですけれども、

小出:はい。

近藤:やはりそのー、これ理論的に言うともう、あらゆるところを見ないと意味がないということなんですかね、あのー。

小出:えーと、何・・・を期待して入れたかということなんですけれども、水面がどこまであるかということはどうしても見たかっただろうと思います。でもそれすらが見えなかった、

近藤:うーん。

小出:のですね。で配管が壊れているかどうかということを見たいと思うのであれば、一箇所から入れても(強調して)全然ダメです。

千葉:はい(笑)

近藤:そうですね、うん。

小出:もう、あちこちから入れて、見るということをやらなければいけませんけれども、えーそれもまあ、やること自身が大変・・・ですし、今回やってみて分かったように内部は蒸気で充満してますし、ものすごい放射線環境ですので、鮮明な画像はなかなか得ることが出来ないだろうと思います。

千葉:いちばん重要な目的ですら、まあ、達せられていなかった、ということですね。

小出:ということですね。

千葉:ああ、なるほど。それからですね、また驚くべき話が入ってまして、東京電力は、福島第一原発で原子炉の状況を確認する、あの緊急時迅速放射能影響予測システム、SPEEDIですね。

小出:はい。

千葉:に、データを送る元になるERSSという装置につながる、メディアコンバーターという装置の非常用電源が、4ヶ月も外れたままになっていて、えー原発の事故が起きた時も繋がっていなかったことが明らかになったということです。

小出:はい。

千葉:で、その原因なんですが、去年10月に設備を更新した時に、非常用電源、えー、に、去年じゃない一昨年ですね、一昨年10月に、えー設備を更新した時に、非常用電源に繋ぐケーブルが短くて繋げず、そのまま放っておいたからということなんですけれども、保安院は緊急性が高いとは思っていなかったと言っていますが、どう思われますか。

小出:(失笑)まあ、正直な、あのー、感想を保安院が言ったんだと思います。

千葉:はい。

小出:要するに緊急性が、ないと思っていたと。つまり・・・緊急時支援システム、などが、動く可能性はもうないと。そんな事故は起きないんだということをもともと保安院が思っているのですね。

千葉:はあー・・・。

小出:まあ、そういう油断というかですね、事故が起きて欲しくないという願望というか、それによって、これまで原子力行政が進められてきたということの証しだと思います。

千葉:うーん・・・。そしてあの、これに関連しての質問なんですが、

小出:はい。

千葉:あのSPEEDIは、原発事故の直後に炉心のデータが得られなくて、仮のデータを入れる状況で、汚染地域を正確に予測できないということで、活用されなかったということなんですが、

小出:はい。

千葉:あのー、このケーブルトラブルが、影響した可能性っていうのは考えられますか?

小出:それはあると思いますけれども、えー、ただ津波が来て以降はいずれにしてもまともに動かなかったはずですから、

千葉:ええ。

小出:津波が来るまでの何十分間か、を損したということですよね。ですからあの、本質的・・・本質的と言うか今回のその・・・ケーブルが繋いでなかったっていうことが、SPEEDIが動かなかったことに、ものすごく重大に影響したと私は思いませんけれども、

千葉:はい。

小出:でも元々その、事故なんか起きないと思ってる、きた人たちが、えー、やってきたわけで、本当の事故になっちゃったらどうしていいか分からなくなったと、いう、ことが今回の、まあ顛末だったのですね。

千葉:なるほど。分かりました。小出さん、どうもありがとうございました。


【文字起こしここまで】
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